ビートルズ
ビートルズ(The Beatles)は、1960年代から1970年にかけて活動したイギリス・リヴァプール出身のロックバンド、および20世紀を代表する音楽グループである。音楽誌『ローリング・ストーン』による「ローリング・ストーンの選ぶ歴史上最も偉大な100組のアーティスト」において第1位にランクインしており、経済紙ウォール・ストリート・ジャーナルの統計算出に基づく「史上最も人気のある100のロックバンド」でも1位となっている。グラミー賞を7回受賞し、23回ノミネートされている。
1957年にジョン・レノンがバンド「クオリーメン」を結成し、1960年に「ビートルズ」に改名。1962年10月5日にEMIパーロフォンからデビューし、1970年4月10日に事実上解散した(法的な解散決定は翌1971年)。"Fab Four" という通称でも知られる。
活動期間中、母国のイギリスで12作 のオリジナル・アルバムを発売し、そのうち11作が全英アルバムチャートで週間第1位を獲得した。11作の週間第1位の合計獲得数は162週。年間売り上げ最高アルバム4作と、第1作『プリーズ・プリーズ・ミー』による連続30週第1位はいずれも1960年代の最高数。シングルは22作 発売し、そのうち17作が第1位を獲得。アメリカなど世界各国においても高い販売数を記録し、全世界での総レコード・カセット・CD・ダウンロード・ストリーミングなどの売上総数は6億を超えている。外貨獲得への多大な貢献に対し、1965年10月26日に女王エリザベス2世からMBE勲章を授与されている。
バンド名の由来[編集]
「ザ・ビートルズ 」(The Beatles)という名称はレノンとスチュアート・サトクリフが考えた造語である。レノンの証言では、この名前が考案されたのは1960年の4月で、バディ・ホリーのバンド名「バディ・ホリー&ザ・クリケッツ」 を参考に、昆虫の名前かつ多義的な言葉としてビートルズ(Beetle=カブトムシ、Beat=ビート) が選ばれたという。また映画『乱暴者』 にも着想を得ている。しかし、バンド名を「ザ・ビートルズ」に改めた頃、仕事を依頼してきたブライアン・キャスは難色を示し、改名を出演条件として「ロング・ジョン&ピーシズ・オブ・シルヴァー」(Long John & Pieces of Silver)という名称を提示した。話し合いの上、互いに譲歩して「ロング・ジョン&シルヴァー・ビートルズ」(Long John & Silver Beatles)と称することになったが、その後ロング・ジョンを除いて「シルヴァー・ビートルズ」(The Silver Beetles)と称した。ただし、1960年8月から行った最初のハンブルク巡業で出演したクラブ「カイザー・ケラー」にはには「ザ・ビートルズ」として出演した。
メンバー[編集]
基本的担当パートを太字表記
名前 | プロフィール | 担当 | 在籍期間 |
---|---|---|---|
ジョン・レノン(英語: John Lennon) | 1940年10月9日 - 1980年12月8日(40歳没)
イングランド マージーサイド州リヴァプール |
ボーカルリズムギターリードギター
キーボード ハーモニカ ベース |
1960年 - 1970年 |
ポール・マッカートニー(英語: Paul McCartney) | 1942年6月18日(81歳)
イングランド マージーサイド州リヴァプール |
ボーカルベースリズムギター
リードギター キーボード ドラムス |
1960年 - 1970年 |
ジョージ・ハリスン(英語: George Harrison) | 1943年2月25日 - 2001年11月29日(58歳没)
イングランド マージーサイド州リヴァプール |
リードギターボーカルリズムギター
シタール キーボード ベース |
1960年 - 1970年 |
リンゴ・スター(英語: Ringo Starr) | 1940年7月7日(83歳)
イングランド マージーサイド州リヴァプール |
ドラムスパーカッション
ボーカル |
1962年 - 1970年 |
名前 | プロフィール | 担当 | 在籍期間 |
---|---|---|---|
ピート・ベスト(英語: Pete Best) | 1941年11月24日(82歳)
イギリス領インド帝国 マドラス管区 マドラス |
ドラムスボーカル | 1960年 - 1962年 |
スチュアート・サトクリフ(英語: Stuart Sutcliffe) | 1940年6月23日 - 1962年4月10日(21歳没)
スコットランド エディンバラ |
ベースボーカル | 1960年 - 1961年 |
チャス・ニュービー(英語版)(英語: Chas Newby) | 1941年6月18日 - 2023年5月22日(81歳没)
イングランド ブラックプール |
ベース | 1960年 |
ノーマン・チャップマン(英語版)(英語: Norman Chapman) | 1937年 - 1995年7月(58歳没) | ドラムス | 1960年 |
トミー・ムーア(英語版)(英語: Tommy Moore) | 1931年9月12日 - 1981年9月29日(50歳没)
イングランド マージーサイド州リヴァプール |
ドラムス | 1960年 |
名前 | プロフィール | 担当 | 在籍期間 |
---|---|---|---|
ジミー・ニコル(英語版)(英語: Jimmie Nicol) | 1939年8月3日(84歳) -
イングランド ロンドン |
ドラムス | 1964年 |
ジョン・レノンがスキッフル・バンド「クオリーメン」を1957年に結成。それ以降はジョニー&ザ・ムーンドッグス、ロング・ジョン&シルヴァー・ビートルズ、シルヴァー・ビートルズと改名しており、ビートルズと称するまでに複数のメンバーが入れ替わっている。ビートルズと称してから在籍したメンバーは通算6名。そのうち2名は1962年10月5日にシングル『ラヴ・ミー・ドゥ』でデビューする前に脱退している。その一人、スチュアート・サトクリフは1960年1月に加入してベース担当になり、1961年に行われた2度目のハンブルク巡業後にバンドを脱退。その後、1962年4月10日に21歳で死去した。もう一人のピート・ベストは、1960年8月に行った最初のハンブルク巡業の直前にドラムス担当として加入したが、1962年8月16日に解雇される。スターが「ロリー・ストーム & ザ・ハリケーンズ」から8月18日にビートルズへ加入した。
ディスコグラフィ[編集]
発売日 | 邦題 | 原題 | 最高位 |
---|---|---|---|
1963年3月22日 | プリーズ・プリーズ・ミー | Please Please Me | 1 |
1963年11月22日 | ウィズ・ザ・ビートルズ | With The Beatles | 1 |
1964年7月10日 | ハード・デイズ・ナイト | A Hard Day's Night | 1 |
1964年12月4日 | ビートルズ・フォー・セール | Beatles For Sale | 1 |
1965年8月6日 | ヘルプ! | Help! | 1 |
1965年12月3日 | ラバー・ソウル | Rubber Soul | 1 |
1966年8月5日 | リボルバー | Revolver | 1 |
1967年6月1日 | サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド | Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band | 1 |
1968年11月22日 | ザ・ビートルズ (ホワイト・アルバム) | The Beatles | 1 |
1969年1月13日 | イエロー・サブマリン | Yellow Submarine | 3 |
1969年9月26日 | アビイ・ロード | Abbey Road | 1 |
1970年5月8日 | レット・イット・ビー | Let It Be | 1 |
シングル(イギリス盤)[編集][編集]
発売日 | 邦題 | 原題 | 最高位 |
---|---|---|---|
1962年10月5日 | A. ラヴ・ミー・ドゥ
B. P.S.アイ・ラヴ・ユー |
A. Love Me Do
B. P.S. I Love You |
17 |
1963年1月11日 | A. プリーズ・プリーズ・ミー
B. アスク・ミー・ホワイ |
A. Please Please Me
B. Ask Me Why |
2 |
1963年4月12日 | A. フロム・ミー・トゥ・ユー
B. サンキュー・ガール |
A. From Me to You
B. Thank You Girl |
1 |
1963年8月23日 | A. シー・ラヴズ・ユー
B. アイル・ゲット・ユー |
A. She Loves You
B. I'll Get You |
1 |
1963年11月29日 | A. 抱きしめたい
B. ジス・ボーイ |
A. I Want To Hold Your Hand
B. This Boy |
1 |
1964年3月20日 | A. キャント・バイ・ミー・ラヴ
B. ユー・キャント・ドゥ・ザット |
A. Can't Buy Me Love
B. You Can't Do That |
1 |
1964年7月10日 | A. ア・ハード・デイズ・ナイト
B. 今日の誓い |
A. A Hard Day's Night
B. Things We Said Today |
1 |
1964年11月27日 | A. アイ・フィール・ファイン
B. シーズ・ア・ウーマン |
A. I Feel Fine
B. She's a Woman |
1 |
1965年4月9日 | A. 涙の乗車券
B. イエス・イット・イズ |
A. Ticket to Ride
B. Yes It Is |
1 |
1965年7月23日 | A. ヘルプ!
B. アイム・ダウン |
A. Help!
B. I'm Down |
1 |
1965年12月3日 | A. デイ・トリッパー
A. 恋を抱きしめよう (両A面) |
A. Day Tripper
A. We Can Work It Out |
1 |
1966年6月10日 | A. ペイパーバック・ライター
B. レイン |
A. Paperback Writer
B. Rain |
1 |
1966年8月5日 | A. イエロー・サブマリン
A. エリナー・リグビー (両A面) |
A. Yellow Submarine
A. Eleanor Rigby |
1 |
1967年2月17日 | A. ストロベリー・フィールズ・フォーエバー
A. ペニー・レイン (両A面) |
A. Strawberry Fields Forever
A. Penny Lane |
2 |
1967年7月7日 | A. 愛こそはすべて
B. ベイビー・ユーアー・ア・リッチ・マン |
A. All You Need Is Love
B. Baby, You're a Rich Man |
1 |
1967年11月24日 | A. ハロー・グッドバイ
B. アイ・アム・ザ・ウォルラス |
A. Hello, Goodbye
B. I Am the Walrus |
1 |
1968年3月15日 | A. レディ・マドンナ
B. ジ・インナー・ライト |
A. Lady Madonna
B. The Inner Light |
1 |
1968年8月30日 | A. ヘイ・ジュード
B. レボリューション |
A. Hey Jude
B. Revolution |
1 |
1969年4月11日 | A. ゲット・バック
B. ドント・レット・ミー・ダウン |
A. Get Back
B. Don't Let Me Down |
1 |
1969年5月30日 | A. ジョンとヨーコのバラード
B. オールド・ブラウン・シュー |
A. The Ballad of John and Yoko
B. Old Brown Shoe |
1 |
1969年10月31日 | A. サムシング
A. カム・トゥゲザー (両A面) |
A. Something
A. Come Together |
4 |
1970年3月6日 | A. レット・イット・ビー
B. ユー・ノウ・マイ・ネーム |
A. Let It Be
B. You Know My Name |
2 |