オレンジ
オレンジ(甜橙、orange)は、柑橘類に属するミカン科ミカン属の常緑小高木やその果実。特に日本では、原産地インドからヨーロッパを経由して明治時代に日本に導入されたものを「オレンジ」と呼んでいる。
概要[編集]
日本では、オレンジといえば主に和名アマダイダイ(甘橙、甘代々 学名:Citrus sinensis)を指し、英語圏ではこれが「スイートオレンジ」と呼ばれている。スイートオレンジの品種は接ぎ木による珠心胚実生を介したアポミクシスの無性生殖で殖やしていく。これらの変種は突然変異を介して生じる。
オレンジは、ザボン(ブンタン)とマンダリンの交雑種である。葉緑体のゲノムすなわち母系はザボンのものである。スイートオレンジは全ゲノム配列解析済みである。
オレンジは、中国南部・インド北東部・ミャンマーを含む地域が発祥で、同果物に関する最初期の言及が紀元前314年の中国文学に見られた。
7世紀にスペインを征服したサラセン人によってヨーロッパにもたらされ、十字軍とともに世界へ広まった。1987年時点でオレンジの木が世界で最も栽培された果樹であることが判明した。オレンジの木は、その甘い果実のため熱帯と亜熱帯の気候で広く栽培されている。オレンジの果実は生のまま食べたり、ジュースに加工されたり香りをつけるために果皮(オレンジピール)に加工されたりもする。 2012年時点で、スイートオレンジが柑橘類生産量の約70%を占めている。
2019年には、7,900万トンのオレンジが世界中で栽培され、全体の22%をブラジルが生産し、中国とインドがこれに続いている。日本での栽培はネーブルオレンジを除いてそれほど多くなく、国内流通品の大部分はアメリカのカリフォルニア産である。日本国内では広島県、和歌山県、静岡県などで年間6,000トン前後が生産されている。