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コラーゲン

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コラーゲン(英語: collagen、ドイツ語: Kollagen)は、主に脊椎動物の真皮、靱帯、腱、骨、軟骨などを構成するタンパク質のひとつ。多細胞動物の細胞外基質(細胞外マトリクス)の主成分である。体内に存在しているコラーゲンの総量は、ヒトでは、全タンパク質の約30%を占める程多い。また、コラーゲンは体内で働くだけでなく人間生活に様々に利用されている。皮革は動物の皮が用いられているが、主成分はコラーゲンである。コラーゲン注入剤は美容目的の医薬品である。ゼラチンはコラーゲンを変性させたものであり、食品、化粧品など様々に用いられる。

構造[編集]

コラーゲンタンパク質のペプチド鎖を構成するアミノ酸残基は、"―(グリシン)―(アミノ酸X)―(アミノ酸Y)―" と、グリシン残基が3残基ごとに繰り返す一次構造を有する。この配列は、コラーゲン様配列と呼ばれ、コラーゲンタンパク質の特徴である。例えば、I型コラーゲンでは、この "―(グリシン)―(アミノ酸X)―(アミノ酸Y)―" が1014アミノ酸残基繰返す配列を持っている。遺伝子配列では、プロリンのコドンがグリシンのコドンの次に多く存在する。(アミノ酸Y)の位置にあるプロリン残基は、プロリル4ーヒドロキシラーゼによる翻訳後修飾によって、4(R)ヒドロキシプロリン(プロリンが酵素によって修飾されたもの)残基になる。コラーゲンタンパク質分子を構成する1本のペプチド鎖はα鎖と呼ばれ、分子量はI型コラーゲンの場合は、10万程度である。

コラーゲンでは、各ポリペプチド鎖が左巻きのポリプロリンII型様の構造をとり、一残基ずつずれてグリシン残基が中央に来るようにペプチド鎖が3本集まって緩い右巻きのらせん構造をとる。側鎖のないグリシンが3残基ごとにあることがコラーゲン構造を取る上での必要条件であり、骨形成不全症患者の場合、3残基ごとにあるグリシン残基が変異している症例が多い。I型コラーゲンの場合、分子の長さはおよそ300 nm、太さは1.5 nmほどである。

線維性コラーゲン分子が、少しずつずれてたくさん集まり、線維を作ったものをコラーゲン原繊維(線維) (collagen fibril) と呼ぶ。例えば、骨や軟骨の中のコラーゲンは、このコラーゲン線維をつくっており、骨基質、軟骨基質にびっしりと詰まっている。主成分は軟骨以外の組織ではI型コラーゲン、軟骨ではII型コラーゲン分子である。V/XI型コラーゲン分子やIX/XII/XIV型コラーゲンも含まれる。コラーゲン線維は透過型電子顕微鏡で観察することができる。コラーゲン線維には、ほぼ65 nm周期の縞模様が観察される。コラーゲン線維の太さは通常、数十〜百数十 nm程度である。この太さは、そのコラーゲン線維を作っているコラーゲンの各型の割合やプロテオグリカンなどによって決まることがわかっている。

コラーゲン線維は、さらに多くが寄り集まって、結合組織内で強大な繊維を形成する場合がある。解剖学の分野ではコラーゲン繊維(線維)(膠原繊維(線維);こうげんせんい、collagen fiber)と呼ばれることもある。生物学者はコラーゲン線維束と呼ぶことが多い。コラーゲン線維束の太さは数μm〜数十 μm程度で、適切な染色をおこなうと、光学顕微鏡でも観察することができる。

アミノ酸組成[編集]

I型コラーゲンのコラーゲン領域のアミノ酸組成はグリシン残基が1/3を占め、プロリン及びヒドロキシプロリン残基を合わせて21%、アラニン残基が11%とかなり偏った構成となっている。またコラーゲンに特有のアミノ酸残基として3-および4-ヒドロキシプロリン、5-ヒドロキシリジン残基などがある。これらは通常のプロリン・リジン残基に水酸基が小胞体内での酵素によって翻訳後に修飾されたもので、他のタンパク中にはほとんど含まれない。3-ヒドロキシプロリン残基は、Gly-Xaa-Yaa-の繰り返し配列のXaaの位置に、4-ヒドロキシプロリン残基とヒドロキシリジン残基はYaaの位置にある。4-ヒドロキシプロリン残基量の測定から、動物組織のおよそのコラーゲン量を推測することができる。ヒドロキシプロリン残基は、コラーゲンの3本鎖らせん構造を安定化させる働きがある。ヒドロキシリジン残基の生理的な機能の詳細は明らかになっていないが、分子間架橋に関与して細胞外マトリックスを安定化させている。ヒドロキシリジン残基やヒドロキシリジン糖に修飾されるYaaのリジン残基の位置はランダムではない。

ヒドロキシプロリン・ヒドロキシリジン残基はいずれもタンパク合成の際に組み込まれるのではなく、まずそれぞれプロリン・リジン残基の形で合成され、タンパク鎖が形成された後で小胞体内で酸化酵素により付加される(翻訳後修飾)。またこの反応の際にはビタミンCを補酵素として、鉄を補因子として必要とするため、L-グロノラクトンオキシダーゼ遺伝子の活性がないヒトではビタミンC欠乏によって正常なコラーゲン合成ができなくなり、壊血病を引き起こす。

機能[編集]

コラーゲンは、様々な結合組織に、力学的な強度を与えるのに役立っている。若干の弾力性もある。特に、腱の主成分は上述のコラーゲン繊維がきちんとすきまなく配列したもので非常に強い力に耐える。腱には、筋肉が発生した引っ張り力を骨などに伝え、運動を起こす際に非常に強い力がかかる。また、骨や軟骨の内部では、びっしりと詰め込まれたコラーゲン細繊維が、骨や軟骨の弾力性を増すのに役立っており、衝撃で骨折などが起こることから守っている。また、皮膚の弾力性や強度に役立っている。

一方、こうした従来から知られている機能とは別に、コラーゲンが、それに接する細胞に対して、増殖、分化シグナルを与える、情報伝達の働きも担っていることがわかってきている。

起源[編集]

コラーゲンが地球で初めて誕生したのは、原生代後期の全球凍結後(6億〜8億年前)と考えられている。コラーゲンの産生には大量の酸素の供給が必要であるが、全球凍結以前は地球においてはコラーゲンを作り出せるだけの高濃度の酸素が蓄積されていなかった。そのためそれまでの生物の進化は単細胞生物までに留まっていた。そして全球凍結の状態が終わり、急激な気候変動の影響で大量に酸素が作られ地球に蓄積した。この影響により単細胞生物がコラーゲンを作り出す事に成功し、細胞同士の接着に利用され、単細胞生物の多細胞化が促進された。今日に見られる多細胞生物(動物・植物・原生生物・真菌類)は全てこのコラーゲンの生産に成功した種の子孫であると考えられている。(ただしその子孫である植物は細胞間接着にコラーゲンを用いず、セルロースを用いており、コラーゲンを細胞間接着として利用している生物は動物と一部の原生生物に限られている)



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