オメガ
オメガ(OMEGA、Ω)は、スイスの高級腕時計メーカー。現在はスウォッチ・グループに属している。
歴史[編集]
- 1848年6月 - 23歳のルイ・ブラン(Louis Brandt )がラ・ショー=ド=フォンにて懐中時計の組み立て工房を開いた。
- 1877年 - ルイ・ブランの息子ルイ=ポール・ブラン(Louis-Paul Brandt )が"Louis Brandt & Fils"設立。
- 1879年 - ルイ・ブランが死去、セザール・ブラン(César Brandt )が経営に参加した。
- 1882年 - 本社を現在地のビールに移転。
- 1894年 - 有名なキャリバー「オメガ」を製作、後にこれをメーカー名とした。
- 1903年 - ルイ=ポールとセザールが亡くなるとポール=エミーユ・ブラン(Paul-Emile Brandt )が後を継いだ。
- 1930年 - ティソ等とSSIHグループを結成する。
- 1965年 - 「スピードマスター」がアメリカ航空宇宙局の公式腕時計として採用され、その耐久性の高さを世に知らしめた。
- 1980年 - 日本企業のセイコーによる買収騒動が持ち上がりスイスの国会で騒動と成る
- 1983年 - ASUAGグループ(ロンジン等)と合併し、スウォッチグループの前身であるSMHグループを結成する。
- 1999年 - 独立時計師のジョージ・ダニエルズが開発した「コーアクシャル」と呼ばれる新機構を採用し、腕時計界に衝撃を与えた。機械式時計の心臓部である調速機構との動力伝達を果たす、脱進機機構(アンクル爪、ガンギ歯)における摩擦を大幅に低減し、約10年間オーバーホールなしでも精度を保つことができる。
キャリバー[編集]
ブランド・社名にキャリバー名にちなむ「オメガ」を用いたことに象徴されるように、古くから多数の自社開発キャリバーを世に送り出しており、ことに1970年代までは新型キャリバーを極めて頻繁に開発・発売していた。当時の例外はレマニアに開発依頼、生産も同社によるクロノグラフキャリバー「Cal.321」を搭載した「スピードマスター」のみで、それ以外の製品はほとんど自社製キャリバー搭載であった。
クォーツショック以前の全盛期には、天文台での腕時計クロノメーター検定開始に合わせて開発され、ロングセラーとなった手巻きの「30mmキャリバー」ことCal.30系、多くの派生型を生み出した自動巻のCal.550系 など自社設計・生産の名機を輩出、それら高品質な量産型キャリバーをチューニングのみでクロノメーターモデルとする高度な技術力を持っていた。一時期はムーブメントの地板全体・自動巻ローターを赤銅メッキ仕立てとした美しい仕上げを特徴とし、また1960年代におけるハイビート化の流行をいたずらに追わない堅実な技術志向も見せた。
現在では高級時計ブランドであっても、ムーブメントを自社製造していない時計メーカーも多く、オメガも1970年代以降はETA製ムーブメントを多く用いるようになったが、シーマスター・アクアテラ等に使用されているCal.8500シリーズのムーブメントは、地板や装飾も含めてオメガによる100%自社開発のムーブメントである。また、Cal.8500以外のムーブメントについても、クロノメーター認定を取得できる高精度に調整する、安価なカム方式ではなく高価なコラムホイール方式を採用する、独自技術のコーアクシャル機構を搭載するなど、改良を凝らしている。
なお1970年代には自社製クォーツムーブメントを手がけた時代もあった。