バイエルン州
バイエルン自由州(バイエルンじゆうしゅう、標準ドイツ語・バイエルン語:Freistaat Bayern)は、ドイツ連邦共和国の連邦州のひとつで、ドイツの南部に位置する。日本語では通常バイエルン州と呼称される。州都はミュンヘンである。
BMWとアウディの本社がある。また、農業機械銀行の発祥地である。
2017-12-31時点人口:1,299万人
州名[編集]
正式名称は「バイエルン自由州」、「バイエルン自由国」。“Bayern”は現代ドイツ語での発音は「バイアン」[baiɐn] (https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/2/21/Speaker_Icon.svg/13px-Speaker_Icon.svg.png 音声ファイル)、現地のバイエルン・オーストリア語では「バイヤン」に近い。ただ、堅い文などでは、「r」を母音化させない昔ながらの舞台ドイツ語発音で「バイエルン」['baɪərn]と発音される事もある。
英語で「Bavaria」(バヴェアリア)、ラテン語では「Bavaria」(バウァリア)、イタリア語では「Baviera」(バヴィエーラ)、スペイン語では「Baviera」(バビエラ)と呼ばれる。なお、菓子の名称となっているバヴァロワ(bavarois)は「バイエルンの」という意味のフランス語の形容詞であり、「バイエルン」という地名そのもののフランス語形は「Bavière」(バヴィエール)である。
地理[編集]
ドイツでは最大の面積を有する州であり、スイス、チェコおよびオーストリアとの国境に位置する。南部はアルプス山脈(北部石灰岩アルプス(英語版))の山岳地帯となっており、夏は避暑、冬はスキーと多くの観光客が訪れる。
チェコのシュマヴァ国立公園(英語版)に隣接する東部の森林地帯にバイエルンの森国立公園(英語版)とバイエルンの森自然公園(英語版)があり、主な樹種はオウシュウトウヒで、ヨーロッパブナ、ヨーロッパモミ、スズメノヤリ、クルマバソウなどの植物も生えている。一帯は1981年に「バイエルンの森生物圏保護区(ドイツ語版)」としてユネスコの生物圏保護区に指定されたが、地元住民の不評により2007年に登録が解除となった。
現在のバイエルン州の領域は、ヴュルツブルクなどを中心とするフランケン地方、アウクスブルクを中心とするシュヴァーベン地方東部(バイエリッシュ・シュヴァーベン (Bayerisch-Schwaben) を含む。州内の7行政地区のなかでオーバーバイエルン地区、ニーダーバイエルン地区、オーバープファルツ地区を合わせた南部地域が、アルトバイエルン(古バイエルン、Altbayern)と呼ばれる歴史的に見た狭義のバイエルン地方である。バイエルン王国の時代からの領土のうち飛び地だったプファルツ地方は、1946年に周辺地域と統合されてラインラント=プファルツ州の一部となった。
歴史[編集]
10世紀に神聖ローマ帝国によってバイエルン大公国(公国)が設けられて以後、帝国の滅亡までバイエルンは南ドイツの主要な領邦、さらに選帝侯領として影響力を保持し、帝国の滅亡後に近隣の領邦を併合してバイエルン王国が成立した。1872年のドイツ帝国成立後も、バイエルン王国は帝国の傘下で存続し続けた。現在のドイツ連邦共和国の連邦州としてのバイエルン州も、ほぼ旧バイエルン王国の領域を継承している。
バイエルンは12世紀以降、ドイツ革命で王制が廃止されるまで、ヴィッテルスバッハ家によって治められた。リヒャルト・ワーグナーを庇護し「狂王」と呼ばれたルートヴィヒ2世や、オーストリア皇帝フランツ・ヨーゼフ1世の皇后で「バイエルンの薔薇」と呼ばれたエリーザベトはヴィッテルスバッハ家の一員である。