ハドソン川
ハドソン川(ハドソンがわ、英: Hudson River)は、アメリカ合衆国の主にニューヨーク州を流れ、大西洋に注ぐ川である。河口付近ではニューヨーク州とニュージャージー州との境界になっている。ヨーロッパ人で最初にこの川を発見したのはイタリア人のジョバンニ・ダ・ヴェラッツァーノで、1524年のことである。名前は1609年にこの川の探検を行ったヘンリー・ハドソンに由来する。
名前[編集]
ヨーロッパ人が発見する以前は、この川はイロコイ族によってMuh-he-kun-ne-tuk (Great Mohegan) 、レナペ族によってMuhheakantuck(二又に流れる川)と呼ばれていた。
オランダ人が発見以前はスペイン語でRio de Montaigneと呼ばれていたのを、オランダ語でNoortrivier(North River)と一般に呼ぶようになった。対するデラウェア川はZuidrivier(South River)と呼ばれた。他にも、Manhattes rieviere(Manhattan River)、Groote Rivier(Great River)、およびde grootte Mouritse reviere(the Great Mouritse River、Mouritseはオランダの苗字)といった名前で呼ばれることがあった。英語に翻訳されたNorth Riverという名前は1900年代初期にニューヨーク都市圏において使われたが、現在ではそれほど用いられてはいない。
1939年に『LIFE』誌はヨーロッパのライン川に例え、この川を"アメリカのライン川"と呼んだ。
地理[編集]
ハドソン川の公式の水源はアディロンダック山地の「雲の涙湖」(Lake Tear of the Clouds、標高1,317m地点)である。オールバニー付近で西からのモホーク川を合わせ、南に流れてスタテンアイランドとロングアイランドとの間でニューヨーク港を形成するニューヨーク湾に注ぐ。ニューヨーク市を流れるハドソン川はオランダ人がここを「北の川」、デラウェア川を「南の川」と呼んだので、今も「ノース・リバー」を冠した固有名詞がいくつか残っている。ニューヨーク州トロイにあるフェデラル・ダムの堰より北をアッパー・ハドソン川、南をロウアー・ハドソン川と呼ぶ。
ハドソン川は、かなりの部分が航行可能である。1825年12月26日にハドソン川とエリー湖とをつなぐエリー運河が完成し、五大湖周辺とヨーロッパ間が大西洋経由で繋がった。
ハドソン川は時に「溺れた川」("drowned" river)と呼ばれる。ウィスコンシン氷河(en)の後退によって海水面が上昇したことで、海水浸食を引き起こし、海岸の平野は水没した。