ラウンドワン
株式会社ラウンドワン(英: ROUND ONE Corporation)は、大阪府大阪市中央区に本社があるボウリング・アミューズメント企業。通称は「ラウワン」。
2023年12月末時点で、日本国内に100店舗、米国に48店舗、中華人民共和国に「朗玩(ラウワン)」として4店舗出店している。2025年までに米国国内100店舗を目標に掲げるなどしており、店舗数については今後も増える見通し。 2021年4月12日からはオンラインクレーンゲーム事業として「クレッチャ」を開始し、インターネットでの事業へも進出した。
概要[編集]
綿糸製造とボウリング場を運営する杉野公彦の父親が経営していた会社がルーツ。その後、父親が営んでおり、閉鎖したローラースケート場を引き継ぐ形で1980年12月、大阪府泉南市に杉野興産株式会社として設立、泉大津市に第1号店としてローラースケートリンクを開設した。1982年、ボウリングレーンを併設(当初16レーン)。1988年にさらに10レーンを増設し、ローラースケートリンクは閉鎖された。1990年には堺市のボウリングレーンを同社が賃借し、ボウリングとアミューズメントを合体した2号店としてオープンさせる。
1993年3月、杉野他1名の個人出資で株式会社ラウンドワン(旧社)を設立。翌1994年6月に『ラウンドワン』第1号店となる泉北店を開業した。泉北店開店直後の同8月、杉野興産はラウンドワン(旧社)の全株式を取得して完全子会社化。同12月に杉野興産とラウンドワン(旧社)が合併し、存続会社の杉野興産は株式会社ラウンドワン(新社)に社名変更する。ラウンドワン(新社)は1997年8月に大証2部に、1998年12月に東証2部に株式上場。1999年9月には東証・大阪1部銘柄に指定され、2015年現在は東証1部に上場している。
2000年代後半以降は世界金融危機以降続く不況を乗り切るため、拡大戦略と並行して有利子負債削減と財務体質強化を図っている。例として、旧梅田店の敷地を買収・拡張して2011年3月に直営店としてオープン予定だった(新)梅田店の敷地・建物を店舗オープン前に売却、旧梅田店と同様の賃貸契約による運営とした。今後、同社が運営する一部の既存店舗も賃貸運営への切り替えを検討している(リースバック)。
ボウリング場を全店舗に設置しているほか、ビリヤード、卓球などのスポーツアミューズメント、カラオケボックス、アミューズメントパークも併設されている。また、多数のアトラクションを一定時間自由に遊べる「スポッチャ」を備えたスタジアム店舗も展開している。ドリンクバーを2014年からは、カラオケのフロアだけでなく、アミューズメントやボウリングやスポッチャなどのフロアにも、随時導入されている。
遊戯料金の支払いには、現金・クレジットカード・WAON・nanaco・楽天Edy・QUICPay・iD・交通系ICカード(PiTaPaは利用不可) ・QRコード決済(楽天Pay・PayPay・LINE Pay・メルペイ・d払い・origami Pay・au Pay・ WeChat Pay ・Alipay)が使用できる。
2020年には、新型コロナウイルスの世界的大流行による売上の減少対策として、オンラインクレーンゲーム事業の開始を発表。翌年2021年4月12日にはオンラインクレーンゲーム事業である「クレッチャ」を開始した。クレッチャではオンラインクレーンゲーム事業としては国内最大級の景品を取り揃えており、また、支払いには事業開始時から、クレジットカード、auかんたん支払い、21日からはPayPay、ソフトバンクまとめて支払い、翌日にはLINE Payにも対応した。
2024年4月1日付で、持株会社制へ移行する予定。日本国内における事業は、2023年4月6日に設立した株式会社ラウンドワンジャパンが吸収分割により継承する予定。
沿革[編集]
- 1980年12月 - 杉野興産株式会社を設立、大阪府泉大津市に1号店である泉大津店、ローラースケート場を開店。
- 1982年7月 - 泉大津店にボウリングレーンを16レーン設置(ボウリング場経営の開始)。
- 1988年10月 - 泉大津店のローラースケートリンクを撤去し、ボウリングレーン10レーンを増設。
- 1993年3月 - 株式会社ラウンドワン(旧) を設立。
- 1993年9月 - 杉野興産株式会社より株式会社ラウンドワン(旧)へ主要部門の営業を譲渡。
- 1994年8月 - 杉野興産株式会社が株式会社ラウンドワン(旧)の全株式を取得 (完全子会社化)。
- 1994年12月 - 杉野興産株式会社が株式会社ラウンドワン(旧)を吸収合併、商号を杉野興産株式会社から株式会社ラウンドワンへ変更。
- 1995年1月 - 株式会社フォーチューン(福岡市博多区)へ資本参加、フランチャイズ契約を締結 (1998年3月に契約を解消)。
- 1995年2月 - 本社所在地をポルタスセンタービル(大阪府堺市堺区戎島町四丁45番地1)へ移転。
- 1996年7月 - 株式会社ビッグボウル(札幌市白石区)とフランチャイズ契約を締結 (2001年9月に契約を解消)。
- 1997年8月 - 大阪証券取引所市場第二部に上場。
- 1998年12月 - 東京証券取引所市場第二部に上場。
- 1999年9月 - 東京証券取引所、大阪証券取引所の市場1部に指定される。
- 1999年11月 - カラオケルームの設置を開始。
- 2003年12月 - Round One U.S.A. CORP.(子会社)を設立 (アメリカ合衆国ハワイ州への出店を計画)。
- 2003年12月 - 初の時間制施設「レジャスタ」を導入。
- 2004年7月 - スポッチャ併設型の「スタジアム」店、ラウンドワンスタジアム京都伏見店を開店。
- 2006年9月 - Round One U.S.A. CORP.(子会社)を清算 (アメリカ合衆国ハワイ州への出店を中止)。
- 2009年4月 - Round One Entertainment Inc.(アメリカ合衆国連結子会社)を設立。
- 2010年8月 - アメリカ合衆国カリフォルニア州に米国初店舗、プエンテヒルズ店を開店。
- 2018年12月 - 本社所在地をなんばスカイオ(所在地:大阪府大阪市中央区難波5丁目1番60号)へ移転。
- 2019年8月 - Round One Rus LLC(ロシア子会社)を設立。
- 2019年9月 - 中華人民共和国、北京恵君文化発展有限公司との間で合弁会社、朗玩(中国)文化娯楽有限公司を設立。
- 2020年4月 - 新型コロナウイルス蔓延のため、4月2日から東京、大阪の22日を自主休業、同月4日より日本国内103店舗全店を休業、延長に延長を重ね、6月1日より行政の指導を徹底し順次営業再開。
- 2020年11月11日 - モスクワにロシア第一号店、ユーロペイスキー店を開業。
- 2021年4月12日 - オンラインクレーンゲーム事業、「クレッチャ」開始。
- 2021年5月29日 - 中国に朗玩(ラウワン)1号店、朗玩広州新塘イオンモール店を同日開業のイオンモール広州新塘内に開業、ボウリング、アミューズメント、カラオケ、スポッチャ(肆跑+)を設置している。
- 2022年3月9日 - イオングループ以外の店舗では初めてとなる、イオンペイを導入。
- 2022年4月4日 - ロシアで唯一の店舗であるユーロペイスキー店を閉鎖して、同国から撤退することを発表した。なお、この時期のロシア情勢として、ロシアのウクライナ侵攻が行われていた。
- 2022年4月17日 - ロシアから撤退。
- 2023年7月20日 - 国内100店舗達成。
- 2024年4月1日 - 持株会社制へ移行予定。日本国内における事業は株式会社ラウンドワンジャパンが継承する予定。
南砂店、上尾店ではプロボウラー半井清が経営するプロショップナカライが営業している。
主な所属プロボウラー[編集]
- 小林哲也
- 望月理江
- 坂本詩緒里
- 大仲純怜 2022年6月16日〜専属契約
- 松尾星伽 2023年1月〜所属
- 齋藤剛一
- 須田毅
- 太田誠
- 松本智弥
- 坂田重徳
- 入口光司
- 儀間義博
- 中谷優子
- 藤村隆史
- 小林龍一
- 平岡勇人
- 一谷知広
- 藤井大輔(YouTuberとしても活躍)
- 竹永竜星ほか
かつて所属していたプロボウラー[編集]
- 竹原三貴(YouTuberとしても活躍)
- 大根谷愛(現・トマトボウル西宮)
- 小林よしみ(現・STEEL SPORTS 。Pリーグでも活躍中)
- 吉川朋絵
- 小山康代
- 小山都代
- 喜納直樹
- 玉置幸一郎
- 大関隆之
- 鬼澤周平(現・イリスボウル)
- 大月仁
- 田形研吾
- 高田浩規(現・コロナワールド)
- 富永尚
- 馬場一
- 勢力優之
- 上原忠博(2022年 逝去)
- 大月えり子
- 前秀征ほか
店舗[編集]
「スポッチャ」を併設するスタジアム店舗と、「スポッチャ」のないスタンダード店舗の二種があり、山形県、茨城県、富山県、福井県、鳥取県、島根県、山口県、長崎県を除いた39都道府県とアメリカ合衆国、中華人民共和国に出店している。過去には山口県、ロシアへの出店はあったものの撤退している。アメリカ合衆国では当初スポッチャがない店舗のみの出店であったが、現在は併設されている店舗も多くなっている。 店舗の呼び方については、各店の公式ツイッターでも使用されている◯(店舗名の一文字)ラと呼ばれることがある。(例:ラウンドワン池袋店は池ラ)
金・土曜日と祝日の前日は、翌朝6時まで24時間営業を行っているが(ゲームコーナーは日の出から23時59分まで)、大半の店舗では2023年から、月~木曜と日曜は24時までの営業に短縮された。
テレビCM[編集]
以前はお笑いタレントなどによるテレビCMを放送していたが、2015年現在は割引サービスの宣伝が主である。なお、テレビCMはスポットCMだけでも30秒と長いのが特徴。
CMキャラクター[編集]
- 2004年以前
- 野猿、郷ひろみ、安達祐実
- 2005年度
- ヒロシ
- 2006年度
- 長州小力
- 2007年度
- 桜塚やっくん
- 青田典子、杉本彩、光浦靖子
- 2008年度
- 柳原可奈子
- 2009年度
- 新垣結衣
- 「事件簿」シリーズ - 山西惇、マリエ(第1話)、中尾明慶(第2話)、今井りか(第3話)
- ONE PIECEのルフィ、ナミ、ゾロ、チョッパーなどが登場するCMも放送された。
- 2010年度
- 2010年4月1日より「家族割」「学生割」「団体割」「デート」編が放送されている。
- デート編では植松孝行、三枝万莉が出演。
- 2011年・2012年度
- NMB48
- 2013年度
- ボウリングがメインの「レッツ・グルーヴ」篇と、全ジャンルが登場する「ウキウキ・ウェイク・ミー・アップ」篇が放送されていた。
- レッツ・グルーヴ篇では加藤慶祐、芳野正朝、三浦絵美、松原汐織が出演。
- 2014年・2015年度
- ナインティナイン他よしもと芸人
- 2016年度
- Little Glee Monster
- 「ボウリング だんだんスコアアップチャレンジ ミュージカル篇」、「スポッチャ ハッピーバースデー篇」、「カラオケ 採点チャレンジリアル篇」ら4バージョンを放送。
- Little Glee Monster
- 2017年・2018年・2019年度
- ゴールデンボンバー
- 2018年度
- BiSH
- 2020年度
- Snow Manを予定していたが、岩本照の不祥事および新型コロナウイルス感染症拡大のため起用中止
- 2021年度(コロナウイルス感染症の影響により2021年12月-)
- 呪術廻戦
- 2022年度
- EXIT
- 2023年度
- JO1
- 2024年度
- FANTASTICS from EXILE TRIBE
主な景品[編集]
条件によっては、来店者に景品がプレゼントされることがある。以下は主な例。
- ストラッピン(ボウリングピン型のストラップ) - ボウリング・カラオケ・スポッチャ(レジャスタ)のいずれかを4人以上一組で利用すること、激安ゲリライベントでクーポンを提示すること、Wサービスクーポンを提示することでもらえる。グループ来店の場合は全員1個ずつプレゼントされるが、種類は指定できない。また終了期には無条件配布されたり、アミューズメントコーナーでUFOキャッチャーなどの景品にも用いられる。2013年3月まで、ハローキティと『ONE PIECE』のストラッピンが提供されている。2013年4月以降は、ハローキティのみとなる。過去には『ウルトラマン』、『ルパン三世』、くいだおれ太郎のストラッピンが提供されていた。
- デカッピン(ストラッピンの大型版) - キャンペーンやムーンライトストライクゲーム(前述)で配布した。2015年現在は団体予約で利用か誕生日予約で利用した場合プレゼントされる。
- シャンピン(ピン型の瓶の中に炭酸水) - イベントで配布。イベント終了後に在庫に余剰が発生し、アミューズメントコーナーのメダル貸出でもプレゼントされた。
- キャラクターグッズ - ストラッピンと同じ4施設のいずれか1つを1回600円以上利用するとスタンプカードが発行され(エリアは2個で1個捺印済)、発行翌日から有効期限内に同4施設のいずれか1つを600円以上利用して2個目の捺印を受けるとプレゼントされる。利用施設の組み合わせは自由。2011年4月現在提供されているグッズは、ストラッピンと同じく『ONE PIECE』とハローキティ。2013年4月から、『ONE PIECE』が終了する代わりに、『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』がラインナップに加わる。