ジャガイモ
ジャガイモ(英: potato、学名:Solanum tuberosum)、別名は、ナス科ナス属の多年草の植物。南アメリカのアンデス山脈原産。世界中で栽培され、デンプンが多く蓄えられる地下茎が芋の一種として食用される。揚げる、蒸す、茹でる、煮込み料理にするなどのほか、コロッケやポテトチップスなどの加工食品にもされ、デンプン原料としても需要がある。保存がきく野菜として扱われる一方で、主食にもなりえる重要な食物であり、ビタミンCやカリウムなどの豊富な栄養を含む特徴がある。芋から発芽した芽や光に当たって緑色になった皮などに有害物質を含む(#毒性を参照)。
リンネの『植物の種』(1753年) で記載された植物の一つである。
名称[編集]
行政機関、学会により呼び名が異なる。
- 「バレイショ」 : 日本育種学会、日本作物学会、日本植物防疫協会
- 「ジャガイモ」 : 園芸学会、日本植物学会、日本土壌微生物学会
由来[編集]
17世紀初めにオランダ船によってジャワのジャガトラ(ジャカルタの旧名)から日本に伝来し、「ジャガタライモ」と呼ばれていたものが転じて「ジャガイモ」になった。ジャガイモの中国植物名である「馬鈴薯」(ばれいしょ)という呼び名もよく用いられ、日本の行政では馬鈴薯と呼んでいる。中国語音ではマーリンシュー(ピン音 mǎlíngshǔ)となる。日本では18世紀に本草学者の小野蘭山が『耋筵小牘』(1807年)の中で命名したといわれている。一説には、ジャガイモの形が馬につける鈴(馬鈴)に似ることから、この名前になったという。なお、中国では他に「土豆」(トゥードウ)、「洋芋」「陽芋」(ヤンユー)、「薯仔」(シューザイ)などとも呼ぶ。
英語のポテト (potato) の語源は、タイノ族の言葉でサツマイモを意味する batata がスペイン語の patata に変化したものによる。なお、ジャガイモの原産地で古くから使われている言語の一つであるケチュア語では papa というが、これはそのまま中南米スペイン語で使われる。スペイン語で batata が patata に変化したのはこの papa の影響であると考えられている。Papa はローマ教皇を意味する単語と同じであったため、これを忌避して Patata に変遷したともいわれる。