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人民元

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人民元(じんみんげん)は、中華人民共和国の中央銀行である中国人民銀行が発行している通貨である人民幣(じんみんへい、人民币、拼音: Rénmínbì,レンミンビ)の、日本における呼称である。日本では他に、中国元と呼ばれることもある。

略号はRMB、またはISO 4217での通貨コードのCNY。通貨数量の前に¥(円記号)を用いる。なお、香港特別行政区とマカオ特別行政区では、それぞれ独自の通貨単位である香港ドルおよびマカオ・パタカが発行されている。

概要[編集]

実際に発行、流通する紙幣には、「圆」(日本における「円」の正字である「圓」の簡体字)と単位表記されている。「圆」には、発音が同じ「yuán」で画数の少ない「元」を充てるのが習慣となっているため、「人民元」と呼ばれる。ISOコードのCNYは「Chinese yuan」の略であり、そこから「中国元」とも呼ばれている。中国王朝の一つである元は、表記も発音も同じであるものの無関係である。中国語では、貨幣の単位を話し言葉と書き言葉とで使い分け、口語では「元」を「块(塊、拼音: kuài)」と呼ぶ。「塊」はもともと銀塊が通貨として使われたことに由来する。内モンゴル自治区などではモンゴル語で「tügürig」(モンゴル語: ᠲᠦᠭᠦᠷᠢᠭ᠌, тѳгрѳг)と呼ばれているが、モンゴル国のトゥグルグとの混同を避けて「yuani」(モンゴル語: юань)が一般的に使われている。

「元」の補助単位は「角」、「分」が使われ、1元=10角=100分である。「角」は、口語では「毛」であり、少ない数量を示す「毫」が「毛」と略されたものである。広東語では今も毫と呼び、香港とマカオでは毫は香港ドル(圓)とマカオ・パタカ(圓)のそれぞれ1/10を表す公式通貨単位となっている。

1994年までは、人民元とは別に、外貨に交換できる兌換元が発行されていた。

現在中国では、QRコード決済や顔認証決済などといったキャッシュレス決済が著しく普及し、屋台のような店舗でもキャッシュレス決済専用となったり、ATMの撤去も進むなど、特に中国人の間では現金自体がほとんど使われていない進んだキャッシュレス社会となっており、子供や若者が現金を知らないと言われるほどの状況となっている。これは後述のように偽札が非常に多く、現金に信用がなかったことが大きな要因となっている。ただし、外国人観光客などには一定の現金の需要があり、キャッシュレス決済では中国の銀行口座や電話番号と紐付けされているアカウントが必要になる場合もあるため、2023年時点では外国からの旅行者は逆に不便な状況となっている。

日本円と同じ¥(円記号)が用いられるため、日本の消費者がネット通販などで人民元の価格表示を日本円表示と混同して注文してしまうトラブルが多発しており、中にはサイト自体が日本語表記なのに価格のみ人民元表示になっているケースもあるため、国民生活センターが注意喚起を行っている。



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