ニンジン
ニンジン(人参、学名: Daucus carota subsp. sativus)は中央アジア原産のセリ科ニンジン属の二年草。畑で栽培し、多肉質の根は食用にされる。
名称[編集]
別名を、ナニンジン、セリニンジンともいう。
属名 Daucus、種小名 carota はラテン語でそれぞれ「パースニップ」、「ニンジン」の意。英名キャロットの名は種小名に由来する。
なお、本来、ニンジン(人参)とはオタネニンジン(朝鮮人参)を指す語であり、本種は本来は胡蘿蔔(こらふ・こらふく)と呼ばれた外来野菜であった。現在でも中国では胡蘿蔔と記述している。ちなみに「蘿蔔」とは「すずしろ」(ダイコンの異名)のことであり、「胡」は外来であることを示している。
特徴[編集]
東洋系ニンジンと西洋系ニンジンに大きく分けられ、東洋系は細長く、西洋系は太く短いが、ともに古くから薬や食用としての栽培が行われてきた。クセのある香りがあり、加熱すると甘味が出る。
食用とする根は長い倒円錐形で、ふつう長さは15 - 20センチメートル (cm) であるが、中には4 cmほどの短いものや、1メートル (m) を超す長い品種もある。根の色は橙色のほか、赤色、黄色などの種類がある。カロテノイドを含む黄色や橙色のものや、黒人参などアントシアニンを含む濃紫色や紅紫色のものがある。春から秋に大型の複散形花序を出して、多数の小さな白い5弁花を咲かせる。果実は細長い楕円形で、表面を覆うように鋭いトゲが多数つく。
なお、一般に薬草として用いられているオタネニンジン(朝鮮人参・高麗人参とも)はウコギ科の植物であり、本種とは別の科に分類される。