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初音ミク

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初音ミク(はつねミク、Hatsune Miku)は、クリプトン・フューチャー・メディアが発売しているバーチャルシンガーソフトウェア及びそのキャラクター。「電子の歌姫」の二つ名でも知られる。「ボカロ」という文化・ジャンルを築き、「初音ミク現象」によってネット発の文化・音楽シーンを大きく変化させた。日本史の教材で「現代のIT技術が生み出した新たな文化の象徴的存在」と評価されている。

概要[編集]

クリプトン社のバーチャルシンガー。「ピアプロキャラクターズ」に分類される。

最初の製品はキャラクター・ボーカル・シリーズ第1弾として発売され、発売直後から想定以上の爆発的ヒットを記録。音声合成の枠を超えた様々な分野のクリエイターが創作シーンに参加し、「初音ミク現象」とも呼ばれる一大ムーブメントを起こした。この現象は「時代の転機」とも言われるほどカルチャーや価値観に変化をもたらした。

キャラクターの人気も高く、バーチャルシンガーとして国際的に活動し、海外でも広く知れ渡っている。

3DCGライブコンサートやゲーム、フィギュア、モータースポーツなど公式のメディアミックスも盛んに行われ、2021年にはミク史上初となるオリジナルアニメ/漫画のシリーズ企画も制作中であることが海外メディアの取材で報じられている。

ミクはユーザーの多彩な創作物(UGC)から形作られる「消費者生成メディア(CGM)」によって成立しており、権利元のクリプトンが発行したライセンスに沿う形での無償の二次創作活動が容認されている(→ピアプロキャラクターズ#キャラクターの利用)。

クリプトンはミクの商業展開についても「創作の場」となる様に調整しており、キャラクターを用いた創作活動を促進する形がとられている。

ミクが歌う、あるいはミクを題材とした曲は、2012年時点で10万曲以上にのぼるとされる。

初音ミク現象・影響[編集]

ボカロという文化・ジャンルを築く - 創作の連鎖[編集]

ミクの登場でボーカロイド文化が誕生し、音楽シーンには「ボカロ」という1ジャンルが築かれた。

2007年当時、「ニコニコ動画」では「アイドルマスター」のMAD動画人気の影響によって「バーチャルアイドルの擬似プロデュース」の需要が高まっており、バーチャルアイドルとして企画されたミクはユーザーが待ち望んでいた存在だったと言われている。クリエイターがボカロPと名乗るのもアイマスMAD文化の様式を引き継いでおり、同社製品のMEIKOを使用した動画「初音ミクが来ないのでスネています」の投稿者がユーザーコメントで「ワンカップP」と名付けられ、そこからボカロ楽曲制作者のP名呼称が広まったとされている。

ミク関連の創作はイラストやアニメなど瞬く間に一人歩きを始め、クリエイターとの共創により巨大なムーブメントを形成し、多彩なジャンルの公式メディアミックスにも拡大していった。この現象は「創作の連鎖」または「N次創作」とも呼ばれ、ミクが一つのきっかけとして機能し、あらゆるコンテンツが互いに元ネタになって派生し合っていた。ミクは一億総クリエイター時代における新たな文化の象徴になったとも言われる。

模型業界では「初音ミクフィギュアブーム」が起こり、公式ライブコンサートではミクの実在感を高める技術・演出が採用され、SUPER GT300では「初音ミク GTプロジェクト」の痛車が参戦してシリーズチャンピオンに輝き、書籍媒体ではボカロ楽曲を題材とした商業作品が誕生。さらにGoogleといった世界的企業のCMやレディー・ガガのツアーへの出演、オペラやオーケストラ、歌舞伎、チャリティー活動、文化財保護プロジェクトにも起用されるなどミクの快進撃は続き、多種多様な作品・文化がネットとリアルに拡散されていった。ミクは音楽や絵画、ファッション、テクノロジー、伝統芸能、国際交流など異なる分野をいとも簡単に融合・交配(コラボ)させたという。

クリプトン社の代表取締役・伊藤博之は、主催イベント「初音ミク マジカルミライ 2013」のムック本冒頭でこう述べている。

ユーザーの中に初音ミクという共通認識があり、いろんな方が切磋琢磨して何かを作る。

初音ミクの絵、初音ミクで歌った声、といった共通のアイコンとしてシェアされていき、作品を好きになる人たち、自分も作品を作ってみたいと思う人たちを生んでいく。

これこそが初音ミクの象徴的な部分であり、僕らが大切にしたいと思っている価値です。

ミクの登場はDTM・同人音楽のシーンにおいて歌い手の確保というボーカル曲に挑む際のハードルを取り除くと共に、ミクが歌っていることに価値が見出されたことで既存曲のアレンジなどでなくとも人気を得やすくなり、オリジナル歌唱曲の制作流通を容易にするという状況をもたらした。それにより、ニコニコ動画を始めとする動画共有サービスのブームとも共鳴する形でDTM全般へのブームにまで波及していく。

ボカロ音楽が世間一般に知られるきっかけの一つとして、2008年にビクターから発売された史上初の完全なメジャーボカロアルバムであるlivetune feat. 初音ミク「Re:package」の存在が挙げられる。2009年にはソニーミュージックをはじめとする大手が人気ボカロPをフィーチャーしたアルバムをリリース。2010年にはEXIT TUNESの「Vocalogenesis feat.初音ミク」がオリコン1位を記録するなど、日本の音楽シーンに浸透していく。

様々な初音ミクの誕生[編集]

メルトショック[編集]

2007年にニコニコ動画に投稿された楽曲「メルト」は、その後のボカロシーンの流れを決定付けた大きな意味を持つ曲とされる。

それまでミク自身を題材にしたキャラクターソング的な曲が大半を占めていた中、メルトはクリエイターの個性や世界観を反映した歌詞をミクにシンガーとして表現させた曲だった。このメルトのヒットに影響を受けてよりバラエティ豊かな曲が投稿されるようになり、ミクにとってもシンガーとして広く受け入れられて役割を大きく広げるきっかけとなった。

また、裏方である楽曲制作チームの存在に光を当てるきっかけにもなった。それまで「歌の魅力は歌手が決める」という認識が一般的だったため、コアな音楽ファン以外は裏方を基準にして聴く曲を選ぶことはあり得なかったが、ボカロシーンではそれまで音楽に関心を持たなかったような若いリスナーでも制作陣の情報に気を配っており、この現象を日本の音楽文化における転換点と評する者も多かったという。

ニコニコ動画では人間がメルトをカバーし、原曲を含む同曲がマイリストランキングの上位を独占するという事態を引き起こした。この一連の現象は「メルトショック」と呼ばれ、米津玄師(ハチ)がミクのイベントである「初音ミク マジカルミライ 2017」のテーマ曲として提供した「砂の惑星」にもこれを意識したとも取れる歌詞が登場する。

金字塔と評価されるミクの代表曲の内、「みくみくにしてあげる♪」が初音ミク現象の象徴として多くの二次創作を生むきっかけとなった曲であるのに対し、「メルト」は初音ミク現象を加速させた曲とも評価されている。

3DCGライブ - 実在と非実在の境界[編集]

初音ミクは常に「実在と非実在」の境界線上に置かれ、人の想像力や感性を刺激する存在だったとも言われる。

2009年に行われた公式3DCGライブコンサート「ミクフェス '09(夏)」では、透過式のディラッドスクリーンに投影された3DCGのミクが「まるでそこにいる」かのように歌って踊り、観客もミクやバンドメンバーに呼応して盛り上がることで、ミクの巻き起こす熱気はリアルに可視化されたという。

この形式のライブはクリプトン社とTOKYO MXが「初音ミク マジカルミライ」(マジミラ)のライブ企画として毎年実施している。マジミラのライブイベントはアナログなバンドメンバーとデジタルなミク達ピアプロキャラクターズが共演することで「バーチャルとリアルの融合」を実現させており、「“実在”が揺らぐ感覚」とも評価された。

この他にもARやVRなど多様なXR技術を使用したライブイベントが開催されている。

フィギュアブーム[編集]

ミクの人気はフィギュアシーンに初音ミクフィギュアブーム、デフォルメフィギュアブームを起こした。

初の立体商品であるグッドスマイルカンパニー(グッスマ)の「ねんどろいど 初音ミク」は、絶妙にデフォルメされた可愛らしさが評判となって2010年度までに出荷数が12万個(数十万体もの受注数とも)にのぼる記録的な大ヒットとなった。

ミクのフィギュアはスケール物でもメガヒットを記録し、「初音ミクフィギュアブーム」を確固たるものとした。このほか雪ミクや桜ミク、レーシングミク、モジュール、セカイのミクたち、歌唱曲用デザインなどの多彩なバリエーションも支持を集め、多くのブランド・シリーズで固定観念に縛られないミクならではの商品が作られ続けている。

特にねんどろいどは初音ミクと共に成長したと言っても過言ではなく、全ラインナップ中でもミクが最多の商品化回数を誇り、2023年には“100体目のねんどろいど初音ミク”の商品化企画が発表されている。ねんどろいど15周年のインタビューでは、「ポップカルチャーのアイコンになった初音ミク」と「グッスマのアイコンになったねんどろいど」の成長過程において、両者が相互的な影響関係にあったことが語られた。

G20ニューデリー・サミットの関連企画では、東京国立博物館の重要文化財保護プロジェクトとのコラボ商品の一つ「ねんどろいど 初音ミク 冬木小袖Ver.」が日本文化を表す作品として展示されている。

公式設定[編集]

初音ミクについては以下のようなキャラクター設定、得意ジャンルなどが公開されている。関連企画によっては生年月日が設定されていることもある。

  • 年齢:16歳
  • 身長:158cm
  • 体重:42kg
  • イメージカラー:ブルーグリーン

設定についてはキャラクターを色付けしすぎないことも考慮されており、企画時に考えられていた背景設定なども採用は見送られ、最低限のプロフィールだけとなっている。

初音ミクのメディア展開では企業・団体との公式コラボ展開が行われているが、ユーザーによる創作物において「好きなイメージの初音ミク」がそれぞれ存在しているという状況があり、クリプトン側はミクのイメージを収束させてしまうことを懸念していた。生みの親であるクリプトンの佐々木(wat.)は、2013年の対談で「メジャーなメディアで影響力のあるコンテンツが生まれることによって他のクリエイターがやりにくくなってしまったら困る」と発言している。

2020年より展開されている「プロジェクトセカイ」はクリプトンが深く関わる公式メディアミックス作品だが、あくまでもその作品における設定であり、ピアプロキャラクターズの公式設定(プロフィール)とは異なるものとして扱われている。『SEGA feat.HATSUNE MIKU Project』のスタンスとしては「公式だから」と抑えつけるのではなく「我々も初音ミクの派生創作に参加させて頂く」という気持ち(ユーザー目線)で制作に臨んでいるという。

一方で2021年に初音ミクのオリジナルアニメ・漫画の制作が報道された際、クリプトンの社員ドゥヴィーニュ・ギヨームが「ファンによる創造性と芸術表現の機会を無限に与えてくれる初音ミクの本質に忠実なアニメをつくるため画期的な方法を見つけたと信じています。これは、ミクと世界中のファンにとって大きな瞬間となるでしょう」ともコメントしている。

キャラクターデザインを担当したKEIの手がける漫画作品「メーカー非公式 初音みっくす」はタイトルにあるように「非公式」という扱いになっている。ユーザーの創作から生み出されたものの中には、後述の「ネギ」のように広く受け入れられ、グッズなどの商業展開に取り入れられた例もあるが、これも公式設定に組み入れられているわけではない。

ゲーム「初音ミク Project DIVA」の林誠司プロデューサーは「クリエイターの日々の創作にユーザーの反応や評価が積み重なっていくことで、それがある種初音ミクのお手本、原作のような感じになっている」と述べた。

音源設定[編集]

パッケージ ライブラリ 得意ジャンル 得意な曲のテンポ 得意な音域
『初音ミク』 アイドルポップス、ダンス系ポップス 70-150BPM A3-E5
『初音ミク・アペンド』 「Sweet」 フレンチポップ、バラード、エレクトロニカ等 55-155BPM F3-D5
「Dark」 バラード、ジャズ、フォーク、アンビエント等 60-145BPM D3-B4
「Soft」 ソフトロック、バラード、フォーク、アンビエント等 70-150BPM A3-E5
「Light」 ポップス、ロック、ダンス、テクノポップ等 85-175BPM A3-D5
「Vivid」 ポップス、テクノポップ、トラッド等 95-180BPM G3-D5
「Solid」 ポップス、ロック、ダンス、エレクトロ等 65-160BPM D3-C5
『初音ミク V3 バンドル』 『初音ミク V3 ENGLISH』 「ENGLISH」 ハウス、テクノ、クロスオーバー等 100-130BPM B2-B3
『初音ミクV3』 「ORIGINAL」 アイドルポップス、ダンス系ポップス 70-150BPM A2-E4
「SWEET」 フレンチポップ、バラード、エレクトロニカ等 55-155BPM F2-D4
「DARK」 バラード、ジャズ、フォーク、アンビエント等 60-145BPM D2-B3
「SOFT」 ソフトロック、バラード、フォーク、アンビエント等 70-150BPM A2-E4
「SOLID」 ポップス、ロック、ダンス、エレクトロ等 65-160BPM D2-C4
『初音ミク V4X バンドル』 『初音ミク V4 ENGLISH』 「ENGLISH」 ポップス、バラード、ジャズ等 80-135BPM B2-C#4
『初音ミクV4X』 「ORIGINAL」 アイドルポップス、ダンス系ポップス 60-160BPM A2-E4
「SWEET」 フレンチポップ、バラード、エレクトロニカ等 55-155BPM F2-D4
「DARK」 バラード、ジャズ、フォーク、アンビエント等 60-160BPM D2-B3
「SOFT」 ソフトロック、バラード、フォーク、アンビエント等 60-160BPM A2-E4
「SOLID」 ポップス、ロック、ダンス、エレクトロ等 65-160BPM D2-C4
『初音ミク V4 CHINESE』 「CHINESE」 ポップス、バラード、ジャズ等 80-135BPM B2-C#4
『初音ミク NT』 「Original DB+」 ミクらしい可愛げのある歌声 表記なし A2-E4
「Whisper DB+」 耳元で囁くような吐息声
「Dark DB+」 ダウナーで哀愁漂う歌声

デザイン[編集]

ミクは女声の歌声合成システムに歌手の身体を与えることでより声にリアリティを増すという観点から、ソフト自体をバーチャルアイドル(バーチャルシンガー)に見立て、「未来的なアイドル」をコンセプトとしてキャラクター付けされている。名前自体も未来から来た「めての」、機械が歌うのが「未来的」ということに由来する。

ミクのキャラクターデザインはイラストレーターのKEIによるもので、頭髪は青緑色、髪型はくるぶしまで届く長さのツインテールで、黒のヘッドセットを装着している。衣装は襟付きノースリーブの上着にネクタイ、ミニスカートにローヒールのサイハイのブーツ、黒を基調として所々に青緑色の電光表示をあしらっている。左上腕部には赤色で「01」とキャラクター名をデザインしたタトゥーが入れられており、数字についてはキャラクター・ボーカル・シリーズで最初に発売された製品であることを表す。

ミクのデザインのモチーフはヤマハのシンセサイザー・DX7、これは1983年に発売されデジタルシンセサイザーの普及に貢献したヒット商品であるDX7にちなみ、初音ミクも一時代を築いて欲しいとの願いを込めて、ヤマハの担当者を説得した上でデザインに取り入れたものであるという。また、後述の公式プロフィールにあるように年齢、身長、体重も定められている。

製品パッケージのキャラクターイラストは、最初のV2版ではKEIの描いたものが用いられているが、以後の製品ではそれぞれ異なる作家が起用されている。2010年4月に発売された『初音ミク・アペンド』ではミクがその流行の中で様々な絵師によって描かれてきたことを踏まえ、特定の絵師が描くのではなく、フィギュア原型師の浅井真紀がデザインした3Dのフィギュア「Miku(Zero-Vocalist ver)」にイラストレーターの ねこいた が着色をする、という形がとられた。2013年8月に発売の『初音ミクV3 English』では ざいん が、同年9月発売の『初音ミクV3』ではiXimaがイラストを担当している。

初音ミクのバリエーション・派生キャラクター[編集]

ミクは年齢・身長・体重以外が設定されておらず、クリエイターの中で様々な衣装やストーリー、キャラクター性が創造された結果、多様な色を持つミクが誕生するに至っている。

一方で商業シーンから誕生した公式のバリエーションも多数存在する。クリプトンが運営するCGM型投稿サイト「ピアプロ」は各種企業のコラボ支援(公募)の受け皿にもなっており、セガのユーザー参加型リズムゲーム「初音ミク -Project DIVA-」(DIVA)のモジュールや「雪ミク(2012年以降)」などで投稿作品とのコラボが成立している。

クリプトン公式の商用バリエーション[編集]

クリプトン公式のメディア展開では初音ミクをベースとした商業発のバリエーションが多数登場する。この内、クリプトンが商標を登録しているのは冬季仕様の「雪ミク」、春季仕様の「桜ミク」、SUPER GT仕様の「レーシングミク」、ねんどろいどミクの着ぐるみ1号として製作された「ミクダヨー」である。

ゲーム作品から誕生した「モジュール/コスチューム」や「セカイのミクたち」、他社のIPとのコラボから誕生した「フェイ・イェンHD」や「発音ミク」、「18タイプの初音ミク(と相棒ポケモン)」のようなバリエーションも存在する。

ファンメイドのバリエーション[編集]

ファンが主導するCGM型サイトの創作シーンでは、パッケージキャラクターをモチーフとして自由に名前や容姿、性格などを設定し新しいキャラクターを創作するという遊びが行われている。そうしてミクから生み出された派生キャラクターの中でも、ブームのきっかけとなった動画「VOCALOID2 初音ミクに「Ievan Polkka」を歌わせてみた」から生まれた2.5頭身のデフォルメキャラクター「はちゅねミク」や、初音ミクを巡る騒動から生まれた「亞北ネル」、ミクを使いこなせないユーザーの心象を擬人化した「弱音ハク」などはファンの支持を得て、クリプトンとデザインを行った作者との合意の上で商用利用も行われている。

メディアミックス[編集]

クリプトン社の公式メディアミックス。一覧、シリーズ、恒例行事、プロジェクトの記事を記載する。

初音ミクのメディア展開 - 一覧・統括用の記事
  • 初音ミクの関連イベント
    • 初音ミク「マジカルミライ」
    • MIKU EXPO(英語版、インドネシア語版)
  • 初音ミクを題材にした書籍
  • 初音ミクの音楽コンテンツ
  • 初音ミクを題材にしたゲーム作品
  • ピアプロキャラクターズ#クリプトン公式の商用バリエーション
    • 雪ミク
  • SEGA feat. HATSUNE MIKU Project
    • 初音ミク Project DIVAシリーズ
    • 初音ミク Project miraiシリーズ
    • プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク

アンバサダー・イメージキャラクター[編集]

  • グッドスマイルレーシング/初音ミクGTプロジェクト:公式キャラクター(初音ミク RQver → レーシングミク、2008年~)
  • 初音ミク Project miraiシリーズ:広報/プロモーションキャラクター(ミクダヨー、2012年~)
  • 2017冬季アジア札幌大会:広報大使/PRアンバサダー(雪ミク、2016年-2017年)
  • Cassette Store Day Japan(英語版):公式アンバサダー(初音ミク、2017年)
  • 弘前さくらまつり:公式応援キャラクター(桜ミク、2019年~)
  • ポカリスエット:公式アンバサダー(初音ミク、2019年~)
  • Bリーグ「ALL-STAR GAME 2020 IN HOKKAIDO」:デジタルアンバサダー(雪ミク、2019年-2020年)
  • 内閣官房新型コロナウイルス感染症対策推進室:コロナ対策サポーター(初音ミク、2020年)
  • 札幌モーターショー:公式アンバサダー(雪ミク、2020年)
  • CBCラジオ開局70周年:公式イメージキャラクター(初音ミク、2021年)
  • 札幌市制100周年記念事業:PRアンバサダー(雪ミク、2022年)
  • 弘前ねぷた300年祭:公式応援キャラクター(初音ミク、2022年)
  • 初音工房プロジェクト:公式アンバサダー(初音ミク、2023年~)
  • 札幌モビリティショー:公式アンバサダー(雪ミク、2023年~)

受賞歴[編集]

  • 第13回AMDアワード年間コンテンツ賞・優秀賞
  • 第39回星雲賞自由部門
  • 第13回アニメーション神戸賞/作品賞・ネットワーク部門
  • 2008年度グッドデザイン賞
  • 2011年度SUPER GT300シリーズチャンピオン / 谷口信輝&番場琢、グッドスマイル初音ミクBMW
  • 第66回北海道新聞文化賞・特別賞
  • カンヌライオンズ 国際クリエイティビティ・フェスティバル/Google Chrome×初音ミク
    • ダイレクトマーケティング部門・銅賞
    • エンターテインメント部門・銀賞
  • ファミ通アワード2012/最優秀キャラクター賞
  • 第17回AMDアワード大賞/総務大臣賞
  • 2014年度SUPER GT300シリーズチャンピオン / 谷口信輝&片岡龍也、グッドスマイル初音ミクZ4
  • 2015年度日本商品化権大賞/グローバル部門
  • 2016年度最有态度异度偶像(中国・網易)
  • 2017年度SUPER GT300シリーズチャンピオン / 谷口信輝&片岡龍也、グッドスマイル初音ミクAMG
  • 第22回AMDアワード大賞/総務大臣賞
  • 日本ネーミング大賞2023/最優秀賞

二次創作[編集]

キャラクターの利用[編集]

初音ミクは発売後キャラクターとしても人気が出たことからキャラクターをモチーフにしたイラストやアニメーションの作成といった、ファンによる二次創作が行われた。そうした状況に応える形で「ピアプロ・キャラクター・ライセンス(PCL)」とそれに基いた「キャラクター利用のガイドライン」が定められた。二次創作作品の頒布のため「ピアプロリンク」という仕組みも提供されている。

また、日本以外の利用者への対応のため、2012年12月に公式キャラクターイラストのクリエイティブ・コモンズ・ライセンスのCC BY-NC 3.0(表示 - 非営利 3.0)でのライセンスも行われた。ただし、キャラクターのイメージを損なうような行為などについては規制されており、実際に成人表現を含む二次創作作品などに対する対応が行われたケースもある。

なお、キャラクターの名称や画像を用いない楽器としてのみの利用の場合は公序良俗に反する歌詞を含むなどの一部の例外を除き、商用・非商用問わず使用は制限されていない。

初音ミクとネギ[編集]

ネギはミクの定番アイテムとしてファンの間で広く受け入れられている。これは派生キャラクターのはちゅねミクを生み出した動画『VOCALOID2 初音ミクに「Ievan Polkka」を歌わせてみた』で、ミクに長ネギを持たせていたことから広まったとされる(詳細はロイツマ・ガールを参照)。

公式設定ではないが初音ミクのメディア展開にも広く取り入れられており、フィギュアの付属アイテムや公式イベントの注意喚起、食品・飲食店とのコラボ等でもその名残を見ることができる。

海外展開・世界での活動[編集]

海外でのミクはグッズやコンサート、広告などで大きな成果を出しており、海外向けECサイトにおける売上・知名度も日本のIPの中でも優れているとされる。各ソーシャルメディアのフォロワー数は中国向けのweiboが360万人、bilibiliが250万人、Facebookの英語版が240万人、Youtubeの39chが280万人にのぼる(2023年時点)。

2011年の「Google Chrome」グローバルキャンペーンのCM曲「Tell Your World」はミク自体の人気・知名度を押し上げ、世界へと羽ばたかせる要因となった。また、海外を対象とした公式ライブコンサートも開催されており、その内の一つ「MIKU EXPO」では初開催からの10年間で世界30都市にて計68公演が行われている。

クリプトン社は「上海新创华文化发展有限公司」や「カーリン・ウェスト・エージェンシー」、「ワッサーマン・メディア・グループ」といった国外のいくつかのライセンス代理会社とパートナーシップを結び、ミクのメディアミックス・マーチャンダイズを展開している。

東アジア[編集]

中国では殿下(公主殿下)の愛称で親しまれ、主要ソーシャルメディアのフォロワーは“600万人”以上にのぼる(360万人+250万人)。中国で流通する日本のIPでミクは常に上位とされ、人口差があるとはいえ2023年時点の売上は中国の一強状態とされている。

また、中国でのミクの人気は「bilibili」の母体となる動画サイトの創設にも繋がっている(元々はMikufansというミクのファン活動を発端とした動画サイトだった)。初の中国開催ライブイベントとして「初音ミク 香港&台湾ファーストコンサート ミクパ」が開催され、2015年より「MIKU EXPO」の開催国の一つとなった。2017年以降は「未来有你(MIKU with YOU)」が継続的に開催されている。また、初音未来公式投稿サイト「POPPRO」も開設された。

中国向けの「マジミラ2019」配信では、“750万人”の総来場者数を記録。翌年にはアリババグループ傘下のECモールサイト「タオバオ」のライブコマースツールにミクが参加、最大視聴者数は“300万人”にも達し、同サイトのサーバーを一時ダウンさせた。こうした試みは初音ミクのキャラクター人気の高さを裏付けるものでもある。

台湾では「ミクパ」や「MIKU EXPO」の開催に加え、プロ野球チーム「楽天モンキーズ(楽天桃猿)」とのコラボも行われている(→初音ミクのメディア展開#スポーツ)。

韓国では特に大きな展開はしてなかったが、公式メディアミックス作品「プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク」の影響によって日本のイベントに来るファンが増加したという。

北米[編集]

北米諸国での売り上げはグッズやフィギュアが牽引している。

アメリカでは2011年5月よりトヨタ・カローラの広告に起用され、同年7月には初の日本国外単独ライブ「MIKUNOPOLIS in Los Angeles」も開催されている。北米は「MIKU EXPO」の開催地の一つとなっており、2016年に北米3カ国10都市を巡る初の北米ツアー「MIKU EXPO 2016 North America」を開催、2020年にはアメリカ最大級の野外音楽フェスティバル「コーチェラ・フェスティバル」の出演メンバーとなった。2024年には北中米16都市を巡る「MIKU EXPO 2024 North America」を開催。

主な出来事[編集]

2007年[編集]

  • 6月25日 - クリプトン・フューチャー・メディア、ブログにてコードネーム「ミク」とKEIによる立ち絵を公開。
  • 8月17日 - クリプトン、公式ブログでデモソングを先行公開。
  • 8月31日 - クリプトン、「キャラクター・ボーカル・シリーズ01 初音ミク」を発売。
  • 9月3日 - ニコニコ動画に「初音ミクが来ないのでスネています」が投稿。ユーザーコメントによりワンカップPと名付けられ、ボカロ楽曲制作者のP名呼称が広まる。
  • 9月4日 - ニコニコ動画に『VOCALOID2 初音ミクに「Ievan Polkka」を歌わせてみた』が投稿、ネギとはちゅねミクが登場。
  • 9月20日 - ニコニコ動画に『みくみくにしてあげる♪【してやんよ】』が投稿され、ボカロオリジナル曲の文化が定着する。
  • 10月14日 - TBS『アッコにおまかせ!』内での特集、放送内容を巡り騒動に発展。
  • 12月3日 - クリプトン、CGM型投稿サイト「piapro(ピアプロ)」を開設し、二次創作に関するガイドラインを公表。
  • 12月7日 - supercellのryoが「メルト」を投稿、「メルトショック」を巻き起こす。
  • 12月8日 - カラオケ「JOYSOUND」で『みくみくにしてあげる♪』が初めての初音ミク楽曲としてカラオケ配信。
  • 12月18日・25日 - 初音ミク楽曲のJASRAC信託と着うた配信に関する騒動が起こる。25日に対立終息へ。

2008年[編集]

  • 1月25日 - フロンティアワークス、バーチャルシンガー初音ミクのデビュー作となるミニアルバム『星のカケラ』発売。
  • 2月24日 - 3D動画作成ソフトウェア「MikuMikuDance(MMD)」の初版が一般公開される。
  • 3月10日 - 社団法人デジタルメディア協会主催の「第13回 AMD AWARD」で優秀賞を受賞。
  • 3月29日 - 『【俗・】さよなら絶望先生』にて初めてアニメ出演(初音ミクのメディア展開#アニメ作品を参照)。
  • 3月31日 - グッドスマイルカンパニーがフィギュア「ねんどろいど 初音ミク」を発売。大ヒットし、「初音ミクフィギュアブーム」「デフォルメフィギュアブーム」を起こす。
  • 4月23日 - 「初音ミク GTプロジェクト」が正式始動し、Studie(当時)が初音ミク(まだレーシングミク名義ではない)の痛車でSUPER GTレースへの参戦を表明。
  • 5月29日 - ニンテンドーDSソフト『13歳のハローワークDS』でゲーム作品デビュー。
  • 8月24日 - 第39回星雲賞自由部門の受賞が決定。
  • 8月27日 - ビクターエンタテインメントよりアルバムCD『Re:package』がリリース。ミクのイラストや名称などを使用したメジャーレーベルのCDはこれが初めて。
  • 8月29日 - クリプトンとセガの共同プロジェクト「SEGA feat. HATSUNE MIKU Project」によるリズムゲーム「初音ミク -Project DIVA-(仮称)」の制作が発表され、カウントダウン開始。
  • 9月16日 - クリプトン、待受画像や楽曲を配信する携帯サイト「初音ミクモバイル」(ミクモバ)を開設。
  • 10月8日 - 公益財団法人日本デザイン振興会主催による2008年度のグッドデザイン賞を受賞。
  • 11月 - 初音ミクが第13回アニメーション神戸賞作品賞・ネットワーク部門を受賞。
  • 11月9日 - 「初音ミク GTプロジェクト」のデビュー戦・SUPER GT300最終戦に「初音ミク Studie GLAD BMW Z4」が出走。

2009年[編集]

  • 3月4日 - 人気楽曲「メルト」などを収録したsupercellのアルバム『supercell』が発売されオリコン週間チャート4位にランクイン、10万枚以上を出荷し日本レコード協会よりゴールドディスクに認定された。
  • 5月25日 - 老舗海老菓子製造メーカー「志満秀」が「瀬戸内発!初音ミクのネギ入りえびせん『みくせん』」を発売(初音ミクのメディア展開#主な飲食物を参照)。ミクをイメージキャラクターに起用した食品はこれが初めて。
  • 6月4日 - クリプトン、キャラクターの非営利・無償での利用を一般に許諾する「ピアプロ・キャラクター・ライセンス」を公開。
  • 7月2日 - セガよりPSP用ゲーム『初音ミク -Project DIVA-』が発売、後の初音ミクシーンにとって重要な作品となった。
  • 8月22日 - さいたまスーパーアリーナで開催されたAnimelo Summer Live 2009にアーティストとして映像出演。イベント(現地)でのライブパフォーマンスはこれが初めて。
  • 8月31日 - 東京のSTUDIO COASTにてライブイベント「ミクフェス '09(夏)」が開催され、ステージ上で初めて透過スクリーン(ディラッドボード)を使用した。この形式は後の「ミクの日感謝祭」や「初音ミク ライブパーティ」、「初音ミク マジカルミライ」等でも採用されている。
  • 11月21日 - シンガポールで開かれた「アニメフェスティバルアジア2009」にてステージのスクリーンに初音ミクが出演、初の海外公演となった。

2010年[編集]

  • 1月 - 2009年に開校した山口県にある広域通信制・単位制の精華学園高等学校とピアプロのコラボレーション企画で初音ミクを使った校歌の公募が行われ、応募作品の中から「羽ばたける君へ」が校歌に選ばれる。
  • 2月1日 - 「初音ミク GTプロジェクト」のチームオーナーが『Studie GLAD Racing』に代わり新チーム『GOOD SMILE RACING with COX』が設立、「レーシングミク」が誕生する。
  • 2月5日 - 第61回さっぽろ雪まつりにてクリプトンが初音ミクを雪像化・展示したことに因んで「雪ミク」が誕生し、「SNOW MIKU」イベントが併催。毎冬の定番イベントに。
  • 3月9日 - ミクの日(3月9日との語呂合わせに由来)に、東京のZepp Tokyoでライブイベント「ミクの日感謝祭 39's Giving Day」を開催。公演を収録したBDは発売初週で約1万枚を売り上げ、オリコンミュージックBDランキングで1位を獲得。
  • 4月30日 - クリプトン、追加音源『初音ミク・アペンド』を発売。
  • 5月19日 - EXIT TUNESよりコンピレーション・アルバム『EXIT TUNES PRESENTS Vocalogenesis feat.初音ミク』発売。発売初週で2万3千枚を売り上げ、オリコン週間チャートにてボーカルに音声合成ソフトを用いたアルバムとして初となる週間1位を獲得。
  • 5月21日 - 初音ミクのイラストと約14,000人の応援メッセージが印刷されたアルミプレートが搭載された金星探査機「あかつき」が H-IIAロケットで打ち上げられた。
  • 12月20日 - クリプトン、着うたフルを配信する携帯電話用サイト「初音ミク ボカロサウンド」を開設。

2011年[編集]

  • 1月8日 - 角川書店の月刊Newtype2011年2月号誌上より『電脳戦機バーチャロン』とのコラボキャラクター「フェイ・イェンHD」が誕生。後に『初音ミク -Project DIVA- extend』でのモジュール化や『スーパーロボット大戦UX』への参戦などのメディアミックスが行われる。
  • 1月19日 - EXIT TUNESより発売されたコンピレーション・アルバム『EXIT TUNES PRESENTS Vocalonexus feat.初音ミク』が発売初週で3万1千枚を売り上げ、オリコン週間チャートにて同シリーズの過去作『Vocalogenesis』に続く2作目の1位獲得。
  • 2月11日 - 雪ミクのイベント「SNOW MIKU 2011」に合わせて札幌市電で雪ミクのハーフラッピング車両を運行。同車の車内放送の音声は初音ミクを担当した声優の藤田咲によるもの。後に恒例化する。
  • 5月4日 - トヨタ自動車の北米地域の統括管理会社トヨタ・モーター・ノースアメリカが、初音ミクを起用したトヨタ・カローラ2011年モデルのCMを公開。海外でも人気を集める。
  • 6月25日 - 初音ミクを特集した早川書房のS-Fマガジン8月号が予約殺到により発売前に増刷が決定、1959年の創刊以来初の快挙に。
  • 7月2日(現地時間) - アメリカ合衆国・ロサンゼルス(NOKIA Theatre)で開催された『Anime Expo 2011』の一環として、初めての日本国外の単独ライブ「MIKUNOPOLIS in LOS ANGELES」を開催。
  • 9月17日 - 幕張メッセで開催された東京ゲームショウ2011にて3DS用リズムゲーム「初音ミク and Future Stars Project mirai」のプロモーション用に製作された「初音ミクの着ぐるみ1号」が登場。威圧感のあるルックスとフリーダムな動きがネット民に受け、後に「ミクダヨー」というネット発のあだ名が正式名称に。
  • 10月16日 - 「初音ミク GTプロジェクト」のレーシングチーム「GSR & Studie with TeamUKYO」がSUPER GTの2011年シーズンでシリーズチャンピオンに輝く。
  • 11月11日 - シンガポールで開催されたアニメフェスティバル「アジア2011」内で、東南アジアでは初となるミクのライブイベント「初音ミク・ライブパーティー 2011 ミクパ♪-39's lives IN SINGAPORE-」を実施。
  • 12月16日 - GoogleのウェブブラウザGoogle Chromeの「Google Chromeグローバルキャンペーン」で、初音ミクを起用したCMが公開、ミクを世界へと羽ばたかせたとも言われる。
  • 12月19日 - クリプトン、Youtubeに「初音ミクチャンネル(39ch)」を開設。

2012年[編集]

  • 3月8日・9日
    • 8日、セガよりニンテンドー3DS専用ゲームソフト『初音ミク and Future Stars Project mirai』が発売。任天堂ハードでの主役ソフトの展開は初めて。
    • 8日~9日にて初音ミクライブ史上(当時)最大規模の大型イベント「ミクの日大感謝祭」開催スタート。両日の公演を収録したBD-BOXは週間BDランキングの総合で初となる1位を獲得
  • 3月19日 - 社団法人デジタルメディア協会主催の「第17回 AMD AWARD」で、2011年7月2日にロサンゼルスで開催された「MIKUNOPOLIS in LOS ANGELES」が大賞/総務大臣賞を受賞。
  • 6月20日 - カンヌライオンズ 国際クリエイティビティ・フェスティバルで、初音ミクを起用した「Google Chrome」のCMがダイレクトマーケティング部門で銅賞、エンターテインメント部門で銀賞を受賞。
  • 10月2日・6日 - ライブ「初音ミク 香港&台湾ファーストコンサート "ミクパ♪"」を開催。2日の香港公演において中国で初めてミクのライブが実施された。
  • 11月 - 第66回北海道新聞文化賞特別賞を受賞。
  • 11月23日 - 東京オペラシティにてシンセサイザーの第一人者・冨田勲の『イーハトーヴ交響曲』 世界初公演に初音ミクがソリストとして出演。以降、冨田の死去(遺作となる追悼コンサート)まで共演することに。
  • 12月14日 - クリプトン、公式イラストにクリエイティブ・コモンズ・ライセンスを採用。

2013年[編集]

  • 4月6日 - フジテレビ系列の音楽番組『ボーカロイド歌謡祭』に出演。これがテレビ番組の初出演となる[要出典]
  • 4月26日 - 明仁天皇・美智子皇后(当時)も来場した森美術館10周年記念展「LOVE展:アートにみる愛のかたち―シャガールから草間彌生、初音ミクまで」が9月1日まで開催され、展示に初音ミクも登場。皇后が「これがミクちゃんですか」と発言。
  • 5月31日~6月8日 - マン島TTレースに出場するMIRAIの電動バイク「TT零13」とのコラボレーションで海外出走。海外のモータースポーツには初出走。
  • 7月20日 第52回日本SF大会こいこんで星雲賞授与式が行われ、情報処理2012年05月号別刷「《特集》CGMの現在と未来: 初音ミク, ニコニコ動画, ピアプロの 切り拓いた世界」が星雲賞を受賞。
  • 8月2日 - NTTぷららの映像配信サービスひかりTVで、初めての冠番組『初音ミクの ミクミクメイクミク!』を開始。
  • 8月30日 - 横浜アリーナにて「初音ミク「マジカルミライ 2013」」を開催。後に恒例イベントとなり、「SNOW MIKU」と共に初音ミクの2大イベントとも称されるようになる。
  • 8月31日 - 『初音ミク V3 ENGLISH』のダウンロード販売を開始。
  • 9月26日 - 『初音ミク V3』及びバンドル版を発売。

2014年[編集]

  • 2月5日~2月11日 - 雪ミクの5周年記念に「SNOW MIKU 2014」が開催され、5回目となる今回から公式テーマソングが設定された他、雪ミクのペット「ラビット・ユキネ」が誕生。期間中には「夏祭初音鑑」から続くライブ「雪祭初音鑑」も併催。
  • 3月12日 - BUMP OF CHICKENの配信限定シングル『ray』がリリース。クリプトン社が公式で他ミュージシャンとコラボした初めての例とされる。
  • 4月3日 - 太田出版より書籍「初音ミクはなぜ世界を変えたのか?」が発売され、クリプトンら企業のキーパーソンへの緻密な取材を通して音楽論としての初音ミクを展開。初のボカロ音楽史書となった。
  • 5月6日~6月3日 - 世界的アーティストであるレディー・ガガの世界ツアー「the Artpop ball」にオープニングアクトとして出演。
  • 5月28日・29日 - 後に恒例イベントとなるワールドツアー「HATSUNE MIKU EXPO 2014」開催スタート。インドネシアのジャカルタで初公演を行った後、アメリカのロサンゼルス、ニューヨークでも開催。
  • 6月14日 - 舞浜アンフィーシアターで開催されたミュージックビデオの祭典「MTV VMAJ 14」にライブアクトとして登場。
  • 7月31日 - 東京ドームで開催されたBUMP OF CHICKENのコンサートツアーファイナル「WILLPOLIS 2014」にゲストとして登場し、コラボ楽曲「ray」をBUMP OF CHICKENと共に披露した。
  • 10月8日 - アメリカ・CBSの全米地上波放送の人気長寿TV番組「The Late Show with David Letterman」に出演、全米TVデビューを飾る。
  • 11月16日 - 「初音ミク GTプロジェクト」のレーシングチーム「Good Smile Racing & TeamUKYO」が、2度目のSUPER GT300シーズンチャンピオンに輝く。
  • 12月20日 - 新千歳空港に複合商業施設「雪ミクスカイタウン」がオープン。

2015年[編集]

  • 1月16日・17日 - ランティスが主催するアニソンライブイベント「Lantis Festival 2015 in Las Vegas」に初音ミクがトップバッターとして登場。
  • 5月20日 - 中国政府主催の国際芸術祭「ミート・イン・北京」で日本から招聘された冨田勲作曲「イーハトーヴ交響曲」で登場。
  • 6月4日・5日 - オランダにおける最古最大の舞台芸術祭「オランダフェスティバル(英語版)」で、オペラ「THE END」が招聘再上演。
  • 6月27日・28日 - 中国の上海で初めての単独公演「HATSUNE MIKU EXPO 2015 in Shanghai」を開催。
  • 9月4日~6日 - 複合イベント「初音ミク マジカルミライ 2015」が開催され、ライブの聖地・武道館で初めてバーチャルシンガーがライブを行う“快挙”を成し遂げた他、キャロライン・ケネディ駐日米国大使(当時)が来場した。
  • 9月23日 - テレビ朝日の音楽番組『ミュージックステーション』の特番『30年目突入! 史上初の10時間SP MUSIC STATION ウルトラFES』に番組史上初のバーチャルシンガーとして初出演。

2016年[編集]

  • 2月
    • 初音ミクが『日本商品化権大賞2015』のグローバル部門を受賞。
    • 雪ミクが「2017冬季アジア札幌大会」のPRアンバサダー(広報大使)に就任。
  • 3月22日 - 「初音ミク」が「NHK交響楽団」の創立90周年記念公演に出演。
  • 3月23日~4月10日 - 北米・中国・日本を対象とした世界ツアー「HATSUNE MIKU EXPO 2016」において、初めての日本ツアー「HATSUNE MIKU EXPO 2016 Japan Tour」を開催。
  • 4月29日・30日 - 「ニコニコ超会議2016」で超歌舞伎「今昔饗宴千本桜」上演。
  • 8月26日 - 東京国際フォーラム会場Aで「初音ミクシンフォニー」が初開催。有名ボカロ楽曲をオーケストラを交えて演奏し、後に恒例イベントになる。
  • 8月31日 - 『初音ミク V4X』、『初音ミク V4 ENGLISH』、『初音ミク V4X バンドル』を発売。
  • 9月7日~9日 - クリプトン代表取締役・伊藤博之がFIT2016 船井業績賞を受賞、記念講演が開催。
  • 11月11日・12日 - 東京オーチャードホールで冨田勲 追悼特別公演 冨田勲x初音ミク「ドクター・コッペリウス」に出演。冨田の遺作となる。
  • 12月 - 中国の「網易」主催コンテストにて、初音ミクが2016年で最も注目を集めた若者向けキャラクターとして「2016年度最有態度異度偶像」を受賞。

2017年[編集]

  • 3月 - 農林水産省とコラボし、日本食と食文化の魅力を世界に向けて発信するプロモーション動画を公開。
  • 3月4日・5日 - 東京渋谷のNHKホールで「This is NIPPON プレミアムシアター 初音ミク×鼓童 スペシャルライブ」開催。日本の伝統文化とデジタルな演出の融合などが大きな反響を呼び、その後も共演が続いた。
  • 3月13日 - 初音ミク×歌舞伎の「今昔饗宴千本桜」が第22回AMDアワード大賞に。
  • 7月1日 - 手塚治虫記念館 第71回企画展「初音ミク×手塚治虫展―冨田勲が繋いだ世界―」展。10月23日まで。
  • 8月31日
    • 初音ミク、10周年を迎える。
    • 中国語版ライブラリ『初音ミク V4 CHINESE』発売。
    • 恒例事業「千葉市×初音ミクコラボ事業」の初実施。
  • 9月1日~3日 - 幕張メッセで「初音ミク マジカルミライ 2017」を開催。生誕10周年とイベント5周年が重なるメモリアルなイベントになった他、テーマ曲「砂の惑星」も大ヒットする。
  • 9月15日 - 「Cassette Store Day Japan」公式アンバサダーに就任。
  • 11月 - 「HATSUNE MIKU with YOU 2017 CHINA FESTIVAL」(中国表記:未来有你)が開催。後に中国での恒例イベントに。
  • 12月 - 初のマレーシアでのライブ「HATSUNE MIKU EXPO 2017 in MALAYSIA」開催。

2018年[編集]

  • 4月 - TVアニメ『新幹線変形ロボ シンカリオン』にてコラボキャラクター「発音ミク」として出演(劇場版でも続投)。
  • 6月・7月 - 「MIKU EXPO 2018 USA & Mexico」をアメリカのロサンゼルス、サンノゼ、ダラス、オースティン、ワシントンD.C.、ニューヨーク、そしてメキシコの首都メキシコシティの7都市で開催。ロス公演はちょうどEXPOの50回目の公演にあたり、サプライズとしてkzが登場。
  • 9月 - リアル×バーチャルの新感覚ライブエンタテインメントショー「TOKYO GIRLS COLLECTION Super Live -MATSURI-」に出演。キズナアイなどジャンルを超えた多彩なキャストと共演する。
  • 10月 - 「東京150年祭」にメインアクトとして出演し、浜離宮恩賜庭園プロジェクション・マッピングで登場。
  • 12月 - 初のヨーロッパツアー「HATSUNE MIKU EXPO 2018 EUROPE」を開催し、パリ、ケルン、ロンドンの3都市を巡業(パリ公演は「ジャポニスム2018」の一環として実施)。

2019年[編集]

  • 2月
    • 雪ミク10周年(10回目)となる「SNOW MIKU 2019」が開催され、第70回さっぽろ雪まつりにて「初音ミク」と「バンドリ! ガールズバンドパーティ!」がコラボした大雪像が設置された他、ライブでは「SNOW MIKU LIVE!」にも出演。
    • 北海道の民放5局とNHK札幌放送局による共同キャンペーン『One Hokkaido Project』のキャンペーンソングに参加。
  • 3月 - KEIによる桜ミクのメインビジュアルが設定され、桜ミクグッズの展開がスタート。さらに桜ミクが青森県の「弘前さくらまつり」の公式応援キャラクターとして起用される(以降も継続)。
  • 5月 - MIKU EXPOの5周年目に台湾&香港で「MIKU EXPO 2019 in Taiwan & Hong Kong」開催スタート、EXPOの5周年テーマソング「ラッキー☆オーブ」のMVが公開される。
  • 7月
    • クリプトン、ピアプロキャラクターズの最新情報を発信するアプリ「初音ミク公式ナビ」のサービス提供をスタート。
    • クリプトンがステージプロデュースを担当した中国「BILIBILI MACRO LINK – VISUAL RELEASE 2019」にてミクたちバーチャルシンガーも出演。
  • 10月 - 雪ミクが「札幌モーターショー2020」の公式アンバサダーに就任。
  • 12月
    • 初音ミクがポカリスエット・公式アンバサダーに就任。
    • 雪ミクがプロバスケ・Bリーグ「ALL-STAR GAME 2020 IN HOKKAIDO」のデジタルアンバサダーに就任。

2020年[編集]

  • 1月 - 米国最大級の野外音楽祭典「コーチェラ・フェスティバル」への参加が発表された。
  • 6月 - 東京国立博物館所蔵の重要文化財「小袖 白綾地秋草模様」の修理プロジェクトの一環で、「初音ミク」とコラボした「〈冬木小袖〉ミク」のグッズを展開。
  • 8月 - 初音ミク公式VRワールド『MIKU LAND』スタート、β版がバーチャルキャスト内に期間限定オープン。
  • 8月30日 - 「HATSUNE MIKU Digital Stars 2020 Online」開催スタート。MIKU EXPOのサブイベントとして始まったデジスタの初の単独開催。
  • 9月 - 日本政府の新型コロナウイルス感染症対策サポーターに就任。任期は2020年9月9日から2021年3月31日まで担当。
  • 9月21日 - 「初音ミクシンフォニー 5th」開催スタート、イベント5周年(5回目)を迎える。
  • 9月30日 - Craft Egg開発のiOSおよびAndroid用ゲームアプリ『プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク』がサービス開始。以降も本軸を元にしたメディアミックスを行う。
  • 10月25日 - 世界文化遺産の富岡製糸場にて『BUNRAKU-beyond人形浄瑠璃×初音ミク「恋娘紬迷宮」』に出演。
  • 11月27日 - クリプトンが産業技術総合研究所と共同開発した歌声合成エンジンがベースのソフト「初音ミク NT」がメジャーリリース。
  • 12月 - ミクが日本代表アーティストとしてアジア太平洋地域の音楽の祭典「ABUソングフェスティバル」に出演。

2021年[編集]

  • 4月よりCBCラジオ開局70周年公式イメージキャラクターに起用。これに先駆けて同年1月1日より月曜~金曜日に10分間のミニ番組「RADIO MIKU」の放送を開始した。
  • 6月30日 - イギリス・BBCの東京オリンピック放送テーマソング「Tokyo 2020 Olympics」に参加。
  • 7月 - アート展「初音ミク・クロニクル」を東京で開催。初期案を元にしたバリエーション「初音ミクif」が登場。
  • 12月24日 - 中国でのライブイベント「MIKU WITH YOU」が5周年・5回目の開催を迎える。

2022年[編集]

  • 4月2日 - 『ズームイン!!サタデー』(日本テレビ制作)のテーマソング「キメラ」に参加。民間放送の情報番組テーマソングに起用されるのは初めて。
  • 6月
    • 雪ミク(初音ミク)が札幌市制100周年記念事業のPRアンバサダーに就任。
    • 初音ミクが「弘前ねぷた300年祭」の公式応援キャラクターに就任。
  • 8月12日 - 「初音ミク マジカルミライ 10th Anniversary」開催スタート。
  • 8月31日 - 初音ミク、15周年を迎える。
  • 9月 - 東京国立博物館所蔵の重要文化財「見返り美人図」の修理プロジェクトの一環で、「初音ミク」とコラボした「見返り美人ミク」のグッズを展開。
  • 11月
    • 雪ミクのペット、ラビット・ユキネが「利尻島・礼文島PRアンバサダー」に就任。
    • 初音ミクが「150年後の国宝候補」に選出、東京国立博物館創立150年の記念展覧会「150年後の国宝展-ワタシの宝物、ミライの宝物」の企業部門にて(同月2日より展示開始、期間は翌年1月29日まで)。
  • 12月 - 北海道エアシステム(HAC)にて「雪ミク」ラッピング機(ATR42-600型機、機体記号:JA12HC)を初運用。

2023年[編集]

  • 2月
    • 日本各地を巡るライブツアー「初音ミク JAPAN TOUR 2023 ~THUNDERBOLT~」開催スタート。
    • 初音ミク16周年を記念したプロジェクト「初音ミク Happy 16th Birthday -Dear Creators-」スタート。
  • 8月31日
    • 初音ミク、設定年齢と同じ16歳の誕生日を迎える。
    • ポケモンとの共同プロジェクト「ポケモン feat.初音ミク Project VOLTAGE 18 Type/Songs」始動。
  • 9月10日・11日 - インドで行われたG20ニューデリー・サミット関連の国際プロジェクト「Culture Corridor – G20 Digital Museum」にて、重要文化財の修理プロジェクトの一環で誕生した「ねんどろいど 初音ミク 冬木小袖Ver.」が日本文化を表す作品として展示。
  • 12月4日 - 初音ミクが2023年度ネーミング大賞の最優秀賞を受賞。「音楽業界にも多大な影響を与えジャンルを創出した」「海外アーティスト含め数々のコラボレーションを生みだし、商品価値が非常に高い」事などが認められる。

2024年[編集]

  • 2月 - 雪ミクの15周年に「SNOW MIKU 2024」を開催予定。
  • 4月 - MIKU EXPOの10周年に北中米16都市を巡る「MIKU EXPO 2024 North America」を開催予定。

黎明期[編集]

発売前の反応[編集]

発売前にはクリプトンの公式サイトやブログ上で、デモソングやキャラクターデザインの公開が行われたが、当初は「萌え」を前面に押し出したイメージ戦略に対し、買いにくいといったような否定的な反応も寄せられた。また、大手DTM雑誌からも製品の紹介を断られたという。初音ミクは発売後約一年間で4万本以上を出荷することになるが、当初の販売目標は2007年内に1000本であった。しかしその一方、初音ミクの流行の起点となる動画サイトでは、同じクリプトンの販売している先代の合成エンジンVOCALOIDを使用した製品「MEIKO」を使用した動画が投稿され一定の人気を集めていた。このためクリプトンも発売後の大ヒットは想定外だったが、ミクを使用した動画が動画サイトに投稿されること自体は予測していたとしている。ミクはMEIKOユーザーの間では大きな話題となり、動画サイトには発売日を待たずに公式サイトで公開したデモソングを利用した動画が投稿されていた。

発売後[編集]

VOCALOID 初音ミクの発売直後から、ミクにより作成された楽曲やキャラクターイメージを用いた動画がニコニコ動画などの動画投稿サイトに次々と投稿され、ここから人気に火がつき、DTMソフトウェアとしては異例のヒット商品となる。DTMソフトウェアのジャンルでは年間1,000本売れれば大ヒットとされるが、発売後2週間だけで3,500-4000本の売れ行きを見せた。発売から3週間後にはサウンド関連ソフト内での1週間の販売シェア(BCNによる集計、楽器店やネット通販の売上げ数は含まれない)が30%を超え、最も高い時期には60%以上を占めた。体験版を収録した「DTMマガジン」(寺島情報企画)2007年11月号は通常より相当数を発行したにもかかわらず3日で完売したうえ、一時ネットオークションで高騰する事態となった。その後、発売から約1年後の2008年9月までに累計で約4万2000本の売り上げを記録した。こうした売り上げには、実際の音楽製作に使用しない「キャラクターのファン」による購入も多く含まれている。

動画投稿の流行[編集]

2007年8月31日に初音ミクが発売されると、ミクを用いた動画が動画投稿サイトに次々と投稿された。それらの中でも特に9月4日にニコニコ動画に投稿されたロイツマ・ガールをアレンジした動画『初音ミクに「Ievan Polkka」を歌わせてみた』は大きな支持を集め、初音ミク人気の発火点となった。この動画はミクの歌声によるIevan Polkkaとデフォルメされた初音ミクが長ネギを振る映像をあわせたもので、ミクの定番アイテムとしてネギが定着するきっかけとなる(初音ミクとネギを参照)、派生キャラクター「はちゅねミク」が誕生するなど後に対し大きな影響を与えている。クリプトン側は、後にこのはちゅねミクの登場について「創作ツールとしての初音ミクは何でもありだと直感してもらえただろう。可能性が思いっきり拡散して、本当に良かった」と評価している。こうした動画がニコニコ動画やYouTubeで人気となり、それを見た視聴者が初音ミクを購入、新たな動画を投稿するという好循環により、ミクの人気は膨らんでいった。特にニコニコ動画は、動画の視聴者がその動画上に直接コメントできる機能を特徴としており、そうした視聴者の反応が得られることも投稿者のモチベーションを刺激した。

投稿される楽曲の傾向は、発売当初こそ既存の楽曲をミクに歌わせたカバー曲が多くを占めていたが、徐々にユーザーが作詞作曲を行ったオリジナル曲の割合が増えてゆく。オリジナル曲も当初は、9月20日に投稿されて大きな人気を集め、ニコニコ動画で一時は最も再生回数の多い動画にもなった「みくみくにしてあげる♪【してやんよ】」のように「歌うソフトである初音ミク」の立場に立った歌詞の楽曲が多いという特徴があったが、同年の末にかけては12月7日にニコニコ動画へ投稿され大きな人気を集めたラブソング「メルト」のように、普遍性のある楽曲が増えていった。また、ブームの広がりとともに「MEIKO」や男声VOCALOIDの「KAITO」にも注目が集まるようになり、12月27日にはCVシリーズの第2弾「鏡音リン・レン」も発売され、初音ミクだけでなく他のVOCALOIDをも巻き込んだムーブメントとなっていった。作品の発表の場となったニコニコ動画にとっても、こうしたユーザーのコミュニティが作り上げる作品による文化の定着は好都合だった。ミクが流行し始めた当時、ニコニコ動画ではMADムービーのような企業の著作権を侵害した動画への対応を進めつつあったためである。

ニコニコ動画で初音ミクを使用した楽曲を発表している作家は、アマチュアだけでなくプロの作家が楽曲を発表している場合もあり、また2008年以降はlivetuneを皮切りに、ニコニコ動画で初音ミクを使用した楽曲を発表し人気となった音楽家が、初音ミクを使用した楽曲でメジャーデビューを果たすケースが見られるようになっている。2010年5月には動画サイトで人気となった楽曲を集めたコンピレーション・アルバム『EXIT TUNES PRESENTS Vocalogenesis feat.初音ミク』が、2011年1月には同様のコンセプトのアルバム『EXIT TUNES PRESENTS Vocalonexus feat.初音ミク』がそれぞれオリコン週間アルバムチャートで1位を獲得した。「初音ミク -Project DIVA-」などのゲームソフトや、2009年以降開催されている初音ミクのライブイベントでも動画サイトで発表された楽曲が使用されている。

ニコニコ動画では、初音ミクで作成した楽曲以外にも様々なミクに関連した動画が投稿されている。ニコニコ動画上では、ミク発売以前より、別のユーザーが投稿した動画を利用して新たな動画を作るといったことが盛んに行われていた。ミクを用いた動画からもそうした動画が数多く生み出され、ミクで作成された楽曲にPVを付ける、あるいはその楽曲を歌う、演奏するといったように様々な広がりを見せている。また、有志の手により、週ごとにニコニコ動画上で人気の楽曲を紹介する「週刊VOCALOIDランキング」などのランキング動画も投稿されている。

こうした創作活動の盛り上がりを受け、クリプトンは2007年12月3日にキャラクターの利用に関するガイドラインを公開すると共に、二次利用可能なコンテンツの投稿サイト「ピアプロ」を開設し、クリエイターの創作活動を後押しする体制作りを進めている。

MikuMikuDanceの公開[編集]

MikuMikuDance(MMD、ミクミクダンス)はキャラクター3Dモデルを操作し、アニメーションを作成することのできるフリーウェア。クリプトンの製品ではなく、個人の作者が初音ミクの3D映像を作る目的で作成したもので、デフォルトのモデルの一つとしてミクの姿の3Dモデルを内蔵しており、扱いの容易さが特徴とされる。クリプトンのガイドラインの改定で、ミクを利用したプログラム作品の公開が解禁されたことを受けて2008年2月24日より公開された。それまでニコニコ動画で発表されるミクの動画は静止画が主流であったが、これにより多くの3D映像が発表されるようになり、MMDの登場でミクは「アイドルとしての肉体を持った」とも言われる。MikuMikuDanceは、ニコニコ動画で発表されている作品のみならず、初音ミクを起用した「Google Chrome」CMや「Windows Live メッセンジャー」などにも使用された。

海外への進出[編集]

日本でのブーム当初から日本製コンテンツを好む国外の人々からも関心を集め、日本製アニメが違法にアップロードされた動画などによって海外に広まっているのと同様に作品の翻訳も行われ、徐々に浸透していった。

特に大きな関心を集めるようになったのは公式ライブ「ミクフェス '09(夏)」や「ミクの日感謝祭」の動画が2009年から2010年にかけて違法アップロードされてからである。クリプトンの運営するレーベル「KarenT」からiTunes Storeを通じて販売されるボカロ関連楽曲では、2010年以降アメリカからの売り上げが急増したという。

その他・雑記[編集]

ミクの日[編集]

3(ミ)9(ク)の語呂合わせから3月9日が「ミクの日」となり、公式・非公式問わず数多くの施策・イベントが毎年3月9日に合わせて実施されている。

みっくみく[編集]

「みっくみく」という言葉は、ネット上で使用されている「ぼっこぼこにしてやんよ(ボコボコにしてやるよ)」という表現と初音ミクの名前を組み合わせたものとされ、初音ミクに魅了された(魅力に『打ちのめされた』)ことを表す表現として浸透している。上位系として完全(フル)にみっくみくにするという意味で「フルみっく」という言葉も使用される。自由国民社発行の『現代用語の基礎知識2008』にも「はてなキーワードにみるWebのことば」の一つとして記載された。この表現は楽曲「みくみくにしてあげる♪【してやんよ】」のニコニコ動画上でのヒットによって定着したものだと言われている。

二次創作と関連する同人文化[編集]

初音ミクは、そのキャラクター設定などから二次創作などの同人との関わりもあり、初音ミク発売の翌月には既に初音ミク関連のオンリーイベント(ジャンルを限定した同人誌即売会)が企画されていた。THE VOC@LOiD M@STERをはじめとするオンリーイベントや同人誌即売会を通じて、ミクを題材とする同人誌や同人CDなどの創作物が配布されており、またこういった場でミクを題材にしたコスプレといったイベントが行われるなど盛り上がりを見せている。ただし、こうした文化については初音ミクを題材にした成人向けコンテンツの存在といった問題もある。



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