三菱商事
三菱商事株式会社(みつびししょうじ、英: Mitsubishi Corporation)は、東京都千代田区丸の内に本社を置く三菱グループの大手総合商社。日経平均株価およびTOPIX Core30、JPX日経インデックス400の構成銘柄の一つ。
三菱金曜会 および三菱広報委員会 の会員企業である。三菱UFJ銀行、三菱重工業とともに三菱グループ(旧三菱財閥)の「御三家」と呼ばれる。
概要・沿革[編集]
三井物産、住友商事、伊藤忠商事、丸紅と共に五大商社の一つ。
貿易仲介を中心とした口銭を稼ぐビジネスが中心であったが、藤野忠次郎が社長に就任した1970年代より資源開発への直接投資(天然ガスや原料炭)を手掛けるようになり、1980年代には菱食(現:三菱食品)など食料流通などのバリューチェーンの構築を展開、1990年代にはコンビニエンスストアチェーンのローソンを通じた消費者マーケットの開拓など、川上から川下までの領域にわたる投資や経営参画を通じて収益を上げる体質に変化し、収益拡大を目指している。
沿革[編集]
日本で初めての株式会社とされる坂本龍馬の海援隊が近江屋事件後に後藤象二郎に委ねられた。その後三菱財閥初代総帥の岩崎弥太郎に継承され、大坂(現在の大阪府)において九十九商会となった。九十九商会は後に、三菱商会、三菱蒸汽船会社(後の日本郵船)、三菱社と変遷している。4代目総帥の岩崎小弥太が確立した三菱の経営理念は「所期奉公」「処事光明」「立業貿易」である。大正時代に入ってから第一次世界大戦にかけて、取り扱い品目数の飛躍的向上をみたため、小弥太は各事業部門を独立させ、三菱合資営業部は「立業貿易」の方針に則り、1918年に総合商社である三菱商事として独立した。
第二次世界大戦後は三井物産と並んでGHQの直接指令(財閥解体)によって解散し、174の会社に分裂したが、旧財閥系企業の活動制限緩和により、不二商事、東京貿易、東西交易の3社に集約された後、1954年に旧三菱商事の清算会社であった光和実業が三菱商事の商号に復帰し、3社を吸収する形で大合同を果たして復活した。
部門・部署[編集]
本店[編集]
- 天然ガスグループ
- 天然ガスグループCEOオフィス
- 天然ガス・金属資源管理部
- アジア・パシフィック本部
- ブルネイ天然ガス部
- マレーシア天然ガス部
- インドネシア天然ガス部
- オーストラリア天然ガス部
- ロシア天然ガス部
- 中東・アフリカ室
- 北米本部
- 北米統括室
- LNG開発・販売本部
- LNGグローバルマーケティング室
- 新規LNG開発部
- LNGオペレーション統括部
- 総合素材グループ
- 総合素材グループCEOオフィス
- 総合素材・石油・化学ソリューション管理部
- 建築資材事業部
- 窒素原料事業部
- 機能材本部
- 炭素材部
- 塩ビ・化成品部
- 素材事業開発部
- 鉄鋼製品本部
- 石油・化学ソリューショングループ
- 石油・化学ソリューショングループCEOオフィス
- 統合素材・石油・化学ソリューション管理部
- 次世代燃料・石油事業本部
- 次世代発電燃料事業部
- 次世代輸送燃料事業部
- リファイナリー事業部
- 環境素材・化学事業本部
- 石化原料事業部
- 環境素材事業部
- 基礎化学事業部
- グローバルマーケティング本部
- 基礎石化部
- リファイナリーケミカル部
- クロールアルカリ部
- アルコール・C1ケミカル部
- 金属資源グループ
- 金属資源グループCEOオフィス
- 天然ガス・金属資源管理部
- 金属資源本部
- 鉄鉱石部
- MDP事業部
- ベースメタル部
- アルミ部
- 金属資源トレーディング本部
- 産業インフラグループ
- 産業インフラグループCEOオフィス
- 産業インフラ管理部
- プラントエンジニアリング本部
- エンジニアリング事業部
- インフラソリューション部
- 産業機械本部
- 産業機械ソリューション部
- 建機・レンタル事業部
- 船舶・宇宙航空機本部
- 船舶部
- 宇宙航空機部
- 自動車・モビリティグループ
- 自動車・モビリティグループCEOオフィス
- 自動車・モビリティ管理部
- 自動車事業本部
- 自動車アセアン部
- 自動車北アジア部
- 自動車欧露・米州部
- 自動車販金・リテイル部
- いすゞ事業本部
- いすゞアセアン部
- いすゞ豪州・欧州・米州部
- いすゞインド・中東部
- モビリティ事業本部
- モビリティ・サービス部
- 自動車リテイル・サービス部
- タイヤ部
- 食品産業グループ
- 食品産業グループCEOオフィス
- 食品産業管理部
- 畜産酪農部
- 食品化学本部
- バイオ・ファインケミカル部
- 食品素材部
- 食糧本部
- 穀物飼料部
- 製粉製糖部
- 農水産本部
- 農産・水産部
- グローバル食品本部
- グローバル消費財部
- コンシューマー産業グループ
- コンシューマー産業グループCEOオフィス
- コンシューマー産業管理部
- リテイル本部
- 食品リテイル部
- コンシューマーマーケティング部
- アパレル・S.P.A.本部
- アパレル部
- S.P.A.衣料部
- ヘルスケア本部
- ヘルスケア部
- 食品流通・物流本部
- 物流開発部
- 食品流通部
- 電力ソリューショングループ
- 電力ソリューショングループCEOオフィス
- 電力ソリューション管理部
- 海外電力本部
- 海外ユーティリティー部
- エネルギーサービス本部
- 電池事業部
- ユーティリティーリテイル本部
- ユーティリティーサービス部
- 複合都市開発グループ
- 複合都市開発グループCEOオフィス
- 複合都市開発管理部
- 都市インフラ本部
- 交通インフラ部
- 都市インフラ部
- 都市開発本部
- 都市開発部
- アジア不動産開発部
- 不動産事業統括部
- アセットファイナンス本部
- 企業投資部
- リース事業部
- 民間航空機部
- 産業DX部門
- デジタル事業部
- デジタル事業チーム
- DX開発チーム
- DX戦略チーム
- インダストリーDX部
- ロジスティクスソリューションチーム
- モビリティソリューションチーム
- グローバル市場開発チーム
- 電力・地域コミュニティDX部
- 企画チーム
- サービス開発チーム
- エネルギー&モビリティチーム
- デジタルサービス開発チーム
- 街づくり・地域特産品チーム
- サービスDX部
- フィンテック事業チーム
- 投資・運用チーム
- ヘルスケアDXチーム
- デジタル事業部
特徴[編集]
産学官連携[編集]
- 2001年(平成13年)6月22日 - 東日本電信電話株式会社、三菱電機株式会社、東京工科大学と共に、生体認証技術(バイオメトリクス)利用による「未来型キャンパスモデル」構築のためのビジネス・コンソーシアムを設立した。
- 2005年(平成17年)4月 - 静岡大学、琉球大学、環境NGOアースウォッチと共に、サンゴ礁保全プロジェクトをスタートした。
海外プロジェクト探検隊[編集]
海外プロジェクト探検隊は、三菱商事が海外で展開するプロジェクト現場に高校生を派遣し、現場の模様や感じたことなどをウェブサイトや読売新聞を通じてリポートしてもらう体験ツアーである。今まで19回行われ、第1回はブルネイ、第2回はタイ王国、第3回は中華人民共和国、第4回はオーストラリア、第5回はカナダを訪れた。第6回は2008年(平成20年)3月26日から30日までシンガポールを訪れ、第7回は2008年8月5日から9日まで香港、深圳を訪れ、第8回は2009年3月24日から29日までハノイ、ホーチミン市を訪れた。第9回は第2回以来のタイ王国で、2012年7月30日から8月4日までバンコク、アユタヤなどを訪れた。第10回は2013年8月20日から8月24日までジャカルタを訪れた。第11回は第6回以来のシンガポールとマレーシアを訪れた。第12回は2015年7月31日から8月2日まで初の日本国内となる東北地方と、8月25日から29日までジャカルタを訪れた。第13回は2016年8月24日から29日までロサンゼルス、フレズノを訪れた。第14回は2017年7月31日から8月5日までヤンゴン、マンダレーを訪れた。第15回は2018年8月6日から11日までスラウェシ島を訪れた。第16回は2019年7月22日から27日までオランダとイギリスを訪れた。
第17回は新型コロナウイルス感染症の感染防止を考慮し、恒例の海外訪問は中止となった。2020年12月から2021年1月までの5日間、5都府県から高校生27人が参加し、二酸化炭素貯留にかかわるアイデアを練るため、オンライン上で議論を交わした。
2021年8月から12月にかけて4日間行われた第18回は、「私たちの未来のために ~脱炭素社会とエネルギー~」をテーマに26人の高校生がオンラインで参加、活発な議論が繰り広げられた。
第19回は2022年8月3日から3日間、東京都と秋田県を訪れ、デジタルトランスフォーメーションや再生可能エネルギーをはじめとしたカーボンニュートラル社会に向けた取り組みをリポートした。
2023年は8月2日から3日間、秋田県を訪れ、地域活性化のアイデアを学んだ。
本社(本店)所在地[編集]
三菱商事ビルディング[編集]
東京都千代田区丸の内二丁目3番1号(本店登記住所)
- 監査部
- コーポレートスタッフ部門
- 天然ガスグループ
- 総合素材グループ
- 金属資源グループ
丸の内パークビルディング[編集]
東京都千代田区丸の内二丁目6番1号
- 産業DX部門
- 石油・化学ソリューショングループ
- 産業インフラグループ
- 自動車・モビリティグループ
- 食品産業グループ
- コンシューマー産業グループ
- 電力ソリューショングループ
- 複合都市開発グループ
拠点数[編集]
2022年4月1日現在。
- 国内拠点 9
- 海外拠点 112(事務所など 52/現地法人 本店 36、支店など 24)
グループ会社[編集]
証券コード順に記載した。
上場子会社[編集]
- 2003 日東富士製粉
- 2393 日本ケアサプライ
- 2651 ローソン
- 2892 日本食品化工
- 6366 千代田化工建設
- 7451 三菱食品
以上6社(2022年〈令和4年〉12月13日現在)
上場関連会社など[編集]
- 2216 カンロ
- 2296 伊藤ハム米久ホールディングス
- 2612 かどや製油
- 5105 TOYO TIRE
- 7211 三菱自動車工業
- 8076 カノークス
- 8103 明和産業
- 8194 ライフコーポレーション
- 8228 マルイチ産商
- 8593 三菱HCキャピタル
- 9377 エージーピー
- 9873 日本KFCホールディングス
以上12社(2019年9月30日現在)
関連企業群[編集]
- エムシー・マーチャントサービス(公式ホームページ) - 三菱商事の100%出資子会社。クレジットカード決済代行を行っている。
- DM三井製糖ホールディングス - 三井物産との合弁。
- 日本農産工業
- レンタルのニッケン
- 三菱オートリース - 三菱HCキャピタルとの共同出資。
- 富士産業
- 五十鈴
- ディー・エム・ガスステーション
- KJRマネジメント
- 日本都市ファンド投資法人
- 旧日本リテールファンド投資法人
- 旧MCUBS MidCity投資法人
- 産業ファンド投資法人
- 日本都市ファンド投資法人
- ジクー・データシステムズ - 日本オラクルと提携。電子地図・GPSを活用した位置情報サービスを提供。
- 日本スペースイメージング
- エム・シー・シー
- 三菱商事都市開発
- 三菱商事マシナリ - 発電・化学・製鉄プラント関連機器の提供及び改修工事、鉄道車両・舶用機械・航空機・防衛装備品などの各種機械設備・部品の輸出入を手がける機械専門商社。
- 三菱商事フューチャーズ - 社名の「フューチャーズ」(futures。未来)から分かるように、商品先物取引の受託、外国為替証拠金取引を行なっている。
- 三菱商事アセットマネジメント
- 三菱商事RtMジャパン
- 三菱商事ロジスティクス
- 三菱商事ファッション
- ロイヤリティマーケティング
- トランザクション・メディア・ネットワークス
- 三菱商事エネルギー
- エム・エス・ケー農業機械 - 農業機械の輸入販売を行う。
- エムシー・ファーティコム
出資該当企業群[編集]
三菱商事を筆頭株主としている企業[編集]
- 旭松食品
- アルビス
- 北越コーポレーション(旧:北越製紙→北越紀州製紙)
- いすゞ自動車
- 特種東海製紙
- 六甲バター
- 塩水港精糖
- 東京放送
三菱商事を主要株主としている企業[編集]
- WOWOW
- 東京産業
- 北海製罐/トーモクグループ
- ENEOSホールディングス/ENEOS(旧:三菱石油→日石三菱→新日本石油→JXホールディングス→JXTGホールディングス)
- 東京フットボールクラブ(旧東京ガスサッカー部が母体のJリーグクラブ・FC東京の運営会社)
- 三菱鉱石輸送
- 大日本塗料
- アール・エフ・ラジオ日本(日本テレビホールディングス傘下)
- 日清食品ホールディングス
- 神明ホールディングス
- イー・ロジット(イー・ロジット公式ホームページ)
- 日本タタ・コンサルタンシー・サービシズ
- 日本レヂボン
- サニーメイズ
関連項目[編集]
- ディーライツ - 三菱商事の子会社としてかつて存在していた。三菱商事出身の鈴木大三が企画を担当した作品は『メタルファイト ベイブレード』シリーズ(ZEROGを含む)、『クロスファイト ビーダマン』シリーズ、『ビーストサーガ』。スタジオジブリ作品への映画の協力を行っていた。
- 三菱食品
- ローソン
- 三菱商事食品グループ
- 日本の企業一覧 (卸売業)
- サウス・ガス・ユーティライゼーション・プロジェクト - 三菱商事が5%を出資しているイラク南部の資源プロジェクト。
- 第二電電(現:KDDI) - 京セラ・ソニーなどとともに出資母体であった。
- Orion Power Holdings - ゴールドマン・サックス、三菱商事、東京電力ホールディングス、The Constellation Energy Groupの合弁の米国電力供給会社。ゴールドマン・サックスと三菱商事は2001年にリライアント・エナジーに株式を売却。
- 1992年のパリ-モスクワ-北京ラリー - 三菱商事が企画・運営した国際モータースポーツ大会。
- 三菱商事CLUB TRIAX - 三菱商事がサポートするアメリカンフットボールチーム。
- FC東京 - 三菱商事がユニフォーム背中上部スポンサーを務めているJリーグクラブ。
- カーグラフィック
- LOHAS TALK
- 25歳〜情熱の起点〜 - 2020年10月7日からテレビ朝日で放送されている一社提供ミニ番組。