メルカリ
株式会社メルカリ(英語: Mercari, Inc.)は、東京都港区に本社を置く日本の企業。フリマアプリの「メルカリ」を運営する。Jリーグクラブチーム鹿島アントラーズをグループに持つ。
2013年に山田進太郎が株式会社コウゾウとして設立、同年中に株式会社メルカリに商号変更。
他に、地域コミュニティアプリ「アッテ」、本・CD・DVD専用のフリマアプリ「カウル」、ブランド品専門の「メルカリ メゾンズ」などのサービスを運営していたがすべて終了している。
沿革[編集]
- 2013年 (平成25年)
- 2月1日 - 株式会社コウゾウ設立。
- 6月11日 - オフィス移転。
- 7月2日 - フリマアプリ「メルカリ」Android版配信・サービス開始。
- 7月23日 - フリマアプリ「メルカリ」iPhone版配信開始。
- 8月28日 - ユナイテッドと資本業務提携。
- 11月1日 - 株式会社メルカリに商号変更。
- 2014年 (平成26年)
- 3月3日 - オフィス移転。
- 3月31日 - 米国子会社を設立。
- 4月28日 - 宮城県仙台市にサポートセンターを開設。
- 2015年 (平成27年)
- 3月16日 - 現オフィスに移転。
- 9月17日 - 100%子会社、株式会社ソウゾウを設立。
- 2016年 (平成28年)
- 1月4日 - BASE株式会社に出資。
- 3月17日 - 子会社のソウゾウから新アプリ「メルカリ アッテ」提供開始。
- 2017年 (平成29年)
- 5月8日 - 子会社のソウゾウから新アプリ「メルカリ カウル」提供開始。
- 8月21日 - 子会社のソウゾウからブランド査定つきフリマアプリ「メルカリ メゾンズ」。
- 8月25日 - ヤフーと共同で、安全なEC(電子商取引)環境整備を目的にした「EC事業者協議会」を発足。
- 11月27日 - フリマアプリ「メルカリ」内にて子会社のソウゾウが運営する即時買取サービス「メルカリNOW」を開始。
- 2018年 (平成30年)
- 2月27日 - 子会社のソウゾウにて、シェアサイクルサービス「メルチャリ」を福岡市で開始。
- 4月25日 - 子会社のソウゾウから学びのフリマアプリ「teacha」提供開始。
- 5月31日 - 「メルカリ アッテ」サービス終了。
- 6月19日 - 東証マザーズ市場に上場。
- 8月20日 - 「メルカリNOW」を終了。
- 8月21日 - 「teacha」を終了。
- 8月31日 - 「メルカリ メゾンズ」を終了。
- 11月2日 - 「メルカリ カウル」を終了、アプリ「メルカリ」に一本化。
- 2019年 (平成31年、令和元年)
- 2月13日 - 子会社のメルペイが、非接触型決済サービス・メルペイを開始。
- 6月13日 - シェアサイクルサービス「メルチャリ」の事業から撤退、メルチャリ事業は新会社neuetが継承。運営していた子会社のソウゾウは解散。
- 7月30日 - 日本製鉄が保有しているサッカーJリーグチーム「鹿島アントラーズ」の株式を取得、同年8月30日に子会社化すると発表した。
- 2020年(令和2年)
- 1月23日 - 子会社のメルペイが同業のQRコード決済サービスであるOrigami Payの運営会社Origamiを同年2月25日付で買収し、完全子会社化する事を発表。
- 2月4日 - NTTドコモと業務提携することを発表。
- 2021年(令和3年)
- 1月28日 - 100%子会社、株式会社ソウゾウを再設立。
- 4月28日 - 100%子会社、株式会社メルコインを設立。
- 10月7日 - 子会社のソウゾウが、「メルカリShops」を本格提供開始。
- 10月28日 - 子会社メルロジを設立。
- 12月16日 - パ・リーグ6球団およびパシフィックリーグマーケティングとメルカリが共同でNFT事業に参入。
- 2022年(令和4年)
- 6月7日 - 東証プライム市場に変更。同年4月に実施された東証市場再編以降で上場区分を変更するのは本企業が初めてとなった。
- 6月17日 - 資金決済に関する法律に基づく暗号資産交換業者としての登録を完了。これにより2023年度中に「メルカリ」の売上金等からビットコインを取引できる機能を提供できる予定になった。
- 10月31日 - 与信事業を強化するため、メルペイを通じてクレジットカード事業に参入。
- 2023年(令和5年)10月2日 - 同日株式取引分から日経平均株価の構成銘柄に採用予定。
サービス[編集]
フリマアプリ「メルカリ」[編集]
メルカリ(英: mercari)とは、日本およびアメリカ合衆国にてサービスを提供しているフリマアプリである。2013年7月2日にAndroid版が、同年7月23日にiOS版が配信開始となった。「メルカリ」の名称は、ラテン語で「商いする」との意味の「mercari」に由来しており、「マーケット」の語もこの語が起源である。
海外[編集]
2014年9月12日(現地時間)に、アメリカでもサービスを開始した。 イギリスでは、2017年3月15日(現地時間)にサービスを開始したが、2019年3月に終了、撤退した。
メルペイ[編集]
メルカリの完全子会社であるメルペイが2019年2月13日に開始した非接触型決済サービス。
メルカリのスマートフォンアプリに併設され、メルカリの売上金を支払いに充てられるほか、銀行からの入金にも対応している。支払い方法は、開始当初はFelica経由のiDのみであったが、2019年3月からはQRコード決済にも対応した。ちなみに、iDのクレジットカード等による決済ではau契約のAndroid端末は対応外となっているが、メルペイに限りau契約のAndroid端末でもiDの利用が可能となっている。
2020年1月23日、メルペイが同年2月25日付で同業のQRコード決済サービスであるOrigami Payの運営会社Origamiの全株式を取得し、メルカリグループに参画することを発表した。今後、一定の周知期間を経たうえでOrigami Payのサービスやブランドをメルペイに統合させる予定で調整している。また、今までOrigamiが業務提携してきた信金中央金庫や各信用金庫との関係を継続するためにメルカリとメルペイが信金中央金庫との業務提携を締結することも合わせて発表した。
2022年11月8日には、JCBとの提携で、メルカリの利用状況を踏まえた与信、メルカリ売上金による支払いなどの機能を備えたクレジットカードである「メルカード」の発行を開始した。
メルカリShops[編集]
メルカリの完全子会社であるソウゾウが2021年7月28日にプレオープンとして開始した事業者向けのECサービス。本格提供は、2021年10月7日。
メルカリは、メルカリShopsローンチ前までは、あくまで個人向けのサービスであったが、メルカリShopsのローンチにより、事業者の出品も公式に可能となった。
購入者は、これまでのフリマアプリ「メルカリ」と同様に、メルカリアプリ上から事業者と商品が購入可能となっている。
プリペイドカードの出品[編集]
QUOカードや図書カード、テレホンカードなどといった残高のあるプリペイドカード類もクレジットカード現金化や不正行為に利用されてしまう恐れがあることから一部規制していたが、2021年12月24日から出品量や取引内容を問わず、一律で出品を禁止した。
ゲームアカウントの出品[編集]
メルカリは元々ゲームデータの出品を禁止していたが、2016年7月に、利用規約の一部であるガイド内での「・実体のない商品(サービスや無形商品、ゲームのアイテム・アカウントなど)」から「・物品ではないもの(情報、サービスの提供等)」に変更し、ゲームアカウントの売買を解禁した。
コンピューターウイルス入手法の出品[編集]
2017年3月12日から13日、大阪府の男子中学生が、メルカリに「コンピューターウイルスの入手法」を出品し、ウイルスをダウンロードできるサイトのURLを教えた代価としてポイントを受け取っていた。奈良県警察本部が同年9月4日に、男子中学生を児童相談所に通告(犯罪を問える年齢ではなかったために刑事事件としては立件されなかった)、この中学生から情報を得た少年4人を書類送検とした。
高額転売に対する注意喚起[編集]
2020年1月ごろから世界規模での新型コロナウイルスの感染拡大によるマスクの品薄に伴い、通常価格を大きく上回るマスクの高額転売が相次いでいた。これに関して、メルカリは同年2月4日に公式サイトにて適切な範囲での出品や購入をユーザーに呼びかけるとともに取引状況によっては入手経路の確認や商品の削除・利用制限などを行う可能性があることを警告した。しかし、その後も高額出品や転売が続き、消費者庁がメルカリなどのフリマアプリ運営会社に対応を要請したが、メルカリでは転売自体は法律違反ではないとして、定価の数倍の値付けをしてマスクを出品する行為は禁止しておらず、一部の高額商品を除いて放任状態となっている。
出品禁止対象品の追加[編集]
新型コロナウイルスの流行により、マスクやアルコール消毒液やハンドソープが品薄になった。それを転売する事例が多発した。2020年3月以降、マスク(ハンドメイド品を含む)やアルコール消毒液は出品禁止対象品になった。同年5月25日以降はハンドソープも出品禁止対象品になり、規制開始前に出品したものも対象となった。2021年9月2日からは酸素缶や血中酸素飽和度測定器(パルスオキシメーター)、酸素濃縮器、犬猫療法食も出品禁止となった。なお、市場での供給が安定して来たことから、2022年5月に消毒液とハンドソープ、同年8月にマスク、2023年5月に医療用マスクとPCR検査キットの出品規制がそれぞれ解除となった。
ビールメーカーとの連携協定[編集]
新型コロナウイルスの影響による巣ごもり需要により、品薄となっている一部のビールにおいて、高額での転売が散見される事例も相次いでおり、2021年9月にはメルカリとアサヒビールが転売防止の連携協定を締結し、サイト上などで価格が急騰している旨の注意喚起を表示することになった。なお、ビールなどの酒類を販売する際は酒税法に基づく酒類販売業の免許が必要であり、継続的に酒類を出品する行為は違反になる可能性もあるとして、国税当局が情報収集を始めているという報道も同月になされている。
国勢調査の手提げ袋の出品[編集]
高市早苗総務大臣は2020年9月15日の会見で、前日から調査票の配布が始まった第21回国勢調査で調査員が使用する手提げ袋が出品されていたことを明らかにした。手提げ袋は本来調査終了後に返却する必要があり、詐欺などに悪用される恐れがあることから総務省はメルカリにこの商品の取り下げを行うよう要請し、メルカリはこれに応じて商品が不適切であるとして削除した。
東京オリンピック・パラリンピックボランティア用ユニフォームの出品[編集]
2021年7月から開催される予定の東京オリンピック・パラリンピックのボランティア用ユニフォームや都市ボランティア用ユニフォームが出品されていることが同月に報じられた。ボランティア用ユニフォームは転売や譲渡を禁じており、犯罪に悪用される恐れもあるため、東京都は同月6日に出品があれば削除するようにメルカリに要請。それらを受けてメルカリはユニフォームやアクレディテーションカードなどといったボランティア・スタッフ用物品の出品を同月17日から一律で禁止することを同月16日に告知した。
自民党総裁選投票用紙の出品[編集]
2021年9月29日に投開票された自由民主党総裁選挙の投票用紙とみられるものが出品されていたことが明らかとなり、メルカリは「当該商品につきましては禁止行為に該当致します」として当該商品を削除する対応を行った。この件について自由民主党本部総裁選挙管理委員会は「メルカリ事務局に対し、商品として不適切な可能性がある旨を報告し、すでに削除されております。投票用紙の作成にあたっては偽造防止などの措置を講じております」とコメントしている。
軽石の出品[編集]
2021年8月の東京都小笠原諸島の海底火山噴火により、沖縄県内に漂着した軽石をメルカリに出品する事例が相次ぎ、中には売買が成立したケースもあった。しかし、メルカリは「軽石の成分についてわかっておらず安全性が不明である」として、同年11月8日から噴火の影響で同諸島から漂着したとみられる軽石の出品を一律で禁止することを同月5日に告知した。
本人確認強化[編集]
2022年1月15日時点メルカリ、メルペイを装った不審メールが急増しているため、注意喚起をするととともに本人確認の実施を求めた。本人確認を実施してもらうため、利用制限などをすることで本人確認を促進していると見られる。なお、本人確認は個人番号カード(マイナンバーカード)、運転免許証、パスポート、住民票、印鑑登録証明書で確認できる。なお、学生証や保険証は不可である。
デジタルコンテンツの出品[編集]
電子チケットや電子クーポンなどのデジタルコンテンツについて、取引成立後にダウンロード出来なくなったり、利用不可能になるトラブルが発生したとして、2022年6月10日からこれらの出品を一律禁止にすることを同月3日に発表した。
SIMカードの出品[編集]
2022年7月26日、メルカリはSIMカードの出品を契約状態や種類を問わず、一律で同年8月1日から禁止にすることを発表した。契約したSIMカードを携帯電話会社の許可無く、他者に売却する行為は携帯電話不正利用防止法に抵触する恐れがあるため、トラブルに繋がる可能性があると判断したと推測されている。
グループ会社[編集]
- メルペイ - iDやQRコード決済等、非接触決済サービス「メルペイ」を運営。
- Mercari. inc - US版フリマアプリメルカリを運営。
- 鹿島アントラーズ・エフ・シー - Jリーグクラブ鹿島アントラーズを運営。
- ソウゾウ - 事業者向けECサービス「メルカリShops」を運営。
- メルコイン - 暗号資産事業