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一般用医薬品

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一般用医薬品(いっぱんよういやくひん)とは、医師による処方箋を必要とせずに購入できる医薬品のことである。市販薬家庭用医薬品大衆薬、売薬などとも呼ばれる。また、カウンター越し(英語: over the counter)に売買されることから、OTC医薬品とも呼ばれる。ここでは、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(以下、「医薬品医療機器等法」と略記)上の一般用医薬品のみならず、要指導医薬品についても説明する。

概要[編集]

一般用医薬品承認審査合理化等検討会の中間報告書によると、一般用医薬品とは、「一般の人が、薬剤師等から提供された適切な情報に基づき、自らの判断で購入し、自らの責任で使用する医薬品であって、軽度な疾病に伴う症状の改善、生活習慣病等の疾病に伴う症状発現の予防、生活の質の改善・向上、健康状態の自己検査、健康の維持・増進、その他保健衛生を目的とするもの」と定義されている。充分な説明や情報を示した上で、消費者が自ら簡単な治療を行うというセルフメディケーションの方向性が提唱されている。

法律上は、長らく医療用医薬品以外の医薬品として扱われていたが、2006年の薬事法改正(2009年6月1日施行)により、「医薬品のうち、その効能および効果において人体に対する作用が著しくないものであって、薬剤師その他の医薬関係者から提供された情報に基づく需要者の選択により使用されることが目的とされているもの」と定義された。よって購入に際しては薬剤師や登録販売者の助言と指導を受けることが望ましい。詳細は店舗販売業。

価格競争などにより、業界の流れとして、大衆薬事業の縮小・撤退の動きや、逆に撤退する他社事業の受け入れによる事業強化を目指す方向に二分化している。

  • ファイザーの一般用医薬品事業部門 → ジョンソン・エンド・ジョンソン(現:JNTLコンシューマーヘルス) → 販売のみ武田薬品工業(現:アリナミン製薬)へ
  • ゼファーマ(山之内製薬・藤沢薬品工業) → 吸収合併により第一三共ヘルスケアへ
  • 中外製薬の一般用医薬品部門 → ライオン(なお、外用鎮痛消炎薬の「ゼノール」は大鵬薬品工業、解熱鎮痛薬「サリドン」の製造は販売元だったゼファーマ(現:第一三共ヘルスケア)へ)
  • 大日本製薬(現:住友ファーマ) → 興和
  • 三菱ウェルファーマ(旧:三菱東京製薬・ウェルファイド、現:田辺三菱製薬) → 佐藤製薬
  • 住友製薬ヘルスケア(元:住友製薬子会社、現:住友ファーマ) → ダンヘルスケア(大日本除虫菊(金鳥)グループ)
  • ノバルティスファーマの一般用医薬品部門 → グラクソ・スミスクラインのコンシューマーヘルスケア部門と統合し、グラクソ・スミスクライン・コンシューマー・ヘルスケア・ジャパンへ

また、OTC製造販売に一本化した企業や、シオノギヘルスケア(塩野義製薬から分社化)・アリナミン製薬(武田薬品工業から分離・独立)の様に、OTC事業を子会社として分社化した企業も見られる。

規制緩和による2009年施行の改正薬事法で、一般用医薬品は主に消費者に対する情報提供の必要性の程度によって第1類、第2類、第3類の3種に分けられることになった。なお、一部の医薬品は医療用医薬品の認可のまま流通していたが、薬事法改正により医療用医薬品は店舗販売業の店舗では販売できなくなるため、一般用医薬品としてリニューアルしたものもある(ベトネベート・フルコートなど)。

なお、商品外箱などに医薬品の分類を記載する場合は、「第1類医薬品」というように算用数字を用いることが医薬品医療機器等法施行規則第209条の3第1項に規定されている。

薬局と医薬品販売業(平成21年施行後)[編集]

業態 調剤の可否 販売する医薬品の品目 販売方法 分割販売の可否 許可権者
薬局※ すべての医薬品 店舗販売 所在地の都道府県知事
店舗販売業※ 要指導医薬品(薬剤師)、一般用医薬品(薬剤師:第一・二・三類) (登録販売者:第二・三類) 店舗販売 店舗ごとに、その店舗の所在地の都道府県知事(所在地が保健所を設置する市または特別区の区域にある場合においては、市長または区長)
配置販売業 一般用医薬品(薬剤師:第一・二・三類) (登録販売者:第二・三類) 配置販売 配置しようとする区域をその区域に含む都道府県ごとに、その都道府県知事
卸売販売業※ すべての医薬品 規定なし 営業所ごとに、その営業所の所在地の都道府県知事

※卸売販売業は、医薬品を薬局や他の医薬品の販売業、製薬企業または医療機関等に対して販売する業態であり、業として一般の生活者に対して直接医薬品の販売等を行うことは認められない。

※店舗による販売(薬局開設者または店舗販売業者)とは、必ずしも店頭における販売に限られるものではなく、医薬品医療機器等法に基づく許可を受けている薬局または店舗販売業において、予めその所在地や許可番号を明示する等の一定の条件の下で、購入者の求めに応じて医薬品を配送する等、店舗を拠点とした販売を行うことは可能となっている

リスク区分に応じた情報提供[編集]

リスク区分 対応する専門家 購入者側から質問等がなくても行う積極的な情報提供 購入者側から相談があった場合の応答
要指導医薬品 薬剤師 対面による書面を用いた情報提供を義務付け 義務
第一類医薬品 薬剤師 書面を用いた情報提供を義務付け※ 義務
第二類医薬品 薬剤師または登録販売者 努力義務 義務
第三類医薬品 薬剤師または登録販売者 不要(法文上の規定は特になし) 義務

※ただし、購入者側から説明を要しない旨の意思表明があった場合はこの限りではない(医薬品医療機器等法第36条の10第6項)。

店舗管理者[編集]

リスク区分 店舗管理者
第一類医薬品 薬剤師・業務三年以上の登録販売者※
第二類医薬品 薬剤師または登録販売者
第三類医薬品 薬剤師または登録販売者

管理[編集]

店舗管理者による管理が主だが、店舗管理者が直接管理しない場合(退店時など)は、店舗管理者以外の薬剤師または登録販売者が管理代行できる(記録・報告が必要)

第一類医薬品[編集]

その副作用などにより日常生活に支障をきたす程度の健康被害が生ずるおそれがある医薬品のうち、特に注意が必要なものや、新規の医薬品。後述するスイッチOTCやダイレクトOTCの大部分が該当する。(イブプロフェンは例外で、指定第二類)

第一類医薬品を販売できるのは、薬剤師の常駐する店舗販売業や調剤薬局のみである。薬剤師が、情報提供を購入者に積極的に説明する義務がある。そのため、全ての製品において、広告では「この医薬品は、薬剤師から説明を受け、使用上の注意をよく読んでお使いください」と表示される(ただし、第一類医薬品の風邪薬・解熱鎮痛薬においては表示内容が一部異なる)。このため、店舗販売業において薬剤師が不在になった場合は販売できない。なお、薬局では薬剤師が不在となった場合は、店舗自体を閉める必要がある。

第一類医薬品は薬剤師による情報提供が必要であり、購入者から情報提供不要の申し出があった場合においても、薬剤師が必要と判断した場合には、積極的に情報提供を行わせる必要があること。また、薬剤師以外が情報提供を行うことがないよう(相談は可)、登録販売者または一般従事者から薬剤師への伝達の体制およびその方法を手順書に記載することが望ましいこととされている。なお、法第36条の10第6項で医薬品を購入し、または譲り受ける者から説明を要しない旨の意思の表明があった場合には適用しないこと。ただし、相談があった場合は全ての医薬品について義務となっている。

店舗における登録販売者および一般従事者による販売・授与は、薬剤師の管理・指導の下で可能とされている。

スイッチOTC[編集]

これまで医師の処方箋によらなければ使用できなかった指定医薬品(処方箋医薬品)指定の医療用医薬品の中から使用実績があり、副作用の心配が少ないなどの要件を満たした医薬品を薬局などで処方箋なしに購入できるよう、一般用医薬品として認可したものをスイッチOTC薬という。軽い病気や症状はドラッグストアなどで売られる市販薬で治してもらうことで、膨張する医療費を抑制するのが狙いで、風邪薬や胃腸薬、目薬、発毛剤などの製品がある。

1985年に解禁され、水虫治療用の抗真菌外用薬から始まり、イブプロフェン錠、にきび治療外用薬(ペアアクネなど)、ケトプロフェン外用剤、H2ブロッカーなどが1990年代までに市販化された。2000年代に入るとニコレット☆、フェルビナク外用剤、フルコナゾールやテルビナフィンなど第二世代の水虫外用薬、ニコチネルパッチ☆、第二世代抗ヒスタミン薬、アシクロビル軟膏、肝斑改善を用途としたトラネキサム酸錠剤☆、ジクロフェナクナトリウム外用剤、フッ化ナトリウムと拡充を続け、2011年にはロキソニン錠が解熱鎮痛剤として市販化されるまでに至っている(☆印は生活改善薬)。

スイッチOTC薬の価格は薬価により、メーカーの言い値が効かない医療用よりも高く、医療保険も適用されないが、医師の診察・検査料や処方箋料が不要なため、同一の薬剤を処方されるのであれば安く済み、診察や調剤の待ち時間や手間がかからず利便性が高い。厚生労働省は医療用医薬品のスイッチOTC化を推進しようとしており、さらに今後は高コレステロール、高血圧、高血糖に使用する医薬品もスイッチOTC化することが検討されている。

しかし、医学的知識のない者による医薬品の自己使用は病状の悪化をもたらすこともあるので、スイッチOTC製品の使用は薬剤師や医師に相談しなければならない。2009年からの改正薬事法で第1類医薬品に指定され、薬剤師の情報提供が必要(後に一部製品が第2類に鞍替えされているためこの限りではない。ただし、法第36条の10第6項で医薬品を購入し、または譲り受ける者から説明を要しない旨の意思の表明があった場合には適用しないことも留意)。生活改善薬を除き、服用は短期間に留め、重症や服用しても症状がよくならない場合は、ただちに医療機関を受診すること。

2016年度税制改正で、家族合わせて年1万2千円を超える場合、超過した購入費(最高8万8千円)を確定申告で所得控除できるセルフメディケーション税制が創設された。ただし年10万円超の医療費を使った場合に適用される、現行の医療費控除との併用はできない。

ダイレクトOTC[編集]

日本において医療用医薬品としての使用実績がない新有効成分含有医薬品を、そのまま一般用医薬品として販売したものを、ダイレクトOTC薬という。2019年9月時点でミノキシジル含有の発毛剤とチェストベリー含有の月経前症候群治療薬の2つが該当し、いずれも生活改善薬である。以前は赤ブドウ葉乾燥エキス混合物含有の軽度の静脈還流障害による足のむくみ改善薬も該当していたが、製品が製造終了となっている。

購入・使用上の注意点はスイッチOTCとほぼ同じである。

新一般用医薬品[編集]

厚生労働省告示第69号(平成19年3月30日)の別表第一に掲げる医薬品以外の第一類医薬品。いわゆるスイッチOTC、ダイレクトOTCの開発と評価のために、使用実態治験(Actual Use Trial: AUT)と市販後調査(Post Marketing Surveillance: PMS)を確実に行うことができるよう指定された区分。 外国における状況と国際的ハーモナイゼーション、具体的には米国FDAの審査手順やWHOの指針に沿う形をとるための措置。セルフメデイケーション(自己治療)には自己判断、自己責任が使用の前提であるので、添付文書とラベルを注意深く読むことが重要であり、添付文書とラベルが理解できる内容であることの重要性が高まっている背景を受けている。

要指導医薬品[編集]

2014年(平成26年)6月12日に、薬事法(当時)ならびに薬剤師法の一部を改正する法律の施行に伴い、第一類医薬品として販売されていた医薬品のうち、スイッチOTC化してから間もなく、一般用としてのリスクが確定していない品目や劇薬指定の品目については、改正に伴って新設された要指導医薬品へ移行となった。要指導医薬品に指定されたスイッチOTC薬については、原則3年で一般用医薬品(第一類医薬品)に移行させることとなっている。書面による当該医薬品に関する説明を、薬剤師と対面して行わなければならないため、インターネットなどでの通信販売はできない。



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