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原油価格

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原油価格(げんゆかかく)とは、原油を取引する際の価格のことである。

各産油国に複数の価格指標がある。2000年代終盤において、原油の国際価格動向に大きな影響を持っているのは、アメリカ合衆国のウェスト・テキサス・インターミディエイト (West Texas Intermediate, WTI) の先物取引価格であるが、2010年代初頭にはイギリスのブレント原油 (Brent Crude) の先物価格が比重を増してきている。

国際取引での単位は1バレルあたりのアメリカ合衆国ドル ($/bbl) で表記される。日本国内向けでの単位は1キロリットルあたりの日本円(円/kl)で表記される。

概要[編集]

原油価格には、先物価格と現物の取引におけるスポットがあり、「ニューヨーク原油先物」「ブレント原油先物」「ドバイ原油・オマーン原油のスポット価格」が三大指標となっている。国際的な原油価格の指標となるのはブレント原油価格、アメリカの指標とされるのはニューヨーク原油、アジアの指標となるのはドバイ原油価格との位置づけである(2014年現在の三大指標)。なお、スポット価格とは契約の度に当事者間で決定される価格で実勢価格に近い。日本への輸入は8割が期間を定めて契約するターム契約であるが、現在ではターム契約の価格もスポット価格に連動するように設定されている。

原油は天然資源であるので、その質により価格は異なる。ガソリンや灯油が多く含まれる軽質油で、硫黄分が少ないWTIは高値で取引され、重質で硫黄が多いドバイ原油はWTIより若干安くなる傾向がある。日本国内における原油価格は、為替レートや、タンカーによる輸送コストの影響も受ける。原油の国際価格はFOB(本船甲板渡し条件=タンカーへの積込時)の価格を指すが、日本国内での原油価格は運賃や保険を含んだCIF(運賃・保険料込み条件)で表記される。

原油価格は市場経済により、需要と供給のバランスで決まり、需要面では世界経済の景気動向やガソリン・合成樹脂など様々な石油製品・石油化学製品の需要動向が影響し、供給面では産油国での供給動向(戦争・内戦による減産、タンカー襲撃、新しい油田の開発による増産)が影響する。また、投機資金によっても上下する。急激な原油価格の高騰に伴う、消費国での経済混乱はオイルショックと呼ばれるが、一方、産油国では原油価格の上昇により経済が好調となる。

歴史[編集]

  • 1850年ごろ - : 石油の時代。石油の需要が高まり油田の開発が盛んになると、開発から販売までを行う国際石油資本(石油メジャー)の力が大きくなり、国際石油資本が原油価格を支配した。価格表示の通貨はアメリカ合衆国ドル表記となる。
  • 1960年 - : 石油輸出国機構 (OPEC) の時代。中東の産油国によりOPECが結成されると、OPECが産油量と原油価格を設定するようになり、OPECが公示するアラビアンライト(Arabian Light)原油の公示価格が基準となった。
  • 1973年 : 第一次オイルショック。第四次中東戦争により原油価格は、1バレル約2 - 3ドルから10 - 12ドルに上昇した。
  • 1979年 : 第二次オイルショック。この年のイラン革命、1980年のイラン・イラク戦争(タンカー戦争)を機に価格が30 - 40ドルまで上昇した。
  • 1980年ごろ - : 市場の時代。OPEC以外での原油生産が増えたことや、欧米に原油市場が誕生したことにより、原油価格は市場により決定されるようになった。OPECの価格は市場価格から乖離した高値となり、OPECは公式販売価格の設定を放棄し、原油価格は1バレル約20ドルに下落した。
  • 1983年 : WTI先物がNYMEXに上場された。同時期にブレント原油先物がIPEに上場された。
  • 1986年 : サウジアラビアがアラビアンライト原油の価格公示を廃止した。中東原油の基準油種はスポット価格を反映するドバイ原油・オマーン原油に移り、ニューヨーク原油 (WTI)、ブレント原油とともに、現在も国際原油市場の指標となっている。ただし、ドバイ原油の産出量は減少し、主にオマーン原油が指標となっている。
  • 1999年 : アジア通貨危機の影響などで、原油価格は1バレル9ドル台まで下落した。
  • 2003年 - 2014年: イラク戦争を機に原油価格は上昇した。中東情勢やテキサス州のハリケーン被害などによる供給不安、中華人民共和国などの需要増大、サブプライムローン問題(サブプライム住宅ローン危機。リーマン・ショックなど)後の投機資金の流入などの影響と見られる暴騰が起こり、2008年7月には、1バレル147.27ドルまで上昇した。しかし2008年12月には、サブプライムローン金融危機による需要の低迷から、原油価格は1バレル30ドル台前半まで急落した。2010年4月、原油価格は1バレル85ドル付近まで再上昇している。2011年からは軒並み1バレル100ドルを超えるようになり、一時は1バレル110ドルを超えていた時期もあった。
  • 2015年 - :中華人民共和国や新興国の景気減速、連邦公開市場委員会のアメリカ合衆国ドルのゼロ金利政策解除、原油国イランへの経済制裁解除によって、原油価格が急落し、燃油サーチャージを廃止する航空会社が出現した。
  • 2020年3月 : 新型コロナウイルス感染症の流行が各国に拡大し、世界各国の経済活動、人的移動が極端に減退、減少した。このため原油価格の暴落が生じ、WTI原油先物価格は同年1月の50ドル近辺から同年3月には20ドル近辺へと下落した。特に3月中旬の10日間の下落率は50%を超えた。

「2019年コロナウイルス感染症による社会・経済的影響」も参照

  • 2020年4月20日 : WTI原油先物価格は、受け渡し場所の貯蔵施設が同年5月に満杯になるとの観測を受けて暴落。WTI史上初のマイナスを記録した。この日の清算値は1バレルマイナス37.63ドルとなった。ただし、このマイナス価格はアメリカ国内の事情によるもので、当日の北海ブレント先物は25ドル台、ドバイ先物は18ドル台後半となっている。


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