ネズミ
ネズミ(鼠)は、哺乳類ネズミ目(齧歯目)の数科の総称である。ハツカネズミ、ドブネズミ(ペットとしてはファンシーラット)など、1300種あるいは1065-1800種が含まれ、一大グループを形成している。英語では大型のものを「Rat」、小型のものを「Mouse」と呼ぶ。
形態および生態[編集]
ネズミのほとんどが夜行性である。また、ネズミの前歯は一生伸び続けるというげっ歯類の特徴を持っているため、常に何か硬いものを(必ずしも食物としてではなく)かじって前歯をすり減らす習性がある。硬いものをかじらないまま放置しておくと、伸びた前歯が口をふさぐ形になり食べ物が口に入らなくなってしまい餓死してしまう。
世界中のほとんどあらゆる場所に生息している。ネズミ上科のほとんどの種が、丸い耳、とがった鼻先、長い尻尾といった、よく似た外観上の特徴をもち、外観から種を見分けることは難しい。このため、頭骨や歯によって識別がなされている。
繁殖力が旺盛である。ハツカネズミなどのネズミは一度の出産で6-8匹生むことが出来、わずか3-4週間程度で性成熟し子供が産めるようになる。
分類[編集]
古い分類では、ネズミ亜目の総称とされていた。ただし、ネズミ亜目の分類は当時から変化し、現在のネズミ亜目はかなり異なる。あるいは狭義にはネズミ上科、さらに狭義にはネズミ科の総称ともされる。
旧ネズミ亜目[編集]
広義に取った場合、古い分類でネズミ目ネズミ亜目に分類されていた3上科9科が含まれる。これは現在の分類では、ネズミ亜目の2上科8科とリス亜目の1科に分類される(いずれも、科数は分類により若干増減する)。
- ネズミ亜目 Myomorpha の一部
- ネズミ下目 Hystricomorpha(狭義のネズミ亜目 Myomorpha)
- ネズミ上科 Muroidea
- ネズミ科 Muridae - クマネズミ、ドブネズミ(ファンシーラット)、ハツカネズミ、アカネズミ、アレチネズミ、スナネズミ など
- アシナガマウス科 Nesomyidae - アフリカオニネズミ など
- キヌゲネズミ科 Cricetidae - キヌゲネズミ、ハムスター、ミズハタネズミ、ハタネズミ など
- メクラネズミ科 Spalacidae - メクラネズミ、タケネズミ など
- ヨルマウス科 Calomyscidae
- トビネズミ上科 Dipodoidea
- トビネズミ科 Dipodidae - トビネズミ、トビハツカネズミ、オナガネズミ
- ネズミ上科 Muroidea
- ネズミ下目 Hystricomorpha(狭義のネズミ亜目 Myomorpha)
- リス亜目 Sciuromorpha の一部
- ヤマネ下目 Glirimorpha
- ヤマネ上科 Gliroidea
- ヤマネ科 Gliridae - ヤマネ、トゲヤマネ、サバクヤマネ
- ヤマネ上科 Gliroidea
- ヤマネ下目 Glirimorpha
現在のネズミ亜目には、以前はリス亜目に分類されていた、ホリネズミ科・ポケットマウス科・ビーバー科・ウロコオリス科・トビウサギ科も含まれるが、これらは通常、ネズミとされない。
ヤマネ科は、古い分類ではネズミ亜目とされ、ネムリネズミの異名もあり、ネズミに含められてきた。しかし、現在の分類ではリス亜目であり、標準和名に「ネズミ」が入ってないことも相まって、ネズミとしないことも多い。