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サブスクリプション

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サブスクリプション(英語: subscription)は、月単位または年単位で定期的に料金を支払い利用するコンテンツやサービスのこと。

商品を「所有」ではなく、一定期間「利用」するビジネスモデル。日本ではサブスクとも略される。

後述の通りカタカナ語としては新しいが、同一の概念としては「月極」「月謝」「定期購読」などは存在していた。本稿ではカタカナ語としてのサブスクリプションを説明する。

概要[編集]

語源である英語の「サブスクリプション」(英語: subscription、英語: subscribeの名詞形)には、雑誌の「予約購読」「定期購読」「会費」の意味がある。転じて「有限期間の使用許可」の意味となった。

その後、コンピュータ用ソフトウェアの年間契約使用料などに導入され、電子書籍の読み放題サービス、音楽配信・動画配信サービス・ストリーミング再生などの支払い方法にも、サブスクリプション方式が導入された。携帯電話やスマートフォンの有料アプリの支払い方法にも導入されている。また、新たなサブスクリプションサービスとしてタイヤ、エアコンや家具、服やおむつなどの必需品や、花や酒類などの嗜好品も開始されており、この他に旅行やガイド、芸能人など人に関するサブスク、タクシー、電車、飛行機などの移動手段にもサービスが拡大しており、不動産や住宅までにも利用が広がっている。

Amazonプライム、U-NEXT、Hulu、Netflixなどの定額制動画配信サービス(Subscription Video on Demand:SVOD)は、サブスクリプション方式による動画配信(ビデオ・オン・デマンド)である。

家庭用ゲーム業界でもソニー陣営のPlayStation Plus、任天堂陣営のNintendo Switch Online、マイクロソフト陣営のXbox Game Passなど、サブスクリプションサービスが始まっている。

分類・種類[編集]

サブスクリプションは、提供方法によって分類できる。

デジタルコンテンツ型
デジタルコンテンツ型は、インターネットを通してコンテンツが提供されるサブスクリプションで、電子書籍・ゲーム・音楽配信・動画配信などのサブスクリプションはデジタルコンテンツ型に該当する。サブスクリプション契約を解約後には、提供されていたコンテンツを利用できなくなるケースが多い。なお、提供されるコンテンツは利用規約にて複製を禁止されているケースがほとんどだ。
レンタル型
レンタル型は、定額料金で一定の物を借りられるサブスクリプションで、自動車・洋服・家具・家電・知育玩具などのサブスクリプションはレンタル型に該当するケースが多い。レンタル型のサブスクリプションは、サービス提供している企業側に物の所有権がある。そのため、一定の期間が終了後またはサブスクリプション契約の解約後には、利用者側は借りた物を返却しなければならない。
ギフト型
ギフト型は、定額料金で一定数の物を購入するサブスクリプションで、花・食品・化粧品などのサブスクリプションはギフト型に該当するケースが多い。ギフト型のサブスクリプションは、使い切りの消耗品が提供されている傾向にあるため、レンタル型のサブスクリプションとは異なり、利用者側に返却の義務はない。
ショップ型
ショップ型は、店を通してサービスが提供されるサブスクリプションで、ホテル・飲食店・ネイル・エステ・美容院などのサブスクリプションはショップ型に該当するケースが多い。ショップ型のサブスクリプションは、他のサブスクリプションとは異なり、自宅にいるだけではサービス提供を受けることができない。サービスを提供する店まで足を運ぶ必要があるため、利用者側は無理なく通える生活圏内にサービスを提供する店があるかを確認する必要がある。

背景[編集]

ソフトウェアの販売形式は購入したエンドユーザーは、[要校閲]ソフトウェアのバージョンアップやサポートに追加料金を支払うこともあるが、永続的に使用することができる「買い取り形式」が多い。

サブスクリプション方式は、月単位または年単位の期間で契約し、利用料金を支払うが、期間内のバージョンアップには追加料金が不要となる。

エンドユーザーからすると、ソフトウェアを使用するための全ての費用がランニングコストに含まれており、イニシャルコストが不要な料金形態であるともいえる。

2013年にアドビシステムズ(現:アドビ)は、それまで同社の主力製品であったパッケージソフトから、サブスクリプション方式への販売転換を発表した。

2015年には2014年比で22%アップ、通年の売上が記録更新の額となるなど、サブスクリプション方式への転換の成功例といえる。

またソフトウェアのみならず、新規出店と新規顧客の獲得を繰り返す従来型ビジネスモデルに業績拡大の限界を感じる業態(飲食、自動車、ファッション、化粧品、旅行業など)においても、サブスクリプション方式への転換が計画されている。

サブスクリプションエコノミー専門家のマーク・ヘラーは、2019年のインタビューで音楽・新聞・自動車などの業界でサブスクリプション方式が普及していることを例に挙げ「消費者は製品を所有することより、サービスにいつでもアクセスできる自由をますます重視するようになった」と指摘している。

ザ・ハリス・ポールが世界12か国で実施した消費者調査によると、調査対象者の57%が「所有するものを減らしたい」と回答し、68%が「人のステータスはもはや所有物によって定義されないと思う」と回答した。

「サブスクリプション」の名称としては新しい用語であるが、賃貸住宅や新聞の定期購読といった定額制サービスは従来から存在していたし、「定額で一定期間使い放題」という仕組みそのものは古くから存在する。

サブスク[編集]

サブスクは、サブスクリプションの略。

2010年代後半ごろから、略称である「サブスク」がメディアでも用いられるようになり、提供・企業側のサービス名称にも冠されるようになった。

2019年のユーキャン新語・流行語大賞にノミネートされた。

サブスクを用いた用語例
  • 新車サブスク - 特に保険料や整備費、消耗品、税金などの代金を月額料金にまとめた商品。ただし、従来からカーリース契約や長期レンタルなど同種のサービスは存在した。
  • 音楽サブスク - Apple Music、Spotifyなどの定額制音楽配信サービスの総称としての用例。従来からUSENなど定額料金の配信サービスは存在した。
  • サブスク解禁 - これまでは版権の都合でサブスクリプションに消極的だったレコード会社やアーティストの楽曲が、定額制音楽配信サービスで配信開始されること。この考え方も従来から当初月額料金の提供に反対の立場が変わる場合があった。
  • サブスクLIVE - LINE LIVEが提供する、定額でライブハウスからのライブ配信を楽しめるサービス。名称以外では特に新しくなく、テレビなどが演奏会を生中継することはあった。後述する「サブスクライブ」(subscribe)とは意味が異なるので注意。
  • 強制サブスク - NHK受信料に対する批判用語。

サブスクライブ[編集]

サブスクライブ(英語: subscribe)は、日本においては一般的に「定期購買する」「配信を受ける」「会員登録する」などとして用いられ、基本的に意味はサブスクリプションと同じだ。

語源である英語「subscribe」は、「予約・定期購読する」の他、契約書等に「署名・サインする」、また「同意」「承認」「寄付」などの意味を持つ。サブスクリプション(subscription)が名詞、サブスクライブ(subscribe)が動詞形であり、「購読」に当てはめるなら、サブスクリプションが「定期購読」、動詞形サブスクライブが「定期購読する」となる。

サブスクライブの用例
  • YouTube - サブスクライブ=チャンネル登録のこと。
    • サブスクライブカウンター - YouTuberのチャンネル登録者数が確認できるツール。
  • steam - サブスクライブ=MOD(ゲームの改造データ)を追加すること。
  • twitch - サブスクライブ=ゲームライブ配信者等に、スポンサー課金すること。
サブスクライバー
語源である英語「subscribe」に、人を表す「er」を付して、サブスクライバー(subscriber)と呼ぶ。文字どおり「サブスクライブする人」となるが、雑誌などの「購読者」などと訳される。主にビジネス用語において、メールマガジン、ブログ、ニュースレターの購読者を指して用いられる。
アンサブスクライブ
語源である英語「subscribe」に、否定の「un」を付して、アンサブスクライブ(unsubscribe)と呼ぶ。YouTubeやメールマガジン、ニュースレターなどを「購読中止」「登録キャンセル」をすること。
サブスクのライブではない
上述したとおり、サブスクライブはサブスクリプションの動詞形であり、単語そのものが「定期購読する」などの意味を持つ。よってサブスク(定額制)のライブ(中継)ではない。LINE LIVEが「サブスクLIVE」なるサービスを提供したが、これは定額でライブハウスから中継されるライブ配信を楽しめる、同社のサービス名称である。
  • 語源:subscribe
  • LINE:subsclive

メリット[編集]

定額制のため安価で利用できるサブスクリプションは、新規利用者のハードルが低く、必要なときにサービスや商品を利用できるメリットがある。また事業者・提供者側からみても、購入と比べ一定期間、継続的な売り上げが見込めるなどのメリットがある。

消費者メリット[編集]

消費者・利用者側から見たメリット。

  • 購入よりも安価にサービスや商品を利用できる。
  • 初期費用が少ないため、継続利用しやすい。
  • 動画や音楽配信サービスはパソコンだけでなく、スマートフォンからでも利用できる。
  • 動画の媒体(Blu-ray Disc、DVD)やパッケージを購入・所有する必要がないため、物を増やさずに済む。
  • サービス期間はあるが、いつでも解約できる。
  • 新しい商品やサービスの提供を受けやすい。

事業者メリット[編集]

事業者・提供者側から見たメリット。

  • 継続的・長期的な売上を見込める。
  • 消費者の導入ハードルを下げられるため、新規顧客を獲得しやすい。
  • 顧客リストや利用統計データが取れるため、今後の改善に利用できる。
  • デジタル、アナログ問わず、様々な業種に導入できる。


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