ニュースウオッチ9
『ニュースウオッチ9』(読み:ニュースウォッチナイン、英語:NEWS WATCH 9)は、NHK総合テレビジョンで月曜日から金曜日の21時台(JST)に生放送されている報道番組。略称は“ウオッチ9”、“NW9”。
概要[編集]
『NHKニュース10』が2000年3月からスタートしたことに伴い、1993年4月から放送されていた『NHKニュース9』の放送時間はそれまでの30分から15分に縮小しストレートニュースの形式になったが、2006年3月でその『NHKニュース10』が終了することになり、6年ぶりの平日21時台の大型報道番組として2006年4月3日からスタートした。21時台の1時間の報道番組としては、1993年3月まで放送されていた『NHKニュース21』以来13年ぶりとなる。
当初のキャッチコピーは「ただいま、夜9時、ニュースです。」。これは、13年ぶりに1時間枠の報道番組が復活したことと、21時台の帰宅の時間に合わせてニュースを放送する、という意味となっている。
番組開始にあたり、『NHKニュース10』の流れを引き継いで次の4つを重点に置き、その日一日の日本と世界で起こった様々な出来事を的確に伝えていく事を目指している。
- 視聴者が納得できるニュース
- 本音で伝えていくニュース
- 国際的視野のあるニュース
- キャンペーンニュース
『NHKニュース9』と同様、リアルタイム字幕放送を実施している。また副音声では、『NHKニュース7』と同様に英語同時通訳による2か国語放送も実施している。
開始当初のメインキャスターはNHK解説委員の柳澤秀夫とNHKアナウンサーの伊東敏恵。スポーツキャスターは同じくNHKアナウンサー(いずれも担当当時)の青山祐子、気象情報は気象予報士の平井信行が務めた。2006年7月から視聴者の要望によりオープニングCGが廃止されたのと同時に気象情報BGMも変更。番組として改めて再スタートを切ることとなった。2007年10月、柳澤が急病のため、番組を降板。ピンチヒッターとして藤澤秀敏が半年間、伊藤敏恵と共に番組進行を続けた。
2008年度にメインキャスターが交代。新たなキャスターは社会部出身の田口五朗とそれまでスポーツキャスターだった青山、スポーツキャスターは一柳亜矢子が担当。
2010年度からは政治部記者の大越健介がメインキャスターに就任。番組内ではニュースのまとめとして政治色を絡めつつ大越自身の意見を述べると言う、歴代のNHKニュースでは異例のスタイルとなり度々話題を呼んだ。
2010年7月5日から、NTSC(アナログ放送、NHKワールド・プレミアム)もレターボックス16:9での生放送となる(7月2日までは4:3コンバート)。
2011年度、井上あさひがメインキャスターに就任。同時に出演者の半数が入れ替わり、番組開始以来初のロゴ変更とキャッチコピー変更、そしてスタジオセットのリニューアルを実施した。当初は3月28日からの予定だったが、東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)により3月12日から暫く土曜も放送を行ったことなどもあり、キャスター交代は一週間遅れの4月4日から、セットやタイトルロゴのリニューアルは2ヶ月以上先送りの5月23日からとなった。
2015年度より、キャスターを一新。新たな顔触れはアメリカ、中東・アフリカと15年以上もの海外特派員歴を持ち、2011年度から1年間BSの国際報道番組ワールドWaveトゥナイトのアンカーを務めるなど長年の国際経験が豊富な河野憲治と、2010年から朝のNHKニュースおはよう日本のキャスターを担当していた鈴木奈穂子、スポーツには2013年からフィールドキャスターを務めていた佐々木彩が就任。
2016年度から2021年度まで、火曜日 - 木曜日(※月曜日は2018年度まで)では終了後はステブレレスで後続の『クローズアップ現代+』へ接続することから、終了時のテロップが「つづいて クロ現+◯◯◯(今日の内容)」となっていた。
2017年度、前年から『ニュースチェック11』にてメインキャスターを務めていた有馬嘉男と桑子真帆がメインキャスターに就任。そのため、2人の掛け合いテイストが継続されている。また、他のニュース番組のメインキャスターからの2人同時異動は、番組初であった。一方、スポーツ担当は番組開始以来初の男性アナウンサー一橋忠之を起用。
2020年3月2日から、NHKプラスで同時ネット配信と見逃し配信を開始した。
2020年度、『NHKニュースおはよう日本』メインキャスターの和久田麻由子と当番組の桑子がトレードするかたちで、桑子は『おはよう日本』に異動。桑子の後任として和久田が当番組を担当する。その他のキャスターは全員続投。なお、当初は、桑子の降板と同時に有馬も降板する予定だったが、和久田を育てて欲しいと制作側の意向により、有馬は続投となった。また、それまで同時間帯に放送された『ニュースセンター9時』の放送年数である14年を超え、NHK総合テレビ平日夜の大型ニュース枠で歴代最長となった。
2021年3月26日で有馬が退任、後任に元ワシントン支局長の田中正良が就任。
2022年4月改編で、同年4月2日より土曜日にも大型ニュース枠を新設。後続の22時枠で放送されている『サタデースポーツ』と統合し、タイトルも『サタデーウオッチ9』として1時間枠での放送となる。併せて、平日版もリニューアルを実施。メインキャスターは、前年度から引き続き田中が担当する一方で、和久田が第一子妊娠のため降板し、後任に、青井実と山内泉が就任した。これにより、『ニュースセンター9時』後期(木村太郎・宮崎緑時代)から一時期を除いて、男女2人体制を維持してきたが、今回のリニューアルで、記者1人、アナウンサー2人の計3人体制となった。
2023年4月改編で、1年間メインキャスターを務めた山内が『NHKニュース7』へ異動のため降板。後任として『ニュース7』から異動となる林田理沙が就任する。田中・青井は続投。しかし、2024年1月に青井がNHKを退職しフリーアナウンサーへの転向を検討していると報道されたことから、青井が同年1月17日放送をもって、本人からの申し出により事実上降板した。
祝日の放送に関して[編集]
番組開始当初はNHKのテレビ放送におけるワイドニュース番組では唯一、平日・祝日制度を採用していなかったため、2017年度までは年末年始やオリンピック、サッカー・FIFAワールドカップなどの国際的なスポーツ中継以外で放送休止となることはほとんど無かった。しかし、2018年度よりこれを改め、元日を除く平日と重なる祝日では以下のいずれかの対応を取るようになった。
- 放送休止(2020年度を最後に事実上廃止状態)
- 特別版『ニュースウオッチ9 ホリデー』として放送(事実上形骸化)
- タイトル・放送時間等通常通りで放送
- 放送時間を変更・短縮して放送
上記1の対応を取る場合は、20:45 - 20:55に代替の全国向け定時ニュースを放送する。
ただし上記2の『ニュースウオッチ9 ホリデー』は2018年度当初「年間6回放送」としていたものの、実際にこのタイトルが用いられたのは同年5月4日の1回のみで、以降は祝日企画がある場合でも上記2以外の対応となっている。
2021年11月23日(勤労感謝の日)は上記3の対応だったが、特別版として放送し、以下の点が通常と異なっていた。
- ロゴマークやテロップにピンク色を使用。
- キャスター陣のうち田中が休演する一方、マーケティングライターの牛窪恵をゲストに迎え、通常通り出演した和久田と共に進行。
- 通常のニュースやスポーツ、気象情報に加えて、「変わる働き方」や「副業」をテーマにした特集や地域の話題などを中心に放送。
また、上記1の場合でも、当日、緊急性の高いニュースが発生した場合には急遽放送を決めるケースがある。
- 2018年7月16日(海の日) - 同月6日から7日にかけてした平成30年7月豪雨(西日本豪雨)の被害状況の続報を報じるため、上記3の対応を取った。
- 2019年10月14日(体育の日) - 2日前に日本列島に接近・上陸した令和元年東日本台風(台風19号)の被害状況を報じるため21:00 - 21:40の枠で放送。
- 2020年2月11日(建国記念の日) - 新型コロナウイルス感染拡大やアメリカ大統領選挙、野村克也死去のニュースを中心に21:00 - 21:43の枠で放送。
- 2020年2月24日(天皇誕生日の振替休日) - 前述の新型コロナウイルス関連報道のため上記3の対応を取った。
- 2020年4月29日(昭和の日)・5月4日(みどりの日)-上記3の対応を取った。
- 2020年5月5日(こどもの日)・5月6日(振替休日) - 前述の新型コロナウイルス関連報道のため、21:00 - 21:50の枠で放送。
- 2020年11月3日(文化の日) - アメリカ大統領選関連報道のため、上記3の対応を取った。
- 2021年1月11日(成人の日)、同年2月11日(建国記念の日)、同年2月23日(天皇誕生日) - 新型コロナウイルス関連の緊急事態宣言に伴う続報のため、21:00 - 21:30の枠で放送。
- 2021年4月29日(昭和の日)・5月3日(憲法記念日) - 5月5日(みどりの日) - 新型コロナウイルス関連報道のため上記3の対応を取った。
- 2021年7月22日(海の日) - 新型コロナウイルス関連や4連休に伴う各地の混雑状況を報じるため。なお、当日は東京オリンピック男子サッカー予選中継が放送されたため、メインチャンネルで通常より1時間繰り下げの22:00 - 22:30に放送。
- 2022年9月23日(秋分の日)以降の祝日は、21:00 - 21:30の枠で放送に短縮。
- 2023年3月21日(春分の日)- 岸田首相がウクライナ訪問関連報道のため、21:00 - 21:45の枠で放送。
- 2023年度は5月4日(みどりの日)、翌2024年1月8日(成人の日)は前週元日に発生した令和6年能登半島地震関連報道のため通常放送を行った。2月23日(天皇誕生日)も通常放送を行う。短縮版は5月5日(こどもの日)は当日発生した能登群発地震関連報道のため、21:00 - 21:45の枠で放送。
2020年の新型コロナウイルス流行以後、祝日での放送を徐々に増やし、2021年度は原則祝日でも通常放送(上記の3の項目。よって2017年度までと同じ要領で平日・祝日の分け隔て無しの放送が戻った形である)を行う事が多く、メインキャスターの和久田が休演し、リポーターの星が代役としてメインキャスターを務めていた(但し11月23日の放送は前述の通り和久田が出演した)。2022年度以降は新型コロナウイルス関連報道が徐々に減少するようになってからは、上記の4の項目にあたる21:00 - 21:30の短縮版を放送することが多くなっている。
番組キャッチコピー[編集]
- 2006年度 ・ 2007年度:「ただいま、夜9時、ニュースです。」
- 2008年度 ・ 2009年度:「よる9時の本音。」
- 2010年度 - 2011年5月20日:「あすに、つながる。」
- 2011年5月23日 - 2015年度:「そのニュース、核心はどこだ。」
- 2016年度:「きょうがわかる、明日が見える。」
- 2017年度 - 2019年度:「そもそも、を知りたい。わかったふりはしない。」
- 2020年度:「あなたの"わかりたい"にこたえたい」
- 2021年度:「明日のために、今日をよむ。」
- 2022年度:「ニュースも、角度を変えると発見がある。」
- 2023年度:「伝える。深く、ひたむきに。」
現在の出演者[編集]
特記なしは協会本部メディア総局アナウンス室所属アナウンサー。
メインキャスター[編集]
- 田中正良(報道局所属記者)(2021年3月29日 - 2024年3月29日)〈予定〉
- 林田理沙(2023年4月3日 - 2024年3月29日)〈予定〉
気象情報[編集]
- 斉田季実治(2016年3月28日 - )
- 久保井朝美(2023年度から祝日担当)
フィールドリポーター[編集]
- 藤重博貴(2022年4月4日 - 2024年3月29日)〈予定〉
- 矢崎智之(2022年10月3日 - )
- 畠山衣美(2023年4月3日 - )
- 豊島実季(2022年4月4日 - 2024年3月29日)〈予定〉
- 及川佑子(記者)(2023年6月 - )
スポーツコーナー[編集]
- 吉岡真央(2023年4月3日 - )
ニュースリーダー・ナレーション[編集]
- 小澤康喬(2020年3月30日 - 2024年3月:隔週月 - 木曜日/金曜日)〈予定〉※23時30分のニュース・気象情報も兼務。
- 2010年 - 2012年度はフィールドリポーターを務めた。
- 利根川真也(2022年4月4日 - :隔週月 - 木曜日/金曜日)※23時30分のニュース・気象情報も兼務。
- 深川仁志(2023年4月17日 - 2024年3月:隔週月 - 木曜日/金曜日)〈予定〉※23時30分のニュース・気象情報も兼務。
- 2019年度 - 2020年度はフィールドリポーターを務めた。
- 江原啓一郎(2023年4月10日 - 2024年3月:隔週月 - 木曜日/金曜日)※23時30分のニュース・気象情報も兼務。〈予定〉
- 細谷翠(2021年4月 - )
- 福永美春(2021年秋頃 - )
- スポーツコーナーナレーション
- 八塚浩
今後の出演予定者[編集]
- いずれも2024年4月1日から
- メインキャスター:広内仁(記者)、佐藤真莉子(記者)、星麻琴
- フィールドリポーター:菅谷鈴夏(NHK盛岡放送局から赴任)、竹野大輝(NHK佐賀放送局から赴任)
- ニュースリーダー:角谷直也、片山智彦、八田知大(週替わり)