ダイエット
ダイエット(英語: diet)とは、食事の量を制限したり、運動や身体活動を増やしたりして減量すること。 英語のdietは日常的な食事・食べ物を意味するが、日本では食事療法に加えて運動実践を行なうことで、痩せた身体を目的とする「痩身」と同義に使われる。
極端に食事量を制限したり、特定の食品のみを摂取する偏ったダイエットは一時的な体重減少は期待できるが、必須栄養素が不足することにより健康を損なうリスクがある。
日本における肥満と痩せの状況[編集]
2019年調査によれば、肥満者(BMI25以上)の割合は男性で増加傾向にあり、年齢別では40~50歳代男性で最も大きく約4割を占める。女性においては60歳代において約3割が肥満者であり割合が最も大きい。BMI30以上の者の割合は男女ともに40歳代でもっとも大きい。食生活と身体活動の改善する公衆衛生的介入をより一層強化することが重要視されている。 20歳代は男女ともに肥満者の割合が最も小さい。
一方、若年女性においてはやせ礼賛文化から痩せすぎや極端なダイエットによる栄養不足などが問題視されている。摂食障害は一度診断基準を満たすほど重篤化すると慢性化しやすく治療が難しいことから、予防的介入が試みられている。
語源[編集]
古代ギリシア語「δίαιτα」を起源とし、その意味は「生活習慣」「生き方」、「住まい」「食事療法」。この単語は、「diaitasthai」(「生きる、暮らす、人生を歩む」)、「diaitan」(「食べ物と飲み物を分けて選ぶ」)に由来する(「dia」は「離れる」、「ainysthai」は「手に取る」)。このギリシア語「δίαιτα」がラテン語の「diaeta」、そこから「日々の仕事、賃金、毎日食べるもの」を意味する中世ラテン語「dieta」として使われるようになる。12世紀のころには「規則的に食べるもの」を意味する言葉として使われ、13世紀ごろの古フランス語「diète」(「食べ物、料理」「規定食」の意)を経て、英語に輸入された。この単語が英語に初めて登場したのも13世紀である。
14世紀後半以降になると、「摂取量と効果を考慮した食べ物」「医師の指示や医学上の理由に基づく食事療法」「特定の食べ物の摂取を制限する」「健康を守るために自身の食事を制限する」という意味で使われていた。「肥満を防ぐために食べ物(の種類)を制限する」という意味で使われるようになったのは1650年代からである。中世英語(12世紀から15世紀末まで)のころには「生き方」「生活習慣」を意味する言葉として使われており、これがこの単語の本来の意味である。
この単語に(デンマーク・スウェーデン・スイス・ハンガリー・日本における)「国会」「議会」(「the Diet」と、定冠詞が付く(「国会議事堂」の英語表記は「The Diet Building」である)という意味があるのは、「日々の勤め」「賃金」「議員による会議・会合」を意味するラテン語「dieta」に由来しており、「立法、政治のために開催される議会」「何らかの目的で開催される集会」も意味する。これはラテン語 の「dies」(「日」の意)の派生語として扱われていたが、いずれもその語源は同じギリシア語「δίαιτα」に行き着く。
1600年以降、イングランドとフランスの作家が、「ドイツとオーストリアにおける立法議会」を意味する言葉としてこの単語を使うようになった。