コカ・コーラ
コカ・コーラ (英語: Coca-Cola) は、ザ コカ・コーラ カンパニーが製造販売するコーラの名称である。愛称はコーク (Coke)。
なお、正式な日本語表記は半角中黒を用いた「コカ・コーラ」である。
概略[編集]
1886年、アメリカ合衆国で発明された世界最初のコーラ飲料。発祥はジョージア州アトランタで、現在も本社は同地にある。アトランタの「World of Coca-Cola 博物館」には多くの観光客が訪れ、そこでは世界各国のコカ・コーラの味を比較できる。
コカ・コーラの名称の由来は、コカの葉(成分としてコカインを含む)とコーラの実(当時はほぼアフリカ産)を原材料に使っていたことによる。ジョン・ペンバートン博士の友人で、経理担当のフランク・ロビンソンが命名した。1903年以降、コカインの成分は含まれておらず、現在はコーラの実も他のコーラ飲料と同様に、風味に殆ど影響を与えない微量である。なお日本コカ・コーラ株式会社は、この説明を完全に否定しており、名称の由来は「語感がいいから」という単純な理由だと主張している。
造[編集]
米国のザ コカ・コーラ カンパニー本社で調製されたコカ・コーラの原液が世界各地のボトリング会社に流通し、現地各社によってコーンシロップ、砂糖などで薄められ、さらに炭酸水で割られて、瓶詰め・缶詰めされ販売される。
材料[編集]
コカ・コーラの風味はトップシークレットの香料7xと柑橘系およびスパイス系のフレーバー7 - 8種類程度の配合によるものといわれる。このうち7xの成分は、コカ・コーラ社のトップシークレットであり、成分を知っているのは最高幹部のみである。
7xはレモン・オレンジ・ナツメグ・シナモン・ネロリ・コリアンダー、そして脱コカイン処理されたコカの葉の7種(またはコカの葉がない6種)をアルコールで抽出したものだといわれている。この7xとその他のフレーバーの配合レシピのことを「フォーミュラ」と呼ぶ(後述)。
レシピ(フォーミュラ)[編集]
コカ・コーラ社のフォーミュラは非公開であり、フォーミュラについての文書は1919年からアトランタの某銀行の金庫に融資の担保として厳重に保管されていた。 その後、1985年のカンザス計画によって1度だけフォーミュラが変更されたが、抗議により3か月で元に戻されて以降は変更されていないとされる(コカインとカフェイン量を除く)。
このため、その成分や内容については真偽不明の情報がしばしば出回っており、後述のコークロアの元となった。このフォーミュラを基にしてオープンコーラという製品が作られたが、それでもコカ・コーラの味や香りを完全に再現することはできなかった。
2011年2月、アメリカのラジオ番組This American Lifeが、コカ・コーラ社の最高機密とされる香料「7x」の調合割合を発見したと公表した。同番組のプロデューサーが発見したザ コカ・コーラ カンパニーの地元紙The Atlanta Journal-Constitutionの1979年2月8日付けの記事には、コカ・コーラの発明者ジョン・ペンバートンが手書きしたレシピとされる写真が添えられていた。写真から読み取れるレシピは、以下の通りである。
- コーラシロップ
- 米国薬局方コカ流エキス 3ドラム
- クエン酸 3オンス
- カフェイン 1オンス
- 砂糖 30(単位は不明瞭だが、おそらくポンド)
- 水 2.5ガロン
- ライムジュース 2パイント(1クォート)
- バニラ 1オンス
- キャラメル
- カラメル 1.5オンス(より着色するにはそれ以上)
- 7X 香料(5ガロンのシロップに対し、2オンス混ぜる)
- アルコール 8オンス
- オレンジオイル 20滴
- レモンオイル 30滴
- ナツメグオイル 10滴
- コリアンダー 5滴
- ネロリ 10滴
- シナモン 10滴
これに対しザ コカ・コーラ カンパニーは「アトランタの銀行の金庫に保管されている本物のレシピと、写真のレシピは異なる」とコメントし、このレシピの真実性を否定した。
2011年12月、創業125周年記念事業の一環として、アトランタに作ったコカ・コーラの博物館「World of Coca-Cola」の一角に金庫的な保管施設を造り、アトランタの某銀行からフォーミュラを取り戻してこちらに移した。フォーミュラは公開されていないが、この施設は一般人でも見学することが可能になっている。
メキシコのコカ・コーラが最も美味しいという説[編集]
コカ・コーラは国によって味が違い、メキシコ産サトウキビ由来の砂糖100%で作られるメキシコのコカ・コーラが最も美味しい、とする説がある。普通のコカ・コーラは果糖ブドウ糖液糖で作られるが、砂糖を使っているのが「メキシカンコーラ」の特徴、という主張である。なお、メキシコはコーラの消費量が世界一である。
カラメル色素製造方法調整[編集]
2012年3月、カラメル色素に含有される4-メチルイミダゾールが、米国カリフォルニア州法の発がん性物質リストに摂取上限値29マイクログラム/日として追加収録される中、コーラ類飲料には355ミリリットル缶1本に100マイクログラム超の含有が認められ、リスク警告表示回避のためにレシピが変更された。米国飲料協会は「4-メチルイミダゾール」が、アメリカ食品医薬品局のヒト発がん性物質リストに収載されていない旨の声明を発表する。世界保健機関(+G)の研究では、発がんリスクありとの報告がある。