ビットコイン
ビットコイン(英: Bitcoin)は、中央銀行や単一の管理者を持たない分散型のデジタル通貨である。仲介者を必要とせずにPeer to Peerでビットコインネットワーク上でユーザーからユーザーへとビットコインを送信することで取引ができる。取引はネットワークノード によって検証され、ビットコインのすべての取引履歴がブロックチェーン (blockchain) と呼ばれる台帳に分散的に記録される。
2008年にサトシ・ナカモトと名乗る人物またはグループによってビットコインが発明され、その実装がオープンソースソフトウェアとして公開され、2009年に使用が開始された。
技術と仕組み[編集]
通貨単位[編集]
ビットコインの通貨単位は、「bitcoin(ビットコイン)」である。2014年現在、ビットコインを表わす記号にはBTC、XBT、₿がある。
補助単位としては、「mBTC(ミリ・ビットコイン)」「µBTC(マイクロ・ビットコイン)」「bits (ビット)」「satoshi(またはSatoshi。読みはサトシ)」などが存在する。satoshiはビットコインの作者であるサトシ・ナカモトを記念してつけられたビットコインの最小単位で、1億分の1ビットコインにあたる。Bitsは100万分の1ビットコインでμBTCと等しく、ビットと呼ばれる(英語表記ではbitsと複数形となる)。
また、頭文字の大小による意味の違いがあり、大文字表記 (Bitcoin) はプロトコルと取引ネットワークを、小文字 (bitcoin) は通貨自体を指す。
2014年10月7日、ビットコイン財団は、ビットコイン用のISO 4217通貨コードを申し込む計画を明らかにし、BTCまたはXBTが主候補であるとした。
2015年に、ビットコインの記号「₿」をUnicode(U+20BF)に追加することが承認された。
ウォレット[編集]
ビットコインにおけるウォレット(口座/保管場所)とは、秘密鍵を持つビットコインアドレス (address/口座番号) をまとめたものであり、機能として秘密鍵や公開鍵の作成やビットコインの送受信などである。
取引所が提供するウォレットとは異なり、取引所以外のウォレットはウォレット機能が独立している。
ウォレットの作成方法として、以下のようにランダムウォレットとHDウォレットがある。
- ランダムウォレット
- ランダムウォレット(非決定性ウォレット)とは、秘密鍵と公開鍵のペアを個別に管理するものである。秘密鍵は似乱数生成器を用いてランダムに作成され、次に秘密鍵とsecp256k1と呼ばれる楕円曲線に基づいたECDSAアルゴリズムを用いて「公開鍵」が作られ、その公開鍵を暗号学的ハッシュ関数SHA256に通した後にRIPEMD160を通すことで「公開鍵ハッシュ」が作られ、最後に公開鍵ハッシュをBase58Checkに通すことで「ビットコインアドレス」が作られる。
- HDウォレット
- HDウォレット(階層的決定性ウォレット)とは、1つのシードから多数の秘密鍵を作成したウォレットであり、シードをバックアップすると、すべての鍵ペアを復元できる。また、シードはBIP39で定義されているニーモニックコードと呼ばれる単語の列に変換することで、バックアップを用意にすることができる。シードは乱数生成器から作成され、シードを暗号学的ハッシュ関数HMAC-SHA-512に通すことでマスター鍵となる秘密鍵が作られる。その秘密鍵を拡張秘密鍵といい、暗号学的ハッシュ関数HMAC-SHA-512と一緒に用いることで子となる拡張秘密鍵が作られる。
仮想通貨ウォレットには「ホットウォレット」と「コールドウォレット」があり、各ウォレットはさらに細かく分かれている。「ホットウォレット」と「コールドウォレット」の大きな違いはインターネットへの接続の有無と利便性である。
- ホットウォレット
- ホットウォレットとはウォレットの秘密鍵がインターネットに接続されている状態にあるウォレットである。代表的に、以下の3つがある。
- ウェブウォレット
- モバイルウォレット
- デスクトップウォレット
ウェブウォレットとは、利用者に代わってウォレットを管理するウェブサービスのウォレットのことである。端末の種類にかかわらず利用できるので利便性は高いが、セキュリティ面はサービス提供機関に任せることになる。
また、Windows、MacOS、iOS、Androidなどのオペレーティングシステム上で動作するソフトウェアのウォレットをソフトウェアウォレット(クライアントウォレット)という。デスクトップPCにソフトウェアをインストールする場合はデスクトップウォレットといい、モバイル端末にインストールする場合はモバイルウォレットという。