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スズキ・ソリオ

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ソリオSOLIO)は、スズキが製造・販売するAセグメント級小型ハイトワゴン。

本項ではソリオの前身ブランドにあたるワゴンRワイドWAGON R WIDE)、ワゴンR+(プラス、WAGON R +)、ワゴンRソリオWAGON R SOLIO)についても記述する。

概要[編集]

1997年に、軽トールワゴン「ワゴンR」のボディパネルを流用しつつ、全長・全幅をひと回り拡大し1.0Lエンジンを搭載した小型乗用車登録のコンパクトカーとして「ワゴンRワイド」の販売を開始。1999年のフルモデルチェンジ時に「ワゴンR+(プラス)」に名称変更し、さらに2000年12月の改良時に名称を「ワゴンRソリオ」に変更、「ソリオ」というネーミングを初めて採用。その後、2005年8月の改良時に「ワゴンR」の名が取れ、単に「ソリオ」という名称に再度変更している。また、2000年9月にはゼネラルモーターズにOEM供給を実施。「シボレー・MW」として販売された。

2010年12月に発売された(ソリオとしての)2代目はスライドドアを含めたサイドドア4枚をパレットから流用(前ドアサッシは異なる)するものの、内外装の殆どが新規設計となり、メカニズムを3代目スイフトと共用したことで、商品性を向上。更に全高がルーフレール無しで1,700mm以上に達したため、トールワゴンからハイトワゴンへと路線変更がなされた。その後、歴代ソリオで初の派生モデル「ソリオ バンディット(SOLIO BANDIT)」が追加された。また、2011年より三菱自動車工業へのOEM供給が開始され、「デリカD:2」として販売が行われた。

2015年8月に発売された3代目は、ガソリン車に加え歴代初となるマイルドハイブリッド車を新設。2016年11月にはハイブリッド車も追加され、3種類のパワートレインが選択できるようになった。

スズキ相談役の鈴木修が、会長時代にソリオを専用車として採用していたことが報じられている。

近年[編集]

4代目 MA27S/37S/47S型(2020年 - )[編集]

5年ぶりのフルモデルチェンジにあたっては、ファミリー層を中心とした「後席の快適性向上」「荷室の拡大」「安全装備の充実」を求める顧客の声を重視。最大の変更点はボディサイズの拡大で、先代よりも全幅を20mm、全長を80mm(ソリオ)または70mm(バンディット)拡大。合わせて内装部品の形状見直しにより、荷室床面長を100mm拡大するとともに、後席左右乗員の肩まわりスペースが広められた。一方で、最小回転半径は先代と同じ4.8mとし、小回り性能は維持された。

外観はソリオはフード先端を上げて厚みが増したフロントマスクを採用。バンディットはポジションランプとヘッドランプの二段構え配置を維持しつつ、フロントグリルを刷新した。内装はソリオはネイビーとホワイトを基調としたデザインに、ドアトリムに立体的な表面処理が施され、シートは光沢のあるライン柄とグレーミックス表皮を組み合わせた。バンディットはボルドーとブラックを基調としたデザインに、シートはブラックとボルドー柄を用い、スピードメーターには赤の差し色が用いられた。

安全面では、予防安全技術「スズキ セーフティ サポート」が強化され、ステレオカメラで最高速度・はみ出し通行禁止・一時停止・車両通行禁止を認識する標識認識機能が新たに搭載され、一部グレードにはACCに全車速追従機能を追加し、運転席のダッシュボード前方にスズキの小型車では初採用となるカラーヘッドアップディスプレイを搭載(このカラーヘッドアップディスプレイはパナソニック オートモーティブ社製の小型コンバイナ(半透明パネル)タイプHUDが採用されている)。これらの装備は3代目ではオプション設定だったガソリン車を含めて全車標準装備となった。また、エアバッグは運転席・助手席SRS、フロントSRSシートサイド、SRSカーテンの6つに強化し、全車標準装備とした。

パワースライドドア(グレードにより標準装備又はメーカーオプション設定)には閉めている途中でロック操作を可能にする予約ロック機能が追加され、スズキの小型車で初採用となる薄型デザインのスリムサーキュレーターを一部のグレードに標準装備。マイルドハイブリッド車・ハイブリッド車には助手席右前にUSB電源ソケットを2個搭載するほか、アクセサリーソケットは助手席右前に加え、後席右側にも搭載。メーカーオプションの「全方位モニター用カメラパッケージ」にUSBソケットが追加されたほか、3代目では2017年9月の仕様変更で廃止されていた「全方位モニター付メモリーナビゲーション」のメーカーオプション設定が復活。ディスプレイを9インチHDに大画面化・高解像度化され、スマートフォン連携(Apple CarPlay・Android Auto対応)に加え、逆走注意案内や逆走警告機能が新たに搭載された。ちなみに、ディーラーオプションの純正ナビゲーションにはこちらもスズキで初となる10インチモデル(パナソニック製スタンダードプラス、全方位モニター・ヘッドアップディスプレイ対応)が用意されている。

ボディにはルーフパネルとルーフメンバーの接合部に高減衰マスチックシーラーを用いることでこもり音や雨音が低減され、構造用接着剤を採用。リアはサスペンションのストローク拡大やコイルスプリングの見直しがされ、ロードノイズ低減を図るため、インナーフェンダーライニングが全面的に採用された。

パワートレインは3代目同様にK12C型エンジンが踏襲され、ISGと専用リチウムイオンバッテリーで構成されたマイルドハイブリッドシステムや駆動用モーターと5AGSを組み合わせた独自のパラレル方式のハイブリッドシステムも踏襲される。WLTCモードによる燃料消費率及び排出ガス(マイルドハイブリッド車はJC08モードによる燃料消費率も併記)に対応したことで全車「平成30年排出ガス基準50%低減レベル(☆☆☆☆)」認定を取得し、ハイブリッド車は「2030年度燃費基準80%達成車」となった。

日本市場のほか、先々代、先代に引き続いて香港市場でも販売されるが、当代よりバンディットのみが設定され販売される。

年表[編集]

  • 2020年(令和2年)
    • 11月7日 - 全国のスズキ正規ディーラーほか各地の自動車販売会社にて、新型モデルの簡易パンフレットの配布が開始された。現行モデルユーザーをはじめとした購入希望者に向けて先行予約の受付もスタート。
    • 11月12日 - ティザーサイト公開。正式発表1週間前となる同月18日からはカウントダウンも開始された。
    • 11月25日 - 正式にフルモデルチェンジを発表(12月4日発売)。スズキの四輪車として初めてウェブ発表会形式でリリースされた。キャッチコピーはソリオが「GOODパフォーマンスコンパクト!」、ソリオバンディットが「強く、美しきコンパクト」。CMキャラクターはソリオが吉沢亮・橋本環奈・パパイヤ鈴木・溝口元太・岡坂幸蔵で、ソリオバンディットは吉沢と橋本が兼任で担当し、CMソングは森崎ウィンの「パレード - PARADE」。
    グレード体系は3代目の発売当初の体系がそのまま踏襲され、ソリオはガソリン車の「G」、マイルドハイブリッド車の「HYBRID MX」と「HYBRID MZ」の3グレード。バンディットはマイルドハイブリッド車の「HYBRID MV」のみのモノグレードの設定となる。
    ボディカラーは3代目(バンディットは2代目)から共通色のスピーディーブルーメタリック、ピュアホワイトパール(オプションカラー)、スーパーブラックパール、ソリオ専用色のネオンブルーメタリック、クラッシーブラウンメタリック、スターシルバーメタリック、バンディット専用色のプレミアムシルバーメタリック(オプションカラー)の7色が踏襲され、新色のメロウディープレッドパール、新設定のフレイムオレンジパールメタリックの2色を共通色に、新色のグリッターバイオレットパール(オプションカラー)をバンディット専用にそれぞれ設定され、全10色(共通5色・ソリオ専用色3色・バンディット専用色2色)を設定。バンディット専用のブラック2トーンルーフ仕様は2代目からスピーディーブルーメタリックとプレミアムシルバーメタリックの2パターンを踏襲し、新色のメロウディープレッドパールと新設定のフレイムオレンジパールメタリックを加えた4パターンとした。
  • 2022年(令和4年)12月15日 - 4代目へのフルモデルチェンジで一旦廃止されていたストロングハイブリッド車が復活し、「HYBRID SZ」とバンディット「HYBRID SV」が追加発売された(ストロングハイブリッド車は2WD、5AGS(AMT)のみの設定)。
デザインはガソリン車・マイルドハイブリッド車と差別化され、共通でバックドアサイドスポイラーが追加され、内装のガーニッシュ(エアコンサイドルーバー・ドア)をチタンシルバーに、助手席インパネトレーをブラックにそれぞれ変更。併せて、「HYBRID SZ」は外観がフロントメッキグリルとメッキガーニッシュ(フォグランプ・バックドア)をブラックに、15インチアルミホイールをブラックメタリックにそれぞれ変更。内装がシフトノブを本革巻にグレードアップするとともに、インパネオーナメントをネイビーに変更された。バンディット「HYBRID SV」は外観がドアハンドルをメッキに、15インチアルミホイールをミディアムグレーにそれぞれ変更。内装がインパネオーナメントをボルドーに変更した。
ボディカラーはガソリン車・マイルドハイブリッド車と異なるラインナップとなり、モノトーンは共通色のメロウディープレッドパール、ピュアホワイトパール(オプションカラー)、スーパーブラックパール、「HYBRID SZ」専用色のフレイムオレンジパールメタリック、バンディット「HYBRID SV」専用色のプレミアムシルバーメタリック(オプションカラー)の既存5色に、ハイブリッド車専用カラーとしてキャラバンアイボリーパールメタリックとタフカーキパールメタリックを追加。2トーンカラーもハイブリッド車専用設定となり、「HYBRID SZ」にはガンメタリック2トーンルーフを設定し、スーパーブラックパールを除く5色を設定。バンディット「HYBRID SV」にはシルバー2トーンルーフを設定し、プレミアムシルバーメタリックとピュアホワイトパールを除く4色が設定される。
なお、4代目のフルモデルチェンジ当初より「G」と「HYBRID MX」に受注対応で設定されていた「スズキ セーフティ サポート非装着車」が廃止された。
  • 2023年(令和5年)5月10日 - 一部仕様変更(2型、5月25日発売)。
マイルドハイブリッド車とハイブリッド車には、車線を逸脱しそうになった時にドライバーのステアリング操作を支援する車線逸脱抑制機能が新たに装備され、USB電源ソケットの1ヶ所をType-Cに変更された。
パワースライドドアには予約ロック機能にリクエストスイッチ連動機能が追加され、バンディットは従来メーカーオプション設定だった後席右側パワースライドドアが標準装備化された。
ボディカラーはガソリン車の「G」とマイルドハイブリッド車で変更が行われ、ソリオ専用色のネオンブルーメタリックとクラッシーブラウンメタリックを廃止、スピーディーブルーメタリックとフレイムオレンジパールメタリックをソリオ専用色へ移行するとともに、従来はハイブリッド車専用カラーだったキャラバンアイボリーパールメタリックとタフカーキパールメタリックを共通色として全グレードに拡大して設定。バンディット「HYBRID MV」は2トーンルーフをブラックから「HYBRID SZ」と同じガンメタリックへ変更され、「HYBRID SZ」からフレイムオレンジパールメタリックを除いた4色に、専用色のプレミアムシルバーメタリックを加えた5パターンに拡大された。

車名の由来[編集]

  • Solio - スペイン語で「玉座」「王様」を意味する。
  • Bandit - 英語で「盗賊」「無頼漢」の意味。同社が1989年より販売を始めたネイキッドバイクの車名でもある。本車種については不明だが、バイクに関しては「山賊、無頼漢」の意味であるとしている。


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