五島列島
五島列島(ごとうれっとう)は、長崎県西部に位置する列島。人口は約7万人。北東側から南西側に80km(男女群島まで含めると150km)にわたって大小あわせて152の島々からなる。旧松浦郡。
概要[編集]
五島列島は、自然海浜や海蝕崖、火山景観など複雑で変化に富んだ地形で、ほぼ全域が西海国立公園に指定されるなど豊かな自然景観を有している。島々には多くのカトリック教会が点在し、「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」として2018年に世界遺産登録がなされた。昭和時代には、東シナ海で操業する漁船団の先端基地として栄えた。近年漁獲高は減少しているものの、現在も漁業が重要な産業であり、海産物が名物である。
なお、「五島列島」とは学問的な呼び名であり、現地の会話の中ではあまり使われず、地元や九州地方では単に「五島」と言うことが多い。
地理[編集]
長崎県に属する五島列島は九州本土の西に位置している。全域が旧松浦郡であり、かつ西海国立公園に指定されており、北東側から中通島、若松島、奈留島、久賀島、福江島の5つの大きな島およびその周辺の小さな島々からなる。長崎県には非常に多くの島があるが、五島列島は多くの島々が本土や他の島とは少し離れた位置に密集しており、「五島」と総称されるまとまりを形作っている。島々は連なった山々が海に沈み高い部分だけが残って溺れ谷となった複雑なリアス式海岸線を持つ地形である。
五島列島は北東から南西に長く伸びているため、全体を大きく二つに分けて、五島最大の福江島を中心とする南西の島々を「下五島(しもごとう)」、2番目に大きな中通島を中心とする北東部を「上五島(かみごとう)」と呼ぶこともある。現在の行政区域では下五島が五島市、上五島が南松浦郡新上五島町に属する。江戸時代に五島藩(福江藩)の中心であった福江島には「下五島」の呼び名はあまり使われないが、「上五島」は「中通島」以上によく使われる呼び名である。
中通島の北にある宇久島、小値賀島と周辺の島々は現在の行政区域としては五島市及び新上五島町には含まれず、佐世保市及び北松浦郡小値賀町に属するが、歴史的つながりや地理的まとまりの他、フェリー・貨物船航路、警察の管轄区域などが上五島と共通していることから五島列島の一部とみなされることが多い。
国際水路機関による定義では、最も南西の福江島西端が日本海と東シナ海の境界とされている。ただし、一般的には五島列島周辺の海域を「日本海」と呼ぶことはほぼ皆無で、「五島列島は東シナ海に浮かぶ島々」と紹介されることがほとんどである。