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スクウェア・エニックス

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株式会社スクウェア・エニックス(英: SQUARE ENIX CO., LTD.)は、日本のゲームソフト販売・開発会社、出版社。株式会社スクウェア・エニックス・ホールディングスの子会社。コンピュータエンターテインメント協会正会員。略称はスクエニSQEX

2008年(平成20年)10月1日の持株会社体制移行前の法人(現:スクウェア・エニックス・ホールディングス)と、移行後の法人は別の法人格であるが、商号・営業上は連続しているため、以下では特記しない限り、「スクウェア・エニックス」を名乗った法人について連続して扱う。

概要[編集]

2003年(平成15年)4月1日、ゲームメーカーのスクウェアとエニックスの合併により誕生した。合併手続き上はエニックスを存続会社とするが、公式には「両社が対等の精神に基づき合併する」と位置付けられる。合併については様々な理由が挙げられているが、主には次の通りである。

  • 「エニックスお家騒動」に絡む出版事業の衰退
  • エニックスは『ドラゴンクエストシリーズ』以外のタイトルの知名度が低いが、スクウェアは『ファイナルファンタジーシリーズ』以外のタイトルも期待度が高いといった補完関係。
  • エニックスの強いアジア、スクウェアの強い北米、欧州という海外事業における補完関係。
  • 発売スケジュールの調整で『ドラゴンクエストシリーズ』と『ファイナルファンタジーシリーズ』を衝突させない事で収益機会を拡大する確保。
  • オンラインゲーム、モバイルゲームの時代に備え、両社のコンテンツ資産の有効活用による相乗効果を図った。
  • 和田社長曰く「将来を見越しての勝ち残りのための攻めの合併」。
  • エニックスがパブリッシャー(発売元)に、スクウェアがデベロッパー(開発元)に特化した制作体制であったため、これを相互補完する効果。
  • 多角的メディア・プラットフォーム戦略への体制作り。

ただし、当時エニックス側の社員だった齊藤陽介は、「開発の体制でのメリットが一番大きなものであったのでは」と述べている。ちなみにスクウェアとエニックス双方の社員とも直前まで知らなかった事が明かされている。合併直前、スクウェアに対して行われたソニー・コンピュータエンタテインメントからの支援、デジキューブの倒産については後述を参照のこと。タイトーの買収については、スクウェア・エニックスに欠けているアーケードゲーム事業への進出を見越したものである。タイトーを買収したことによってアーケードゲームも幾つか製作している。

社名の由来[編集]

旧スクウェアは、ゴルフのアドレスやグリップ(構え)で使われる「スクウェア」(square)が由来。スクウェアには「正方形」「広場」「頑固な」「きちんとした」などの意味があり、ゴルフでは飛球線に対して90度に正対している状態を指す。問題に対して逃げ腰ではなく、直視していく企業体を目指す意味で名付けられた。ゲームソフトのクリエーター達が集まる広場「スクウェア」を意味しているのと、旧スクウェアの会社生誕の地である四国(四角形から)への謝意、先端機器が整備された製作環境の中で、クリエーター達が豊かな感性と創造力を発揮し、世界に通用するエンタテインメントを提供する国際的企業となる思いが込められている。

旧エニックスの由来は、世界初のスーパーコンピュータと言われている「ENIAC」(エニアック)と不死鳥「PHOENIX」(フェニックス)をあわせた造語である。

両社の合併においてはエニックスが存続会社となり、合併比率も1:0.85と数字上エニックスに吸収される形でスクウェアは消滅したが、新社名は「スクウェア」を先に「エニックス」を後ろに据えた「スクウェア・エニックス」とした。これは単なる社名と体(存続会社)のたすきがけであり、「SQUARE ENIX」だとEが重なり、会社がひとつにまとまった感じがあることと、「エニックス・スクウェア」だとスが連続して発音しづらいことも理由である[要出典]

沿革[編集]

旧エニックス[編集]

  • 1975年9月22日 - 株式会社営団社募集サービスセンター設立。
  • 1980年2月 - 営団社募集サービスセンターの完全子会社として、株式会社営団社不動産設立。
  • 1981年8月 - 営団社不動産が、商号を株式会社営団社システムに変更。
  • 1982年8月 - 営団社システムが、商号を株式会社エニックスに変更。
    • 第一回ゲーム・ホビープログラムコンテストを主催。
  • 1983年10月 - 小西六(現コニカミノルタ)との合弁により株式会社小西六エニックス設立。
  • 1987年10月 - 小西六の社名がコニカに変更した事に伴い、小西六エニックスが商号をコニカエニックス株式会社に変更。
  • 1988年3月 - エニックスの完全子会社としてエニックスプロダクツ株式会社を設立。
  • 1989年1月 - エニックスがコニカエニックスを完全子会社化。
  • 1989年4月 - 営団社募集サービスセンターが、子会社3社のエニックス(旧エニックス)、コニカエニックスおよびエニックスプロダクツを吸収合併し、商号を株式会社エニックスに変更(ただし、当時の営団社募集サービスセンターは休業状態であり、実質上の存続会社は旧エニックス)。
  • 1991年8月 - 社団法人日本証券業協会に株式を店頭登録(店頭公開)。
  • 1999年8月 - 東京証券取引所1部上場。

旧スクウェア[編集]

  • 1986年9月 - 株式会社スクウェア(以下「旧スクウェア」)設立。
  • 1991年4月 - 株式額面金額の変更を目的として、休眠会社を買収して商号変更した株式会社スクウェア(1966年7月11日設立)を存続会社として、旧スクウェアを吸収合併。
  • 1994年8月 - 日本証券業協会に株式を店頭登録(店頭公開)。
  • 1999年6月 - スクウェアの完全子会社として下記の4社を設立。7月にスクウェアの事業の一部をそれぞれに営業譲渡。
    • スクウェアの完全子会社として株式会社スクウェアヴィジュアルワークスを設立。
    • スクウェアの完全子会社として株式会社スクウェアサウンズを設立。
    • スクウェアの完全子会社として株式会社スクアーツを設立。
    • スクウェアの完全子会社として株式会社スクウェアネクスト(後に、株式会社ゲームデザイナーズ・スタジオ、株式会社SQEXを経て、株式会社タイトーと合併)を設立。
  • 2000年8月 - 東京証券取引所1部上場。
  • 2001年1月 - スクウェアがスクウェアヴィジュアルワークスおよびスクアーツを合併。
  • 2002年4月 - スクウェアがスクウェアサウンズを合併。

合併後[編集]

  • 2003年4月1日 - スクウェアとエニックスが合併し、商号を株式会社スクウェア・エニックスに変更(手続き上の存続会社は、エニックス)。
  • 2003年7月22日 - 本社を東京都渋谷区代々木四丁目31番8号より東京都渋谷区代々木三丁目22番7号に移転。目黒区の旧スクウェア本社および、出版事業部とで分かれていた本社機能を統合。
  • 2003年10月30日 - 野島一成が辞職・独立し、ステラヴィスタを設立。
  • 2004年10月 - 皆葉英夫が辞職・独立し、デザイネイションを設立。作曲の植松伸夫が辞職・独立し、SMILEPLEASEを設立。
  • 2005年8月22日 - タイトーを株式公開買い付け(TOB)にて買収すると発表。8月23日から9月21日までTOBを実施。
  • 2005年9月28日 - タイトー株式の93.7%を取得し、連結子会社とする。
  • 2006年3月31日 - スクウェア・エニックスの子会社2社の株式会社SQEX(1999年6月設立の完全子会社)とタイトーが合併。完全子会社であったSQEXを存続会社とし、タイトーを産業活力再生特別措置法に基づく金銭交付方式で吸収合併したのち、SQEXからタイトーに社名変更する方式により、タイトーを完全子会社化した。
  • 2006年5月 - 女性向けファッションとソーシャルゲームを融合させたソーシャル・ネットワーキング・サービス (SNS)「スタイルウォーカー」および運営会社をゼイヴェルと共同で設立。その後SNS事業は2010年にニフティに譲渡、同社およびソーシャルゲーム事業は2011年にタイトーに合併された。
  • 2006年12月 - チョコボ・モーグリ・ラビ・フラミーなどのデザインを手がけた石井浩一を中心とした社員が辞職・独立し、グレッゾを設立。
  • 2008年4月 - モバイルコンテンツ部門を専門的に管理・運営を行う株式会社スクウェア・エニックス モバイルスタジオを北海道札幌市に設立。
  • 2008年8月28日 - テクモに対して、友好的な株式公開買い付けを提案。しかし同社がコーエーとの経営統合協議に入ったため、9月5日に提案撤回。
  • 2008年10月1日 - 商号を株式会社スクウェア・エニックス・ホールディングスに変更。会社分割により、ゲーム事業・コンテンツ事業・出版事業などを承継する(新)株式会社スクウェア・エニックスを設立し、持株会社体制へ移行した。
  • 2010年4月28日 - 日本国内向けの海外ゲーム販売レーベル「SQUARE ENIX EXTREME EDGES(スクウェア・エニックス エクストリームエッジ)」を立ち上げ。
  • 2011年12月1日 - 日本国内向けのAndroidゲームポータルサイト「SQUARE ENIX MARKET(スクウェア・エニックス マーケット)」を配信開始。
  • 2012年10月1日 - 本社を東京都新宿区新宿六丁目27番30号(新宿イーストサイドスクエア)に移転した。
  • 2013年6月 - 松田洋祐が代表取締役社長に就任。
  • 2014年1月 - 同社出身でスタイルウォーカー元代表、タイトー元取締役本部長の庄司顕仁が独立し、ディライトワークスを設立。
  • 2014年5月 - 『月刊ビッグガンガン』の連載漫画「ハイスコアガール」作中でのゲームキャラクター無断使用を巡り、SNKプレイモアとの間で法的係争が始まる。本社家宅捜索、役員を含む書類送検に発展し、法学者らから刑事手続の適用に反対声明が出されるなど話題になった。詳細はハイスコアガール#著作権侵害問題・刑事告訴事件を参照。
  • 2015年8月24日 - 「ハイスコアガール」に関する刑事及び民事紛争について、SNKプレイモアの大株主であるLedo Millenniumとの間で紛争解決について合意。SNKプレイモアとの和解が成立。
  • 2022年11月17日 - 元従業員2名が『ドラゴンクエストタクト』公表前に開発元のAimingの株を買い付けるインサイダー取引を行ったとして金融商品取引法違反の容疑で東京地方検察庁に逮捕。翌18日、同事件に関わっていたとして元所属の中裕司が逮捕。
  • 2023年4月1日 - スクウェア・エニックスおよびスクウェア・エニックス・ホールディングスを対象として、正社員の基本給を平均10%、新卒者初任給を平均27%への引き上げを実施。
  • 2023年5月1日 - 子会社のLuminous Productionsを吸収合併し、同社の全事業を承継。
  • 2023年6月 - 桐生隆司が代表取締役社長に就任。

ビデオゲーム部門[編集]

開発・発売タイトル[編集]

合併以前の旧エニックス・旧スクウェアそれぞれが開発・発売したソフトおよび廉価版「アルティメットヒッツ」と「レジェンダリーヒッツ」についてはそれぞれの項目を参照。

開発部門[編集]

内製のゲームソフト開発の人員は旧スクウェアタイトルに大半が集中され、旧エニックスタイトルは従来通り企画、委託開発の管理が中心であるが、旧エニックス社員も旧スクウェアソフトのチームに開発スタッフとして名を連ねている事もあり、ドラゴンクエストXのように内製の旧エニックスタイトルが生まれているほか、ファイナルファンタジーシリーズをはじめ旧スクウェアのシリーズタイトルにおいても一部開発を外部デベロッパーに委託する作品が見受けられるようになっている。

従来あった事業部制は、プロジェクトごとにチームが結成されるようになって廃されていたが、2013年12月からはビジネス・ディビジョンという区分けになった。2019年4月に再び再編が行われ、4つの開発事業本部に集約された。



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