コンクリート
コンクリート(英: concrete)は、広義には骨材を結合剤(セメント、石灰、石膏、アスファルト、硫黄、プラスチックなどを利用)によって固めた複合材料の総称。結合剤の種類によりセメントコンクリート、アスファルトコンクリート、レジンコンクリートなどという。狭義には結合剤にセメントを用い、骨材をセメントペースト(セメントに水を加えたペースト)で固めた複合材料(セメントコンクリート)をいう。
この項目では特にセメントコンクリートについて述べる。
概要[編集]
砂、砂利、水などをセメントで固めた物で建築土木工事の材料として多く利用される。コンクリートは鋼材とともに現代の建築・土木工事には不可欠な構造材料である。強度と価格の面や施工の安易さから、一般に最も広範に使用されている建築資材の一つであり、建築物、道路、ダム、高架橋、トンネル、港湾設備と用途は幅広い。
コンクリートはセメント、骨材(粗骨材や細骨材)、水および若干の空気泡からなる。コンクリートの場合は粗骨材(砂利や砕石)も細骨材(砂や砕砂)も用いられるのに対し、セメントペーストに細骨材の砂を練混ぜたものはモルタルと呼び区別する。
コンクリートは圧縮力には耐えられるが引張力には弱いため、コンクリートを単体で使うより、コンクリートの中に鉄筋を入れた鉄筋コンクリートとして使われることが多い。コンクリートと同じ熱膨張率を持つ鉄筋を入れることで引張力を鉄筋が受け持ち、どちらの力にも十分な強度を持たせることができる。
また、鉄筋コンクリートに鉄骨を埋め込んだ鉄骨鉄筋コンクリートや、鉄骨鉄筋コンクリートの鉄骨を鋼管に置き換えた鋼管コンクリート、あらかじめ圧縮力をかけておくことによって大きな引張力が作用しても軽減できるプレストレスト・コンクリート、生コンクリートに合成樹脂や鉄の繊維を混ぜ込んで強度・延性を増した繊維補強コンクリートも用いられる。
名称[編集]
現在は英語単語のカタカナ表記である「コンクリート」との表記を用いるのが一般的である。日本語圏では広井勇の発案であるとされる「混凝土」(コン・クリー・ト)という音訳表記も以前は広く用いられ、このまま「コンクリート」と読まれた。この漢字表記は、中国語圏では現在でも最も一般的なコンクリートの名称として用いられている。
コンクリートは、広義では砂や砂利、水などをセメントなどの糊状のもので結合させたものを指す。そのためセメントで結合させたものをセメントコンクリートと呼び、アスファルトで結合させたものをアスファルトコンクリートと呼ぶ。建築資材として一般にコンクリートと呼ばれるものはセメントコンクリートの方である(省略してコンクリ、CO、CONとも読み書きされる)。
別名ベトン(仏: béton、独: Beton、蘭: beton)。
凝固する以前の状態はフレッシュコンクリートと言われる(生コンクリートまたは省略して生コンとも)。