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ラクロス

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ラクロス (英語: Lacrosse) は、クロスと呼ばれる先に網の付いたスティックを用いて直径6cm・重さ150gの硬質ゴム製のボールを奪い合い、相手陣のゴールに入れることで得点を競う球技の一種。漢字で棒網球(ぼうもうきゅう)または袋球(たいきゅう)と表記される。歴史や諸説はあるが、基本的にはカナダの国技とされている。ラクロスは他のスポーツには見られないほど男女の種目によりルール(用具やグラウンドサイズなども含む)が大きく異なるという特徴がある。

歴史[編集]

起源[編集]

ラクロスは、もともと北米の先住民達が自分たちの神との繋がりを深める儀式の一環として行ったり、部族間の争いの平和的解決に用いていたものである。

北米の先住民のラクロス競技は、試合前に呪い師によってセージや杉などの葉が火にくべられ、神聖なパイプによる清めの儀式が必ず行われる。現代においても、インディアンたちがこの競技を行う際には、必ずこの儀式が執り行われる。

そもそものラクロスの起源は南東部とされ、スティックも一本ではなく、チョクトー族などは両手にスティックを持って競技を行った。スティックの形状も部族ごとに違い(右図)、試合の準備には数ヵ月がかけられ、北米の先住民達は試合前に徹夜で戦勝祈願の踊りを舞い、これに臨んだ。

これは各チームが1,000人以上になることもあり、ゴールとゴールの距離は短くて500ヤード(約460メートル)、長いときには数マイルにも及ぶ広大なフィールドを用いる。この先住民のゲームは狩りに必要な体力や耐久力、勇気を養うためのものだったと言われる。

17世紀に半ばにフランス人が入植するようになると、このゲームで用いられていた道具が笏杖(lacross)に似ていたことからラクロスと呼ばれるようになった。

近代のラクロス[編集]

1839年に、カナダに白人で構成されたラクロスチームが誕生し、ファースト・ネーションで構成されたチームとの公式戦が開催された。複数試合行われた結果は、ファースト・ネーション側の全勝だった。

ラクロスを現代競技に整備したのは、カナダのモントリオールの歯科医ウィリアム・ビアズで、彼はカナダとアメリカの国境付近に住むイロコイ族の保留地(Reservation)でこの競技の魅力に取りつかれ、これをスポーツ競技として普及させた。つまり、スティックを一本持って行う現在のラクロスは、イロコイ族のラクロス競技が基になったものである。

1867年にラクロスはカナダの国技となり、さらにアメリカ、イギリス、オーストラリアなどで盛んにおこなわれるようになった。

過去のラクロス[編集]

現在は1チーム男子も女子も10人で行われる。ゴールは183cm四方の正方形で、アイスホッケーと同様にゴールの裏もフィールドとして使うことができる。

プレーヤーにはアタック(AT)、ディフェンス(DF)、ミッドフィールダー(MF、ミディとも呼ばれる)などの役割分担があり、ゴールを守る選手はゴーリー(G)と呼ばれる。

クロスの先についた網(ポケット)の中でボールを揺すり、遠心力を利用して保持するラクロスに特有の動作のことをクレードルと呼ぶ。

世界的な競技人口は約60万人、日本では男女合わせて約25,000人とされる。4年に一度、男女それぞれワールドカップが開催される。

オリンピックでは、公式競技として2回(1904年のセントルイスと1908年のロンドン)、公開競技として3回(1928年のアムステルダム、1932年のロサンゼルス、1948年のロンドン)行われた。

種類[編集]

ラクロスには主に下記の種類があり、それぞれ類似するもののフィールドの形状やルールが大きく異なる。

  • フィールド・ラクロス:主に屋外で行われ、約110ヤード(100m)×約60ヤード(55m)の長方形の芝フィールドで競技される。プロリーグとしてはメジャーリーグ・ラクロス(MLL)がある。女子ラクロスはさらにルールが異なっている。
  • ボックス・ラクロス(屋内ラクロス):屋内で行われ、約180フィート×約90フィートのフィールドで競技される。角が丸くなったアイスホッケーのアリーナで競技されることが多い。北米のみで競技されている。プロリーグとしてはナショナル・ラクロス・リーグ(NLL)がある。
  • ソフト・ラクロス:子供たちにも楽しめるように、簡単に安全に改善したラクロス。最大30メートル×15メートルのフィールドで行なわれる。

日本[編集]

日本にラクロスが伝わったのは1986年とされている。1986年に慶應義塾大学の男子学生(日本ラクロス協会の早川、大久保ら)が日本で最初にラクロスチームを結成する。

その後、大学生の流行としてマスコミ等に取り上げられると、わずか数年間でその名は爆発的に周知された。一時は「女子大生のファッションアイテム」化したこともあったが、ブームが過ぎて落ち着きを見せたものの、その後本気でゲームに取り組む者も着実に増えた。2006年時点で、約360チーム存在していたとされる。

全国大会は社会人・一般(クラブチーム)や大学チームの各地域リーグの代表が男女同時期に、ラクロス全日本選手権大会として行う。

ラクロスを扱った作品[編集]

スピード感あふれる団体競技であり、知名度は一定以上あるもののあまりメジャーではないため、他作品との差別化として採用されることが多い。また、女子はスカートを着用し、他のスポーツと比べてファッショナブルでスタイリッシュであるため、女子を主人公とした学園物の作品で描かれることが多い。

映画
  • 『少林少女』 - 主人公がラクロス部の助っ人になる。
  • 『ドラッグストア・ガール』 - 大林恵子がラクロス部所属。他の者もラクロスを始める。
テレビドラマ
  • 『じゃじゃ馬ならし』 - 主人公の北原夏美がラクロス部所属。
  • 『トゥルーラブ』 - 主人公の麻生菜摘がラクロス部所属。
ライトノベル
  • 『暴風ガールズファイト』 - ミッションスクールの中高女子ラクロス部を舞台とする作品。
  • 『乃木坂春香の秘密』 - 作中作でラクロスが扱われている。
漫画
  • 『バガタウェイ』 - 高校の女子ラクロス部を舞台とした漫画。
  • 『クロス・マネジ』 - 高校の女子ラクロス部を舞台とした漫画。
  • 『じょしラク!』 - 高校の女子ラクロス部を舞台とした成人向け漫画。
  • 『FACE OFF!!』 - 男子ラクロスを熱く描く王道スポーツ漫画。
テレビアニメ
  • 『ふたりはプリキュア』 - 主人公の1人・美墨なぎさがラクロス部所属であり、部活動としてラクロスの試合などが描かれたこともある。
  • 『おちゃめなふたご クレア学院物語』 - 「見て! 私のラクロス」というサブタイトルの付いた回がある。
  • 『ローゼンメイデン』 - 主人公、桜田ジュンの姉、桜田のりが部活動をしている翠星石がラクロスの競技について恐ろしい妄想をし、まるで、のりが死地に赴く人の様に見送る描写がある。
  • 『アイカツフレンズ!』 - 日向エマの特技がラクロスである。「ラクロスorフレンズ!」というサブタイトルの付いた回がある。
アニメ映画
  • 『猫の恩返し』 - 主人公ハルの親友がラクロス部所属。
  • 『きみの声をとどけたい』 - 主人公のなぎさ、幼馴染のかえで、ライバル校の夕がラクロス部所属。


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