三重県
三重県(みえけん)は、日本の近畿地方に位置する県。県庁所在地は津市。
江戸時代から、お伊勢参り(お蔭参り)の名で知られる伊勢神宮を擁する地域として発展した。令制国では、伊勢国・志摩国・伊賀国の全域と、紀伊国(当初は熊野国)の一部、計4国より構成される。包括する旧律令国の数は、7国を包括する兵庫県に次ぐ。北勢、伊賀、中勢、南勢(伊勢志摩)、東紀州の5地域に区分される。
1,727,503人
(推計人口、2023年10月1日)
海、山の豊富な自然に恵まれ、農業・漁業が盛んである。また、江戸時代(御伊勢参り)から現在(F1日本グランプリや、8耐など)に至るまで、観光を産業として成り立たせている。
人口は22番目、面積は25番目、人口密度は20番目である。近畿地方に属するものの、名張市など県内最西端に位置する伊賀地域を除いて関西地方の中心都市である大阪市よりも、名古屋市との経済的・人的結びつきが強い傾向にあり、特に桑名市など北勢地域は名古屋都市圏(中京圏)に含まれる。また、東海地方に属し、愛知県・岐阜県とともに東海3県のうちの一つである。
経済力については中京工業地帯の一部である北勢地域を抱える事から上位の県であり平成期に東京都に次ぐ第2位の経済成長を達成して、1人当たりの GDP の県民経済計算は3位から15位の間の高水準で推移している。本県内で最大の人口を有する市町村は北勢地域の中心都市である四日市市の約31万人で、国から施行時特例市に指定されている。名古屋市から至近でありながら独自の四日市都市圏を形成するほどの経済力を有する。一方、県庁所在地である津市の人口は平成の大合併前は約16万人であり、2005年、2006年は県庁所在地としては人口が最小であった。平成の大合併後の人口は約28万人である。本県は東紀州を中心に過疎地域があるほか、津市や松阪市の一部も過疎地域に指定されている。三重県の総人口は約175万人であり、熊本県、鹿児島県、岡山県などと同規模であるが、本県はこれらの県と比較して人口が突出した都市は存在せず、中規模の複数の都市に人口が分散している。
北勢は中京工業地帯であり、主要企業が多い。四日市市は四日市港や四日市コンビナートなどを擁する日本屈指の商工業都市である。また、石油化学コンビナートの四日市コンビナートは、四大公害病の一つである四日市ぜんそくの原因となり問題になったが、現在は法整備や汚染防止技術向上などの対策が格段に進み、工業地帯周辺の大気状態は改善される。亀山市にはカメヤマローソク(本社は大阪市に移転)や、三重県のハイテク企業誘致策により建設されたシャープ亀山工場がある。なお、三重県はローソクの生産量と鍵の生産量が全国一である。
伊勢神宮や伊賀上野、二見浦、世界遺産の熊野古道などの観光地やナガシマスパーランド、なばなの里、志摩スペイン村、鈴鹿サーキットなどのテーマパークがある。特に伊勢・志摩地区は観光地としても名高い。本県は地理的に、近畿圏(京阪神地区)と中京圏の中間に位置しているため、両地域からの観光客が多い。なお、伊勢・志摩地区にも路線を有する近畿日本鉄道(近鉄)は大阪・京都や名古屋から伊勢・志摩地区への観光客に向けの「しまかぜ」といった近鉄特急の運行や企画乗車券の販売するなど誘客に努めている。
方言は三重弁が話されており、その中でも伊勢弁・伊賀弁・志摩弁・紀州弁に分けることができる。三重弁は近畿方言に属しており、大部分の地域が京阪式アクセントである。三重県は特に北部において、愛知県(特に名古屋市)と経済面・物流面での関係が見られるが、方言は愛知県・岐阜県との間に大きな違いがある。
三重県は、滋賀県、福井県、岐阜県とともに「日本まんなか共和国」を設立し、知事サミットや文化交流事業などを行っている。