バンクーバー (ブリティッシュコロンビア州)
バンクーバー(英語: Vancouver)は、カナダブリティッシュコロンビア州南西部のメトロバンクーバーに属する都市。同州最大にして北米有数の世界都市。
ヴァンクーヴァーと表記されることもある。
概要[編集]
バンクーバーを中心とする都市圏人口は246万人とカナダ国内第3位の都市圏を形成している。バンクーバー市のみの人口では同国内で第8位の約64万人である。民族や言語が多様で、人口のおよそ52%は第一言語が同州の公用語にあたる英語ではない。2016年に発表された「世界の都市総合力ランキング」では、世界28位と評価された。
1867年に製材所ができ、これらを中心とする入植地であったギャスタウンは発展を続け、グランビルとして町は拡大した。東カナダから続く鉄道の終着駅が町まで敷かれることになった1886年に町はバンクーバーとして改名され市政となる。
林業が同市最大の産業で、都市部ながら自然に囲まれた都市として知られていることから、観光業が発達しており、同市第2の産業となっている。同市にあるメトロバンクーバー港は同国最大の港であり、北米においても積載量で第4位の規模を持つ。同市および隣のバーナビー市には、主要な各映画製作会社が拠点を置いており、ロサンゼルス、ニューヨークに続く北米第3位の規模となる映画製作拠点となっている。このため、通称ハリウッドノースとも呼ばれる。国際会議や国際競技が数多く開催されており、2010年には第21回冬季オリンピック(バンクーバーオリンピック)が開催された。
地名[編集]
バンクーバーの地名は18世紀後半、カナダ西海岸地域の測量を行ったイギリスの探検家、ジョージ・バンクーバーに由来する。旧訳漢字表記「晩香坡」。
地理[編集]
バンクーバーはブリティッシュコロンビア州の南西部、フレーザー川の河口に位置する。ジョージア海峡を挟んでバンクーバー島と向かい合っている。
周辺の20あまりの自治体と併せて州の地方行政区としてのメトロバンクーバーを形成している。
リッチモンド、バーナビー、バラード入り江を挟んでノースバンクーバー、イングリッシュベイを挟んでウェストバンクーバーに隣接している。
気候[編集]
バンクーバーはカナダ国内で最も温暖な気候を持つ都市の1つである。ケッペンの気候区分では西岸海洋性気候(Cfb)に属する。夏は涼しく30度以上の真夏日になることはほぼ無く、乾燥していて過ごしやすい。日中を通して晴れる日が多い夏とは対照的に、11月から3月は急激に降水量が増えるが緯度の割に寒くない。特に太平洋沿岸に位置するバンクーバーは、レインクーバーと呼ばれるほどカナダで最も降水量の多い都市の一つである。同じく太平洋沿岸のリッチモンドにあるバンクーバー国際空港の観測データによると、年間降水量は1175.1mmに達する。冬季はカナダで最も温暖な気候で、最も寒い12月の平均気温は3.9℃。これまで観測された最高気温は2009年7月30日の34.4℃、最低気温は1968年12月29日の-17.8℃である。
人口[編集]
2016年の人口調査によるとバンクーバー市の人口は631,486人。バンクーバー都市圏の人口は246万3431人でカナダではトロント、モントリオールに次ぐ第三の都市圏規模を持っている。