三井住友カード
三井住友カード株式会社(みついすみともカード、英: Sumitomo Mitsui Card Company, Limited、略称:SMCC)は、三井住友フィナンシャルグループ(SMFG)傘下(SMBCグループ)の大手クレジットカード会社。住友グループ広報委員会にも加盟している。大阪府大阪市中央区今橋に大阪本社を、東京都江東区豊洲に東京本社を置く。
概要[編集]
前身の住友クレジットサービス(住友銀行の子会社)時代の1980年に、英Barclaysに次いで米国以外の企業では世界で2番目に国際ブランドのVisa(当時のBANK AMERICARD)と提携し、日本初のVISAカード「住友VISAカード」を発行した。VJA(旧VISAジャパン)のブラザーカンパニーでもあり、日本におけるVisaブランドの普及に大きく貢献した。
なお、1989年にはMastercardブランド、2007年には中国の銀聯(Union Pay)ブランドのクレジットカードの発行も開始している。日本における銀行系クレジットカードの代表格であり、国内のカード発行会社の中ではJCBなどとともに長い歴史を持つ。現在はプロパーカードの「三井住友VISAカード」を主力としており、他にも多数の提携カードを発行している。プロパーカードにおいては1990年より伝統的にパルテノン神殿の券面デザインを採用していたが、2020年にカードデザインを30年ぶりに大幅に刷新した。また、同年にポイントプログラムの名称を「ワールドプレゼント」から三井住友銀行などでも利用可能な三井住友フィナンシャルグループ共通の「Vポイント」に変更した。Vポイントは2024年にカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)の共通ポイントであるTポイントと統合予定である。
独自の信用情報(スコアリングシステム)については、フェア・アイザック社が開発したスコアリングを導入している。
非接触決済に関しては、2005年に株式会社NTTドコモと提携し、同社の非接触型の電子マネーサービスであるiDを採用した「三井住友カードiD」を開始している。同様にiDと楽天EdyやWAON等複数の電子マネーを対応できるように推進活動を行っている。加盟店に関しては、VISA、Mastercard、銀聯、iD、株式会社スルッとKANSAIのPiTaPa、日本デビットカード推進協議会のJ-Debitなどを開拓している。NTTドコモが発行するdカード(旧DCMXカード、VISA/Master)、株式会社ゆうちょ銀行が発行するJP BANK VISA/Masterカードの与信管理(審査)およびプロセシングなどのインフラ業務を受託している。また、住商カードやソニーファイナンスインターナショナルのeLIOカードへVISAのライセンス供与を行っている。
2012年9月に三井住友カードがトランザクション・メディア・ネットワークスに出資。シンクライアント型決済端末の導入の推進を発表。NFCの全規格に対応することになった。
2018年9月28日に三井住友フィナンシャルグループ(SMFG)はキャッシュレス決済戦略の推進のため、2019年4月1日をもって三井住友カードを同社の直接の子会社とし、セディナを三井住友カードの子会社とすることを発表した。株式取得の具体的な方法は明かされなかったが、2019年4月1日付で三井住友カードがSMFGカード&クレジットを吸収合併したことが、国税庁の法人番号検索サイトで確認された。
2024年にはSMBCファイナンスサービス(セディナ)を合併予定。
- JR東海エクスプレス・カードは合併に先駆けて2023年5月15日より三井住友カードでの申し込みを開始し、2023年11月1日より既存の会員も三井住友カード発行分への一斉切替を行い、同日までに順次切替カードを発送し、JCBブランドのカードおよび国際ブランドのないハウスカードは、Visaブランドへ変更とする。
- 三井住友銀行がJCBにも出資している上、法人向けにはSMBCファイナンスサービスがJCBフランチャイジーとしての業務を行っているため、発行終了やブランド切替が案内されていないOMCカード、SMBC JCB CARDなどその他のJCBブランドのカードや法人向け業務の扱いについては未定である。
沿革[編集]
- 1967年(昭和42年)
- 12月26日:株式会社住友クレジットサービス設立。
- 1968年(昭和43年)
- 6月:クレジットカードの発行を開始。
- 1980年(昭和55年)
- 2月:日本初のVISAカード「住友VISAカード」発行。
- 5月:VISAカード発行会社の統括機関「ビザ・ジャパン」(現在:VJA)を設立。
- 1989年(平成元年)
- 4月:Mastercardブランドの取り扱いを開始。
- 1992年(平成4年)
- 10月:リボルビング払いの取り扱いを開始。
- 2000年 (平成12年)
- 11月10日:2001年4月1日にさくらカード株式会社のUCカードに関する事業を譲受する旨をさくら銀行・住友銀行が発表。
- 2001年(平成13年)
- 4月1日:商号を三井住友カード株式会社に変更。さくらカードのUCカード事業譲受については商法改正に伴う準備作業のため延期された。
- 7月1日:さくらカードからUCカード事業を会社分割方式で譲受し、受け皿として「三井住友カードUC」事業を設置。旧さくらカード会員は2003年までに三井住友VISA/Masterカードへ段階的に移行した。
- 2003年(平成15年)
- 4月1日:株式会社三井住友銀行が吸収分割を実施し、株式会社三井住友フィナンシャルグループが承継。この結果、同社が直接の親会社となる。
- 2005年(平成17年)
- 7月11日:株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモがSMFGからの株式譲渡及び第三者割当増資により株式の34%を取得。
- 2006年(平成18年)
- 11月6日:ビットワレット(現在:楽天Edy)と両社がそれぞれ展開する非接触IC決済の普及拡大において提携を発表。
- 2008年(平成20年)
- 1月:中国銀聯ブランドのクレジットカードの発行を開始。
- 2月:イオン株式会社と電子マネー事業(WAON)における業務提携。
- 12月1日:株式会社SMFGカード&クレジット(FGCC)の子会社となる。
- 2011年(平成23年)
- 9月:なでしこリーグ(日本女子サッカーリーグ)の公式スポンサーとなる。
- 2012年(平成24年)
- 4月:「三井住友VISAデビュープラスカード」発行。
- 2019年(平成31年)
- 4月1日:FGCCを吸収合併し、三井住友フィナンシャルグループの直接の子会社となり、兄弟会社だったセディナが子会社となる。また、三井住友フィナンシャルグループがNTTドコモ保有の全株式を買い取り、完全子会社化する。
- 2020年(令和2年)
- 2月3日:2月3日からフルモデルチェンジした新カードの発行を開始した(提携カードを除く)。これに伴い、1990年からカード表面に描かれていたパルテノン神殿が消えることになった。
- 2021年(令和3年)
- 4月1日:完成したSMBC豊洲ビル(東京・江東)に東京本社を順次移転。
- 2023年 (令和5年)
- 3月1日:三井住友フィナンシャルグループ、三井住友銀行と共同で「Olive」を発行開始。
- 7月1日:SMBCモビットを合併。
- 2024年 (令和6年)
- 4月:SMBCファイナンスサービスを合併予定。
- 春頃:カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)傘下のCCCMKホールディングスとの間で合弁会社を設立し、VポイントをCCCが運営しているポイントサービスのTポイントと統合する予定。