グッチ
グッチ(Gucci)は、グッチオ・グッチ(Guccio Gucci, 1881年 - 1953年)が1921年に創業したイタリアの高級ファッションブランドおよび同ブランドを展開する企業である。バッグ・靴・サイフなどの皮革商品をはじめ、服、宝飾品、時計、香水などを幅広く手がけている。
ケリンググループの中核をなすブランドで、同系列にサン・ローラン、バレンシアガ、ボッテガ・ヴェネタ、セルジオ・ロッシ、ブシュロン、プーマなどのブランドがある。以前は「グッチ・グループ」として、これら系列各社を代表する存在であったが、1990年代に創業家のお家騒動と外資の買収に翻弄された経緯(後述)が関係し、フランスの流通大手企業であるPPRの保有会社となった。2011年にグループそのものがPPRグループの100%子会社化されたことで、系列会社を含めて「PPRラグジュアリー・グループ」所属、また2013年の社名変更により「ケリンググループ」の構成企業となった。
ブランドの元祖と呼ばれ、世界で初めて、品質保証のためにデザイナーの名前を商品に入れたことでも知られる。
現在[編集]
2004年にはフランスを本拠地とする流通会社 Pinault-Printemps-Redoute(PPR)の傘下となり、グッチ・グループの株式の10%程度がLVMHに取得された。この結果、グッチ・グループは、グッチ家の手を離れた。その後、2013年にPPRは組織改編によりケリングと改称、グッチの事業自体もケリングに引き継がれた。
アルドの孫であるグッチオ(ジョルジオ・グッチの息子)はその後、2008年にTOBEGを設立。また、パオロの次男は「ハウス・オブ・フローレンス」を開業し、原点に戻って新たな品質の発信を図るが、グッチ売却の際に交わされた「グッチ家のブランドであるという宣伝を一切してはならない」と言う契約(日本の著作権契約にも近い縛り)により、世界展開を阻まれている。また、一族のコジモ・グッチは、時計ブランド「COGU」を創立した。グッチ家の本家が本社金庫の鍵を現在も所有しており、その返還を求める裁判が係争中である。
デザイナーの変遷[編集]
- 1989年 - ドーン・メローが社長兼クリエイティブ・ディレクター就任。
- 1990年 - トム・フォードがレディスウェアのデザイナーに就任。
- 1994年 - トム・フォードがクリエイティブ・ディレクターに就任。
- 2004年 - トム・フォードが辞任。レディスウェアのデザイナーにアレッサンドラ・ファキネッティ (Alessandra Facchinetti) が就任。メンズウェアのデザイナーに、ジョン・レイ (John Ray) が就任。
- 2005年 - レディスウェアのデザイナーにイタリア人であるフリーダ・ジャンニーニ (Frida Giannini) が就任。
- 2006年 - ジョン・レイが辞任。フリーダ・ジャンニーニがメンズウェアも手がけ始める。
- 2013年 - ケリング傘下となる。
- 2015年 - アレッサンドロ・ミケーレがクリエイティブ・ディレクターに就任。
- 2022年 - アレッサンドロ・ミケーレがクリエイティブ・ディレクターを辞任。
日本での展開[編集]
主要販売代理店はケリングジャパン子会社のグッチ・ジャパン。メガネ、香水など、一部商品についてはライセンスを保有する企業が販売・流通を担っている。
- メガネ、サングラス - ケリングアイウェアジャパン
- 香水 - ブルーベル・ジャパン
- 時計 - ラグジュアリー・タイムピーシズ・ジャパン(同系列の子会社)
広告などメディア関連の事業はケリングジャパン一括で博報堂グループと契約して行っている。