マツダ・ロードスター
ロードスター(ROADSTER)は、マツダが製造・販売するオープンタイプのライトウェイトスポーツカーである。
概要[編集]
1989年5月にアメリカで発売。日本国内では同年8月に先行予約を開始し、9月1日に発売された。当時のマツダは5チャンネル体制を敷いており、そのうちのユーノス店の第1弾車種として「ユーノス・ロードスター」の名称で発売された。発売初年には日本国内で9,307台を販売し、翌1990年には全世界で9万3,626台を販売し、スポーツカーとしては大ヒットとなった。
ロードスターの成功を受けて、トヨタ自動車(MR-S)や本田技研工業(S2000)などの日本メーカーだけでなく、MG(MGF)やフィアット(バルケッタ)、BMW(Z3)、メルセデス・ベンツ(SLK)、ポルシェ(ボクスター)といった海外メーカーまでもが影響を受け、各社から中小型オープンカーが発売されるなど、消滅しかけていたと思われていたライトウェイトスポーツカー市場が活性化する起爆剤となった。
2000年には生産累計53万1,890台を達成し、「世界で最も多く生産された2人乗り小型オープンスポーツカー」としてギネスブックの認定を受けた。また、2004年の生産累計70万台達成時、2007年1月30日の生産累計80万台達成時、2011年2月4日の生産累計90万台達成時にも記録更新の申請を行い、認定されている。2016年4月22日には生産累計台数100万台を達成した。
日本国外ではマツダ・MX-5(Mazda MX-5)の名称で販売されている。また、北米ではマツダ・MX-5ミアータ(Mazda MX-5 Miata)と呼ばれており、単にペットネームのミアータ(Miata)と呼ばれることもある。「ミアータ」は古語ドイツ語で「贈り物」「報酬」を意味する。マツダは2019年から日本国内の車名をグローバル名と順次統一しているが、ロードスターに関しては対象外としている。
発売直後から全国でオーナーズクラブが発足し、現在も活動を続けている。誕生10周年、誕生20周年にあわせた記念ミーティングがマツダ三次テストコースで開催され、日本全国だけでなくイギリス、フィリピンおよびタイからもオーナーが集まった。
モータースポーツとしては、1989年から自動車メディア関係者による「メディア対抗ロードスター4時間耐久レース」が筑波サーキットで行われており、以降1991年を除く毎年9月に開催されている。北米でも2003年からワンメイクレースが大規模に開催されており、2016年からは「グローバルMX-5カップ」としてプロドライバーを目指すアマチュアの登竜門になっている。2017年からは日本のスーパー耐久ST-5クラスへ特認の形で参戦が可能になり、2021年現在ではST-5クラスの約半数を占める一大勢力となっている。
近年[編集]
4代目 ND系(2015年-)[編集]
開発主査は先代までの貴島に代わり山本修弘が、チーフデザイナーは中山雅が担当した。4代目は「SKYACTIV TECHNOLOGY」とデザインテーマ「魂動(こどう)-Soul of Motion」を全面採用した新世代車種の第6弾となる。
フロントオーバーハングを短く・低くして、人を中心に配置したコンパクトキャビンと合わせて乗る人の姿が引き立つプロポーションとし、低くワイドな台形フォルムとなる。ボディはアルミ・高張力鋼板・超高張力鋼板の使用比率を3代目の58%から71%に引き上げ、剛性を確保しながら軽量な構造を追求したことで大幅な軽量化を達成し、「S」は初代NA8C型のMT車と同等の990kgを実現した。重量や剛性もさることながら、人馬一体をキーワードにエンジン、ボディー、サスペンションなどがすべてベストな状態になるよう開発され、気持ちの良いハンドリングと加速を実現している。また、室内小物入れや脱着式ドリンクホルダーを装備し、トランクも機内持込対応サイズのスーツケースを2個積載できる容量を確保するなど利便性にも配慮された。
日本仕様車では3代目からダウンサイジングされた直噴1.5Lガソリンエンジン「SKYACTIV-G 1.5」のみを設定。このエンジンをフロントミッドシップに搭載し、前後の重量配分を50:50に設定。トランスミッションはMT車に6速直結にして構造をシンプル化・小型化することで軽量化を図ったFR用6速MT「SKYACTIV-MT」を採用。AT車は6速ATを改良し、スリップ・ロックアップ領域の拡大によりダイレクト感を向上し、マニュアルモードやDレンジのダイレクトモードでシフトダウンすると瞬時にエンジン回転数を上げて指定したギア段にあったエンジン回転数とすることで、素早い変速とシフトダウン時の減速時の連続性・応答性を実現するブリッピング機能やシフトパネルのスイッチ操作でアクセル操作に対するトルクの出方を変更し、力強い加速が得られる「ドライブセレクション」を追加した。また、マツダ車で初となるデュアルピニオンタイプの電動パワーステアリングシステムを採用した。また、6AT車にはアイドリングストップ機構「i-stop」と減速エネルギー回生システム「i-ELOOP」を標準装備した(6MT車でも一部グレードはメーカーオプションにて装備可能である)。
また、先進安全技術「i-ACTIVSENSE」も導入され、車線変更時に側方や後方から接近する車両を24GHz準ミリ波レーダーセンサーで検知してドアミラー内のインジケーターとブザー音で警告する「ブラインド・スポット・モニタリングシステム(BSM)」、自動的にヘッドランプのロービームとハイビームを切り替える「ハイ・ビーム・コントロールシステム(HBC)」、カメラでレーンマーカーを検知して車線逸脱を予測してドライバーに警告する「車線逸脱警報システム(LDWS)」、ドライバーのステアリング操作量とクルマの速度からカーブの路形を予測してコーナーの先を照射する「アダプティブ・フロントライティング・システム(AFS)」、後退時に接近する車両を検知してドライバーに警告する「リア・クロス・トラフィック・アラート(RCTA)」の5つで構成される。ただし、発売当時は衝突被害軽減ブレーキが搭載されておらず、ユーロNCAPの安全性テスト5星中4星しか取れなかったが、2018年6月の商品改良により、衝突被害軽減ブレーキにあたる「アドバンスト・スマート・シティ・ブレーキ・サポート(アドバンストSCBS)」と「スマート・シティ・ブレーキ・サポート[後退時](SCBS R)」が新たに標準装備された。
グレード構成は発売当初、インテリジェント・ドライブ・マスター(i-DM)、セグメント液晶オーディオディスプレイ、脱着式カップホルダー(1個)などを装備したMT専用のベーシックモデル「S」、7インチWVGAセンターディスプレイ、コマンダーコントロール、フルオートエアコンなどを装備するとともに、MT車にはトルクセンシング式スーパーLSD、AT車にはi-stopをそれぞれ装備し、前述の「i-ACTIVSENSE」の装備をオプション設定したハイグレードモデル「S Special Package」、ガラス製リアウインドー付ソフトトップ(クロス・インシュレーター付)を装備し、シート背もたれの前面・サイドサポート部内側・シート座面・ヘッドレスト前面に本革を使用。前述の「i-ACTIVSENSE」の装備をすべて標準装備した最上位モデル「S Leather Package」の3種類を設定。2015年9月にはパーティレースへの参加などサーキット走行を想定したMT専用のモータースポーツ向けベースモデル「NR-A」を追加。ベーシックモデル「S」から、タイヤディフレクター(リア)、トルクセンシング式スーパーLSD、リアスタビライザー、車高調整機能付ビルシュタイン製ダンパー、トンネルブレースバー、フロントサスタワーバーを追加装備し、ラジエーターを大容量化、ブレーキを大径化することで冷却性と耐久性を高めた一方、本革巻シフトノブ/パーキングブレーキレバーを省き、ハイマウントストップランプカバー・シートバックガーニッシュ・プッシュブタンスタートシステムのリングをブラックに、シフトノブブーツリング・本革巻ステアリングのベゼル・インナードアハンドル・16インチアルミホイールの塗装をシルバーにそれぞれ変更した。その翌月にはMT専用の最上位グレード「RS」も追加。「NR-A」同様に、ビルシュタイン製ダンパー(「NR-A」とは異なり、車高調整機能はなし)、フロントサスタワーバー、大径ブレーキを標準装備したほか、RECARO社との共同開発によるアルカンターラとナッパレザーの専用シートを採用し、エンジンの持ち味を更に強調するためにインダクションサウンドエンハンサーも標準装備。さらに、「S Leather Package」同様に前述の「i-ACTIVSENSE」の装備全てを標準装備し、BOSEサウンドシステム(AUDIOPILOT2)+9スピーカー、CD/DVDプレーヤー+地上デジタルTVチューナー(フルセグ)も標準装備した。
また、2016年4月からはマツダオートザム店でも取り扱いを開始した。
2016年に、フィアットとの技術協力協定により、同車をベースとした「フィアット・124スパイダー」が発売された。エンジンはフィアット製(日本向けはターボエンジン)、ミッション以後はマツダ製という組み合わせでボンネット・トランク等外板パネルは大きく異なる造形となっている。足廻りはフィアットの意向によりNDロードスターとは異なる硬めな味付けで仕上げられている。インパネおよびドアトリムは124スパイダー専用品である。
ロードスターRF (リトラクタブル ファストバック)[編集]
2016年(平成28年)3月、ニューヨークオートショーに向けて「マツダ・MX-5 RF」(日本名、「マツダ・ロードスターRF」)を発表。先代のリトラクタブルハードトップ(RHT)の後継的位置付けで、RFのRはリトラクタブル式ハードトップ、Fはファストバック(ルーフから車両の最後端までルーフラインがなだらかに傾斜していく形状のこと)をそれぞれ意味している。エンジンは各国の市場に合わせ、「SKYACTIV-G 1.5」または「SKYACTIV-G 2.0」を使い分け、北米モデルの「MX-5 RF」には「SKYACTIV-G 2.0」を搭載する。
RFでは、スイッチ操作のみで電動格納式ルーフの開閉操作が可能なように改良。それぞれの部品の動きをオーバーラップすることで開閉動作を美しくするとともに、トップロックの解除を含むスイッチ操作開始からルーフがロックされるまで約13秒で開閉できる速さも兼ね備える。トランクはソフトトップモデル同様、機内持込対応サイズのスーツケース2個を積載できる容量を確保しているほか、荷室内には工具などが収納可能なマルチボックスを配置した。
日本国内では、2016年(平成28年)11月10日に予約受付を開始し、同年12月22日に発売されることが発表された。日本仕様ではソフトトップモデルよりも排気量が大きい「SKYACTIV-G 2.0」で、ソフトトップモデル同様に縦置きにして専用チューニングを行ったPE-VPR[RS]型(最高出力158PS/最大トルク20.4kgf・m)を採用する。グレード体系はベーシックモデルの「S」、シート素材にナッパレザー を採用した充実装備の「VS」、ブラックのアルカンターラとナッパレザーを組み合わせ、赤のパイピングを配したRECARO社製シートを採用 したスポーティモデルの「RS」の3グレードが用意される。
2016年(平成28年)12月10日に行われた「オートカラーアウォード2016」で、マシーングレープレミアムメタリック(外板色)×オーバーン(内装色)の組み合わせがグランプリを受賞した。マツダ車のグランプリ受賞は2001年の第3回以来15年ぶり2回目となった。
年表[編集]
- 2012年5月23日 - マツダとフィアットは、次期「ロードスター(海外名・Mazda MX-5)」のFRアーキテクチャをベースに、マツダおよびフィアット傘下のアルファロメオ向けのオープン2シータースポーツカーの開発・生産に向けた協議を開始することで合意。両社の車種をマツダの本社工場で生産することを想定しており、アルファロメオ向けの車両は2015年に生産開始することで検討を進めると発表した。
- 2013年1月18日 - フィアットと正式に事業契約を締結。2015年より次期ロードスターのFRアーキテクチャをベースに開発されるアルファロメオ向けのオープン2シータースポーツカーをマツダの本社工場で生産すること、ブランド毎に独自のエンジンを搭載する予定であることが発表された。
- 2014年
- 4月16日 - ニューヨーク国際オートショーにて、次期MX-5に採用する新開発「SKYACTIVシャシー」を初公開。
- 5月25日 - 「軽井沢ミーティング2014」にて「SKYACTIVシャシー」を日本初公開。
- 9月4日 - 日本、米国、スペインでのファン参加型イベントにて、4代目となる新型ロードスターを世界初公開。2015年よりグローバルに導入する予定であることが合わせて発表された。
- 10月28日 - 同年11月開催のロサンゼルスオートショーへの出品を発表。1.5Lおよび2.0LのSKYACTIV-Gガソリンエンジンを市場ごとに適切なラインアップで展開すること、北米仕様車は、SKYACTIV-G 2.0ガソリンエンジンを搭載することが同時に発表された。
- 12月18日 - 翌2015年1月開催の「東京オートサロン 2015 with NAPIC」への参考出品を発表。
- 2015年
- 2月5日 - 通常の販売店店頭での予約開始に先駆け、専用プレサイトにて先行商談の予約受付を行うことを発表。また、発売時期は「今年6月頃」と公表された。
- 3月5日 - 宇品第1工場で日本向けの生産を開始。
- 3月20日 - 先行商談の予約受付を開始。グレード構成、希望小売価格(予定)が公表された。
- 5月20日 - フルモデルチェンジ(発売は21日)。
- 日本仕様は、直列4気筒1.5L「SKYACTIV-G 1.5」(「P5-VP[RS]」型。「i-ELOOP+i-stop装着車は「P5-VPR[RS]」型)を搭載。ラインアップは「S」、「S Special Package」、「S Leather Package」の3グレード。全グレードに6速MT(SKYACTIV-MT)を、「S」以外のグレードには、6速AT「SKYACTIV-DRIVE」(6EC-AT)を搭載する。
- ボディカラーは「アークティックホワイト」、「クリスタルホワイトパールマイカ(特別塗装色)」、「セラミックメタリック」、「メテオグレーマイカ」、「ジェットブラックマイカ」、「ソウルレッドプレミアムメタリック(特別塗装色)」、「ブルーリフレックスマイカ」の7色を設定した。
- 9月24日 - モータースポーツのベース車両として最適な装備を備えた新グレード「NR-A」を追加(10月15日発売)。
- パーティレースへの参加などサーキット走行を想定し、車高調整機能付きビルシュタイン社製ダンパーの採用など一部仕様を変更。大容量ラジエーター、大径ブレーキなどを採用し冷却性と耐久性を向上している。トランスミッションは6MTのみの設定。
- 10月1日 - 新グレード「RS」を追加。
- ロードスターのラインアップ中、最も「走り」を追求したグレードであることをうたう。足回りには、ビルシュタイン社製ダンパーとフロントサスタワーバー、大径ブレーキを標準装備。またRECARO社と共同開発されたRS専用シートを装備エンジンサウンドにもこだわり、インダクションサウンドエンハンサーも標準装備とした。トランスミッションは6MTのみの設定。
- 11月27日 - 2015~2016日本自動車殿堂カーオブザイヤー」を受賞。
- 12月7日 - 「2015-2016 日本カー・オブ・ザ・イヤー」を受賞。
- 2014年に受賞した4代目デミオに続きマツダ車が2年連続で受賞。また、主催団体によって異なる車種が選出される場合が多い日本でのカー・オブ・ザ・イヤーにおいて、すでに受賞している日本自動車殿堂と合わせて2つの主催団体から同じ車種が選出された。
- 2016年
- 3月23日 - リトラクタブルハードトップモデル「MX-5 RF(日本名・ロードスターRF)」を世界初公開。3月25日から開催されるニューヨーク国際自動車ショーに出品することを発表。
- 3月25日 - 2016年「ワールド・カー・オブ・ザ・イヤー」「ワールド・カー・デザイン・オブ・ザ・イヤー」をダブル受賞。
- WCAが主催する特別賞の一つである「ワールド・カー・デザイン・オブ・ザ・イヤー(WCDOTY)」も日本車として初めて受賞。1車種によるWCOTY、WCDOTYのダブル受賞は、同賞創設以来初。
- 4月25日 - 4月22日に累計生産台数が100万台に達したことを発表。初代モデルの生産を開始してから27年での達成となった。
- 10月5日 - 宇品第1工場で、北米、欧州市場向け「Mazda MX-5 RF」の生産を開始。
- 11月10日 - リトラクタブルハードトップモデル「ロードスターRF」を発表(12月22日発売)。
- 日本仕様は、直列4気筒2.0L「SKYACTIV-G 2.0」(PE-VPR[RS]型)を搭載。ラインアップは「S」、「VS」、「RS」の3グレード。全グレードに6速MT(SKYACTIV-MT)を、「RS」以外のグレードには、6速AT「SKYACTIV-DRIVE」(6EC-AT)を設定。
- ボディカラーは「クリスタルホワイトパールマイカ(特別塗装色)」、「セラミックメタリック」、「マシーングレープレミアムメタリック(特別塗装色)」、「ジェットブラックマイカ」、「ソウルレッドプレミアムメタリック(特別塗装色)」、「ブルーリフレックスマイカ」の6色を設定した。
- 2017年
- 1月13日 - 「ロードスター」に限定色「クラシックレッド」を設定。同日より予約受付を開始し、同年2月28日まで期間限定で販売することを発表。クラシックレッドは、1989年2月のシカゴモーターショーにて初代ロードスターを世界初公開した際、メインカラーとされていたボディカラーである。4代目ロードスターでは、このカラーを最新の水性塗装技術「アクアテック塗装」で忠実に再現している。
- 4月3日 - 「MX-5 RF」が独「2017年レッド・ドット:ベスト・オブ・ザ・ベスト賞」を受賞。
- 世界で最も権威のあるデザイン賞のひとつである「2017年レッド・ドット賞:プロダクトデザインにおけるベスト・オブ・ザ・ベストを受賞した。「ベスト・オブ・ザ・ベスト賞」はレッド・ドット賞のプロダクトデザイン部門における最高の賞で、MX-5は2015年にソフトトップモデルで同賞を受賞しており、リトラクタブルハードトップと両モデルでの受賞となった。
- 9月21日 - 手動運転装置付車を発売。足でのペダル操作が困難な車いす利用者が運転できるように配慮されており、アクセルならびにブレーキを操作することが可能な他、ウインカー、ホーン等のスイッチが集約されたコントロールグリップや、右手で変速が可能な専用ステアリングシフトスイッチを装備した。
- 11月10日 - 商品改良。同時に特別仕様車「RED TOP(レッド・トップ)」を設定(12月14日発売)。
- ロードスター・同RF共通の改良内容として、リアコンソールボックス(キー付)内部床面に遮音マットを追加し、小物類の転がり音を低減させた。また、布シートにシートヒーターを設定(ロードスター:S Special Packageにメーカーセットオプション/同RF:Sに標準装備)。サンバイザーには表皮巻タイプを設定(ロードスター:S Leather Package, RS, RED TOP/同RF:全車に標準装備)した。また、アダプティブ・LED・ヘッドライト(ALH)を新採用(ロードスターはS Leather PackageとRSに標準装備、S Special Packageにメーカーセットオプション。同RFはVSとRSで標準装備、Sにメーカーセットオプションとして設定)。ロードスターは、リアサスペンションやステアリングフィールが改良されたほか、静粛性も向上。また、タコメーターの文字に白印刷を追加し、LEDによる発光と共に発色を改善することで、主に昼間走行時の視認性を向上させている。
- ボディカラーは、ロードスター・同RF共に、「ソウルレッドプレミアムメタリック」を「ソウルレッドクリスタルメタリック」に、「クリスタルホワイトパールマイカ」を「スノーフレイクホワイトパールマイカ」(いずれも特別塗装色)に、「ブルーリフレックスマイカ」を「エターナルブルーマイカ」にそれぞれ入れ替えた。「ロードスター」は、「メテオグレーマイカ」に替わり「マシーングレープレミアムメタリック(特別塗装色)」を新設定(同RFには既に設定済)。
- 特別仕様車「RED TOP」は、「ロードスター」の「S Leather Package」をベース車として、ダークチェリー色のソフトトップと、オーバーン(赤褐色)のインテリアを新採用。ドアミラーをボディ同色とした。また、高輝度塗装16インチアルミホイール、ナッパレザーシートを特別装備。なお、ボディカラーはベース車に用意される「ソウルレッドクリスタルメタリック」のみ選択不可。なお、注文受付は2018年3月31日まで。
- 2018年6月7日 - 商品改良。同時に特別仕様車「Caramel Top(キャラメル・トップ)」を設定(7月26日発売)。
- RFは、2.0Lエンジン「SKYACTIV-G 2.0」の吸気系からシリンダーヘッド、ピストンやコンロッド等の回転系部品、排気系、サイレンサーに至るまで大幅に改良。全回転域でトルクを向上させ、高回転域では出力性能を15%以上高めながら、最高回転数も6,800rpmから7,500rpmに引き上げた。最高出力は+26PS (+19kW)の184PS(135kW)、最大トルクは+0.5kgf・m(+5N・m)の20.9kgf・m(205N・m)にそれぞれ向上。高性能化に合わせたエンジンサウンドの変更、燃焼システム改善による環境・燃費性能も向上させている。また、「VS」の内装色に新色の「スポーツタン」と「ブラック」を追加。継続設定の「オーバーン」に加え全3色から選択可能とした。
- ロードスターは、1.5Lエンジン「SKYACTIV-G 1.5」について、今回「SKYACTIV-G 2.0」で開発した燃焼改善技術を採り入れる等の改良が実施された。最高出力は+1PS(+1kW)の132PS(97kW)、最大トルクは+0.2kgf・m(+2N・m)の15.5kgf・m(152N・m)にそれぞれ向上。また、マルチインフォメーションディスプレイ(MID)にTFTカラー液晶を採用(「S Leather Package」と「RS」に標準装備、「「S Special Package」にメーカーオプション)。
- ロードスター・RFともに、先進安全技術「i-ACTIVSENSE」が標準装備化され、予防安全性能が大幅に向上。アドバンスト・スマート・シティ・ブレーキ・サポート(アドバンストSCBS)、スマート・シティ・ブレーキ・サポート[後退時]SCBS R)、AT誤発進抑制制御[前進時/後退時](AT車のみ)、リアパーキングセンサー(センター/コーナー)を新採用、従来、上位機種のみの設定だった車線逸脱警報システム(LDWS)、ブラインド・スポット・モニタリング(BSM)、リア・クロス・トラフィック・アラート(RCTA)などと合わせ、全グレードに標準装備とした。また、RFの「S」はアダプティブ・LED・ヘッドライト(ALH)を標準装備化。ロードスターの「S」・「S Special Package」・「NR-A」にはハイ・ビーム・コントロールシステム(HBC)が新たに標準装備となった。交通標識認識システム(TSR)と「ドライバー・アテンション・アラート(DAA)」も新採用。ロードスターの「S Leather Package」と「RS」及びRFの全グレードに標準装備、ロードスターの「S Special Package」にメーカーオプション設定とした。歴代ロードスターで初採用となる「テレスコピックステアリング」を全グレードに標準装備。また、アルミホイールのホイール色をガンメタリック塗装からブラックメタリック塗装に変更した(高輝度塗装を採用する同RFの「S」・「VS」を除く全グレード)。
- 特別仕様車「Caramel Top」は、「ロードスター」の「S Leather Package」をベースに、ブラウン色の幌、スポーツタン色のインテリア、ボディ同色ドアミラー、高輝度塗装16インチアルミホイール特別装備としている。なお、注文受付は2018年12月24日までとなる。
- 今回改良で燃料消費率・排出ガス性能共にWLTCモードに対応し、「平成30年排出ガス基準50%低減レベル(☆☆☆)」認定を取得した。
- 2019年
- 2月8日 - シカゴオートショーにて本車種の誕生30周年を記念した特別仕様車「MAZDA MX-5 Miata 30th Anniversary Edition」を世界初公開。
- MX-5 30周年記念車は、特別色「レーシングオレンジ」のボディカラーを採用。また、RAYSと共同開発した鍛造アルミホイール(RAYS ZE40 RS30)及びシリアルナンバー付オーナメント等を特別採用。ソフトトップモデルとリトラクタブルハードトップモデル合わせて全世界3,000台限定で販売。
- 3月25日 - 特別仕様車「ロードスター30周年記念車」の商談予約受付を専用ウェブページにて開始。
- 「30周年記念車」は、上記「MAZDA MX-5 Miata 30th Anniversary Edition」の日本国内仕様である。日本での販売台数は、ロードスター(ベース車:「RS」)・RF(ベース車:「RS」及び「VS」のAT車)を合わせて150台を予定。特別装備として、エクステリアでは専用ボディカラーとして新色「レーシングオレンジ」を採用したほか、RAYS製鍛造アルミホイール(RAYS ZE40 RS30:30TH ANNIVERSARY 刻印入り)、30TH ANNIVERSARYオーナメント(シリアルナンバー付)、Brembo製フロントブレーキキャリパー(オレンジ塗装)、NISSIN製リアブレーキキャリパー(オレンジ塗装)を採用。インテリアではRECARO製シートをはじめ、各所にオレンジをアクセントとしたカラーコーディネート(シート、エアコンルーバーベゼル、 ドアトリム、インパネデコレーションパネル、シフトレバー、パーキングブレーキレバーなど)を施したほか、ドアトリムやインパネ、シート表皮にアルカンターラを採用。また、Boseサウンドシステム(AUDIOPILOT™2)+9スピーカーを装備した。走行性能では前述の専用ブレーキキャリパーに加え、BILSTEIN製ダンパーを採用した。
- ウェブページでの商談予約受付期間は、ロードスターが同年4月5日から4月15日、RFが同年5月27日から6月10日。
- 11月14日 - 商品改良並びに特別仕様車「SILVER TOP」を発表(12月5日発売)。
- ロードスター・RF共通で、ボディカラーは「セラミックメタリック」に替わり、MAZDA3から採用された「ポリメタルグレーメタリック」を設定。内装はステッチカラーがグレーに変更。ロードスターの「S Leather Package」と「RS」、RFの「S」を除く全グレードにステンレススカッフプレートが採用され、ロードスターの「S Leather Package」とRFの「VS」はパーフォレーション(穴あけ加工)が施された。その他、アドバンストSCBSが夜間歩行者検知機能に、マツダコネクト(「ロードスター」の「S」と「NR-A」は非装備)がApple CarPlay・Android Autoにそれぞれ対応した。
- ロードスターは1本当たり約800g、合計約3.2kgの軽量化が図られたRAYS社製鍛造16インチアルミホイール(RAYS ZE40 RS)を「S Special Package」、「S Leather Package」の各MT車及び「S」、「RS」に、Brembo社製フロントブレーキを「S Leather Package」のMT車と「RS」にそれぞれメーカーオプション設定された。RFにはバーガンディ・レッドのナッパレザーインテリアを採用した「VS Burgundy Selection」が設定され、従来はAT車のみの設定だったBrembo社製フロントブレーキ+BBS社製17インチ鍛造アルミホイールのセットオプションを「VS」のMT車にも拡大して設定された。なお、「VS Burgundy Selection」は「ソウルレッドクリスタルメタリック(オプションカラー)」が未設定となる。また、トランク左下の車名エンブレムのフォントが「Mazda Type」に変更された。
- 特別仕様車「SILVER TOP」は「S Leather Package」をベースに、ソフトトップをグレー色、ドアミラーをボディカラー同色(メーカーオプションのRAYS社製鍛造アルミホイール(ダークガンメタリック塗装)選択時はピアノブラック)とし、高輝度塗装16インチアルミホイールを特別装備した。2020年3月31日までの注文受付とする期間限定販売となる。
- 2月8日 - シカゴオートショーにて本車種の誕生30周年を記念した特別仕様車「MAZDA MX-5 Miata 30th Anniversary Edition」を世界初公開。
NR-A MOTORSPORT CONCEPT (大阪オートメッセ2020)
- 2020年
- 4月3日 - マツダの創立100周年を記念した「100周年特別記念車」を発表。予約受注を開始(7月以降発売、2021年3月31日までの期間限定受注)。
- ロードスターの「S Leather Package」とRFの「VS」をベースに、バーガンディのフロアカーペットを装備。ボディカラーに「スノーフレイクホワイトパールマイカ」を、ロードスターのソフトトップカラーには「ダークチェリー」をそれぞれ採用。また、フロアマットとフロントフェンダー部には創立100周年記念バッジが装着され、前身となる東洋工業創業時に制定されていた「丸工マーク」と現在のマツダのブランドシンボルマークを重ね合わせた創立100周年スペシャルロゴをヘッドレストとキーフォブ(キーフォブは100周年専用化粧箱入り)の刻印やセンターホイールキャップのロゴに採用した。
- 12月10日 - 商品改良。
- ナッパレザー内装のインテリアカラーに新色の「ピュアホワイト」が設定され、ロードスター及びRFのそれぞれに新グレード「S Leather Package White Selection」(ロードスター)、「VS White Selection」(RF)を設定。また、ボディカラーとして「100周年特別記念車」以外の全てのグレードにおいて、「ディープクリスタルブルーマイカ」が設定された(「エターナルブルーマイカ」との入替)。
- ロードスター・RFのそれぞれに、「RS」をベースとして、ナッパレザーのピュアホワイトシートに加え、Brembo製フロントブレーキを装備、加えてロードスターにはRAYS製鍛造16インチアルミホイールとガラス製リアウィンドー付ソフトトップ(クロス・インシュレーター付)を、RFにはBBS社製鍛造17インチアルミホイールをそれぞれ装備した「RS White Limited Selection」が設定された。本グレードは2021年3月31日までの期間限定販売となる。
- 4月3日 - マツダの創立100周年を記念した「100周年特別記念車」を発表。予約受注を開始(7月以降発売、2021年3月31日までの期間限定受注)。
- 2021年12月16日 - 商品改良および特別仕様車「990S」・「Navy Top」を発表(同日より予約開始、2022年1月中旬発売)。
- 新技術として、キネマティック・ポスチャー・コントロール(KPC)を全モデルに採用。ブレーキをかけることで車体を引き下げる「アンチリフト力」が発生する構造を持つサスペンション特性を最大限活かし、Gが強めにかかるようなコーナリングの際にリアの内輪側をわずかに制動することでロールを軽減しつつ、車体を引き下げることで旋回姿勢をより安定化。さらに、後輪の左右の速度差から旋回状態をリアルタイムに検知し、これに応じてリニアに作動を強めて自然な姿勢安定化の効果を発揮。ハードな走行になればなるほど、車体の浮き上がりが軽減され、クルマが地面に吸い付くように安定しやすくなる。また、ボディカラーはアークティックホワイトと入れ替えで、新色のプラチナクオーツメタリックが設定された。
- RFには新グレードとしてナッパレザーシート・インパネ/ドアトリムステッチにテラコッタを採用した「VS Terracotta Selection」が追加設定された。
- 「990S」は最軽量グレード「S」をベースに、RAYS社製鍛造16インチアルミホイール(RAYS ZE40 RS)を装備することで4本合計で3.2kg軽量化され、ばね下重量を低減するとともに、ダンパー・コイルスプリング・電動パワーステアリング・エンジン制御を専用セッティングに変更。ブレーキはフロントにBrembo社製大径ベンチレーテッドディスクブレーキと対向4ピストンキャリパー(ブラック塗装+ブルー文字)を、リアにはブラック塗装の大径ブレーキローター&キャリパーを装備した。そのほか、ダークブルーの幌色、ブルーとピアノブラックのエアコンルーバーベゼルが採用され、ショップオプションとして、ブルーステッチと刺繍が入った専用フロアマットが設定された。「Navy Top」は「S Leather Package」をベースに、「990S」と同様にダークブルーの幌色(インシュレーター付)を採用し、電動リモコン式ミラーをボディ同色に、16インチアルミホイールを高輝度塗装にそれぞれ変更し、6スピーカーを特別装備した。
- 2022年11月17日 - 一部商品改良及び特別仕様車「Brown Top」を発表(同日より予約受付開始、12月中旬発売)。
- ボディカラーはポリメタルグレーメタリックと入れ替えで新色のジルコンサンドメタリックを追加した。
- 「Brown Top」はロードスターの「S Leather Package」をベースに、ソフトトップの色を2018年7月に発売された「Caramel Top」と同じブラウン(インシュレーター付)とし、電動リモコン式ドラミラー(手動可倒式)をボディー同色(メーカーセットオプションのRAYS社製鍛造アルミホイールを装着した場合はピアノブラック)に、シートをテラコッタのナッパレザーシートにそれぞれ変え、ドアトリム/インパネデコレーションパネルにテラコッタステッチが施され、高輝度塗装の16インチアルミホイールを装備した。
- 2023年10月5日 - 大幅商品改良(マイナーチェンジ)を発表(同日より予約受付開始、2024年1月中旬発売。
- 安全性能が強化され、フロントグリル左側に設けられたレーダーセンサーが先行車を検知し、設定した速度での定速走行や車間距離を一定に保って走行するための運転支援機能マツダ・レーダー・クルーズ・コントロール(MRCC)を「S」と「NR-A」を除くグレードに設定され、「S Special Package」にメーカーオプション設定、それ以外のグレードは標準装備された。また、約15km/h以下で後退中にクルマの左右や後方に接近してきた車両を検知し、衝突を回避できないと判断されたときにブレーキ制御を支援することで衝突時の被害軽減を図るスマート・ブレーキ・サポート[後退時左右接近物検知機能(SBS-RC)]を全車に標準装備された。
- ヘッドランプはデイタイムランニングライトを変更するとともに、ヘッド・リア・ターンなどの全てのランプ類をLED化。ボディカラーはプラチナクオーツメタリックと入れ替えで新色のエアログレーメタリックが設定された。
- 電動パワーステアリングはモーターアシストの制御ロジックが改良され、ロードスターに搭載されている「SKYACTIV-G 1.5」はハイオクガソリンに合わせた専用セッティングが施されたことで出力を3kW向上。ロードスターのMT車とRFには駆動力制御の制御ロジックが最新化された。MT車には、加速・減速時のデファレンシャルギヤの差動制限力を変化させることでリアタイヤの接地荷重変化に対してクルマの旋回挙動を安定化させるASYMMETRIC LIMITED SLIP DIFFERENTIAL (アシンメトリックLSD)を「S」を除くグレードに、DSCの新機能として、スポーツ走行時にドライバーがコントロールできないような危険なスピン挙動に陥った場合のみに介入して車体への傷つきのリスクを低減させる「DSC-TRACK」が追加された。
- ロードスターには、ベージュのソフトトップとスポーツタン内装(ナッパレザーシート、合成皮革ドアトリム・インパネ・センターコンソール)を採用し、電動リモコン式ドアミラー(手動可倒式)をボディカラー同色に変更、高輝度塗装の16インチアルミホイールを装備した「S Leather Package V Selection」を追加。機種体系も整理され、ロードスターは「S Leather Package White Selection」と特別仕様車「990S」・「BROWN TOP」を廃止、RFは「VS White Selection」と「VS Terracotta Selection」を廃止した。また、メーカー希望小売価格が改定され、ロードスターは機種・トランスミッションにより18.15万円~25.74万円、RFは機種・トランスミッションにより26.84万円~33.11万円(いずれも10%の消費税込)値上げされた。
- 2024年6月3日 - 国土交通省は、ロードスターRFの「型式指定」を巡り不正行為が見つかったとして、安全性が基準に適合しているか確認できるまで出荷停止を指示した。