エド・シーラン
エドワード・クリストファー・シーラン(英: Ed Sheeran, MBE, 1991年2月17日 - )は、イギリスのシンガーソングライター。
『グラミー賞』4回受賞(14回ノミネート)。ルーパーペダルとアコースティック・ギターを駆使し、特徴的なメロディーを奏でることで知られる。2017年、大英帝国勲章第5位を受賞。
略歴[編集]
イングランドのウェストヨークシャー・ハリファクスにて、アイルランド人とイングランド人の両親の元に生まれ、生後まもなく家族と共にイングランド東部サフォーク州フラムリンガムに引っ越した。ギターは幼少時から習い始めた。11歳の時から作曲を始め、16歳の時にロンドンに移住しスタジオや路上でライブ活動を行ったが、高額な家賃を払えず、知人の家や路上で寝泊まりする生活を送った。
2011年、彼はアサイラム・レコードと契約をし『+』でレコードデビュー。全英アルバムチャート首位を獲得した。
2013年、映画『ホビット 竜に奪われた王国』のエンド・クレジットに書き下ろし曲「I See Fire」が使用される。
2014年、アルバム『x (マルティプライ)』は、ファレル・ウィリアムスやリック・ルービンらをプロデューサーに迎えて制作された。イギリス・アメリカともにアルバム・チャートで初登場1位を獲得、イギリスではプラチナ・ディスクに認定された。
2015年、イギリスの大学ユニバーシティ・キャンパス・サフォーク (UCS) から名誉博士号を授与される。
2017年、アルバム『÷ (ディバイド) 』は、友人のスノウ・パトロールのJohn McDaidらをプロデュースのもと製作。音楽サイトで、"最も再生されたアルバム"としてロングセールスを記録し、トップの座を掴んだ。「シェイプ・オブ・ユー」はシングル、デジタルシングルセールスが2600万枚を超え、ストリーミング数などと合わさり、合計3つのギネス世界記録を獲得した。また、大英帝国勲章MBE (Member of the Order of the British Empire) 第5位を受章し、2017年12月7日にバッキンガム宮殿で行われた受勲式に出席したエドは、チャールズ3世(当時皇太子)より勲章を受け取った。
2018年、同級生だったチェリー・シーボーンとの婚約を発表。彼女とは子供の頃から友人で、初めて会ったのは11歳の時。シーボーンは会計士で、2015年、同窓会で再会を果たし交際に発展。
2019年、世界中で3,800万枚以上のアルバムと1億枚のシングルをこれまでに売り上げたと公表され、「世界で最も売れ行きの良いアーティスト」の1人と取り上げられた。 ロンドンのナショナル・ユース・シアターの卒業生である彼は、映画『イエスタデイ』に本人役として出演している。
2017年から2019年まで続いた『÷ Tour』は総計7億3670万ドルの興行収益、総動員数815万684人の規模となり『史上最も成功したコンサートツアー』でU2が保有していたワールドレコードを破り1位となった。2019年4月3日から5月3日までの全10回のアジアツアーではエドと交友の深い日本のロックバンド『ONE OK ROCK』が同行し、オープニングアクトとして出演した。
2020年、9月チェリー・シーボーンとの間に、ライラ・アンタークティカ・シーボーン・シーラン(Lyra Antarctica Seaborn Sheeran)が生まれたことを、自身のInstagramで発表。同年12月21日にファンへのクリスマスプレゼントとして「アフターグロー」を発表した。
2021年5月にBBCラジオ1『ビッグ・ウィークエンド』に出演。同年10月29日、アルバム『=(イコールズ)』をリリース。
2022年、アイルランドのダブリンで始まった+-=÷× Tour(Mathematics Tourと発音)は、彼の4度目のコンサートツアーであり、2024年9月8日にキプロスのラルナカで終了する予定となっている。このツアーは、5枚目のスタジオ・アルバム(2021年)と6枚目のスタジオ・アルバム(2023年)を引っさげてのものだ。
2023年、5月待望の6枚目のアルバム『-(サブトラクト)』は、テイラースイフトの助言を受け、インディー・ロックバンド、ザ・ナショナルのアーロン・デスナーと共作をし、全曲プロデュースを担当した。また、このアルバムはビジュアル・アルバムとしてもリリースされ、残りの12曲のビデオはアルバムの発売日に初公開された。このアルバムは、シーランの前作『=』(2021年)に続くもので、数学をテーマにした最後のアルバムとなった。アルバムは第66回グラミー賞で最優秀ポップ・ヴォーカル・アルバム賞にノミネートされた。同年9月には2023年第2弾プロジェクトである7枚目のアルバム『オータム・ヴァリエーションズ』をリリース。彼のレコードレーベル、ジンジャーブレッド・マン・レコードからリリースされた。このアルバムに収録されている楽曲は、双子の弟ブライスと共にデスナーがプロデュースした「Spring」を除き、全てアーロン・デスナーの単独プロデュースである。彼が著作権を所有する初のスタジオ・アルバムでもある。
シーランは世界中で1億5,000万枚以上のレコードを売り上げ、世界で最も売れている音楽アーティストの一人となった。 アメリカでは1億100万枚のRIAA認定ユニットを持ち、彼のアルバム2枚はUKチャート史上最も売れたアルバムのリストに入っている。2019年12月、オフィシャル・チャート・カンパニーは、2010年代のUKアルバム・チャートとシングル・チャートで、合わせて最も成功を収めたアーティスト・オブ・ザ・デイに彼を選出した。 2022年4月現在、Spotifyで最もフォローされているアーティストである。
人物[編集]
- エドの家族は芸術一家としても知られており、父はアートキュレーター(美術講師)、母は自身のグッズ製作を行うジュエリーデザイナー、2歳上の兄マシューは作曲家として活躍している。
- 上半身を埋めるほどのタトゥー愛好家でもある。
- 英米問わず、多くのラッパーとも交友があり、ヒップホップに造詣が深い。中でも、イェラウルフやリック・ロス、ルーペ・フィアスコ、エミネム、ザ・ゲーム、リル・ベイビー、リル・ウージー・ヴァートらとコラボを果たしている。
- 時にはルーパーを扱った一人パフォーマンスも得意としており、主にボイスパーカッションやギターなどをサウンドトラックに組み込んで演奏している。尚、ルーパーは本人による特注のもの。
- 地元サフォーク州に本拠地を置くサッカークラブ、イプスウィッチ・タウンFCのサポーターとしても知られており、しばしば現地観戦する様子を目撃されている他、2021年5月6日には、2021-22シーズンの1年契約で男女両トップチームのユニフォームスポンサーとなり、胸元に「+―=÷× TOUR」のロゴがプリントされた。
- 熱烈なクリケットのファンであり、イングランド代表の国際試合をクリケットの聖地と呼ばれるロンドンのローズ・クリケット・グラウンドや海外のスタジアムで観戦することが頻繁にある。
ディスコグラフィ[編集]
アルバム[編集]
年 | タイトル | アルバム詳細 | チャート最高位 | 認定 | |||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
UK | AUS | CAN | DEN | FRA | GER | IRE | NZ | SWE | US | ||||
2011 | + |
|
1 | 1 | 5 | 13 | 44 | 12 | 1 | 1 | 20 | 5 | 全10認定[表示] |
2014 | x |
|
1 | 1 | 1 | 1 | 5 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 全9認定[表示] |
2017 | ÷ |
|
1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 全9認定[表示] |
2019 | No.6 コラボレーションズ・プロジェクト |
|
1 | 1 | 1 | 2 | 2 | 2 | 1 | 1 | 1 | 1 | 全8認定[表示] |
2021 | = |
|
1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 全1認定[表示] | |
2023 | ー |
|
1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | BPI: Gold |
2023 | Autumn Variations |
|
シングル[編集]
年 | タイトル | チャート最高位 | 認定 | 収録アルバム | |||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
UK | AUS | CAN | DEN | FRA | GER | IRE | NZ | SWE | US | ||||
2011 | The A Team | 3 | 2 | 29 | — | 43 | 9 | 3 | 3 | 27 | 16 | 全7認定[表示] | + |
You Need Me, I Don't Need You | 4 | 74 | — | — | — | — | 19 | — | — | — |
| ||
Lego House | 5 | 4 | 54 | — | — | 51 | 5 | 5 | — | 42 | 全6認定[表示] | ||
2012 | Drunk | 9 | 9 | — | — | — | — | 7 | 23 | — | — | 全4認定[表示] | |
Small Bump | 25 | 14 | — | — | — | — | 17 | 11 | — | — | 全3認定[表示] | ||
Give Me Love | 18 | 9 | 94 | — | — | 71 | 10 | 12 | — | — | 全6認定[表示] | ||
2013 | I See Fire | 13 | 10 | 21 | 3 | 72 | 2 | 8 | 1 | 1 | — | 全5認定[表示] | The Hobbit:The Desolation of Smaug |
2014 | Sing | 1 | 1 | 4 | 15 | 5 | 7 | 1 | 1 | 22 | 13 | 全8認定[表示] | × |
Don't | 8 | 4 | 7 | 8 | 41 | 17 | 11 | 6 | 22 | 9 | 全8認定[表示] | ||
Thinking Out Loud | 1 | 1 | 2 | 1 | 4 | 6 | 1 | 1 | 2 | 2 | 全9認定[表示] | ||
2015 | Bloodstream
(with Rudimental) |
2 | 7 | — | — | — | — | 13 | 2 | — | — | 全5認定[表示] | We the Generation |
Photograph | 15 | 9 | 4 | 8 | 9 | 4 | 3 | 8 | 20 | 10 | 全8認定[表示] | × | |
2017 | Castle on the Hill | 2 | 2 | 2 | 2 | 3 | 2 | 2 | 2 | 2 | 6 | 全9認定[表示] | ÷ |
Shape of You | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 全9認定[表示] | ||
Galway Girl | 2 | 2 | 16 | 2 | 15 | 5 | 1 | 3 | 3 | 53 | 全9認定[表示] | ||
Perfect | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 全9認定[表示] | ||
2018 | Happier | 6 | 16 | 22 | 11 | 73 | 16 | 5 | 11 | 9 | 59 | 全9認定[表示] | |
2019 | I Don't Care
(with Justin Bieber) |
1 | 1 | 2 | 1 | 5 | 2 | 1 | 2 | 1 | 2 | 全9認定[表示] | No.6 コラボレーションズ・プロジェクト |
Cross Me
(feat. Chance the Rapper and PnB Rock) |
4 | 5 | 12 | 9 | 86 | 23 | 6 | 6 | 13 | 25 | 全6認定[表示] | ||
Beautiful People
(with Khalid) |
1 | 4 | 6 | 3 | 34 | 5 | 2 | 2 | 3 | 13 | 全8認定[表示] | ||
Blow
(with Chris Stapleton and Bruno Mars) |
— | 31 | 39 | — | — | 93 | — | — | — | 60 | 全1認定[表示] | ||
Best Part of Me
(feat. Yebba) |
— | 17 | 44 | 35 | 162 | 55 | — | 13 | 41 | 99 | 全2認定[表示] | ||
Antisocial
(with Travis Scott) |
— | 11 | 17 | 8 | 102 | 23 | — | 9 | 21 | 37 | 全5認定[表示] | ||
South of the Border
(feat. Camila Cabello and Cardi B) |
4 | 12 | 14 | 18 | 75 | 33 | 6 | 14 | 14 | 49 | 全8認定[表示] | ||
Take Me Back to London
(feat. Stormzy) |
1 | 29 | 59 | 26 | — | 68 | 7 | 29 | 44 | — | 全3認定[表示] | ||
2020 | Afterglow | 2 | 7 | 10 | 27 | 129 | 10 | 2 | 12 | 13 | 29 | 全4認定[表示] | |
2021 | Bad Habits | 1 | 1 | 1 | 1 | 4 | 1 | 1 | 1 | 2 | 2 | 全5認定[表示] | = |
Shivers | 1 | 2 | 4 | 3 | 10 | 1 | 1 | 3 | 1 | 6 | 全2認定[表示] | ||
Overpass Graffiti | 4 | 8 | — | — | 64 | 17 | 4 | 10 | 19 | 41 | |||
Merry Christmas (with Elton John) | 1 | 10 | 16 | 12 | 20 | 4 | 1 | 11 | 3 | 42 | |||
2022 | Peru (with Fireboy DML) | 2 | ー | 37 | ー | 40 | ー | 7 | ー | 35 | 53 | ||
The Joker and the Queen
(feat. Taylor Swift) |
2 | 11 | 12 | 33 | 170 | 37 | 5 | 26 | 27 | 21 | = | ||
Sigue
(with J Balvin) |
96 | ー | 63 | ー | ー | ー | 87 | ー | 99 | 89 | |||
Forever My Love
(with J Balvin) |
ー | ー | ー | ー | ー | ー | ー | ー | ー | ー | |||
2step
(feat. Lil Baby) |
9 | 40 | 21 | 11 | 35 | 41 | 9 | ー | 1 | 48 | = | ||
Are You Entertained
(with Russ) |
47 | 45 | 41 | ー | ー | ー | 43 | 20 | 52 | 97 | |||
Noche de Novela
(with Paulo Londra) |
ー | ー | ー | ー | ー | ー | ー | ー | ー | ー | Back to the Game | ||
My G
(with Aitch) |
6 | ー | ー | ー | ー | ー | 32 | ー | ー | ー | Close to Home | ||
Groundwork
(with Big Narstie and Papoose) |
ー | ー | ー | ー | ー | ー | ー | ー | ー | ー | |||
Celestial | 6 | 35 | 63 | 34 | 73 | 46 | 23 | ー | 27 | ー | |||
2023 | F64 | 50 | ー | ー | ー | ー | ー | 64 | ー | 65 | ー | ||
Eyes Closed | 1 | 6 | 4 | 8 | 32 | 13 | 4 | 10 | 10 | 19 | - | ||
Boat | 15 | 48 | 71 | ー | ー | ー | 21 | 23 | 69 | ー | |||
Life Goes On (feat. Luke Combs) | 29 | 23 | 27 | ー | ー | ー | 19 | 33 | ー | 66 | |||
A Beautiful Game | ー | ー | ー | ー | ー | ー | ー | ー | ー | ー | |||
American Town | 27 | 86 | ー | ー | ー | ー | 46 | ー | 25 | ー | Autumn Variations | ||
The Great British Bar Off
(with Devlin) |
ー | ー | ー | ー | ー | ー | ー | ー | ー | ー | The James Devlin Album | ||
"—"は未発売またはチャート圏外を意味する。 |
ツアー[編集]
- + Tour (2011–13)
- x Tour (2014–2015)
- ÷ Tour (2017–2019)
- +–=÷x Tour (2022–2023)
受賞歴[編集]
年 | 音楽賞 | 賞 | 対象 | 結果 |
---|---|---|---|---|
2012年 | ブリット・アワード2012 | 最優秀ブリティッシュ・ブレイクスルー・アクト賞 | エド・シーラン | 受賞 |
2012年 | ブリット・アワード2012 | 最優秀男性ソロ・アーティスト賞 | エド・シーラン | 受賞 |
2012年 | ブリット・アワード2012 | 最優秀ブリティッシュ・シングル賞 | The A Team | ノミネート |
2012年 | ブリット・アワード2012 | 最優秀アルバム賞 | + | ノミネート |
2013年 | 第55回グラミー賞 | 最優秀楽曲賞 | The A Team | ノミネート |
2014年 | 第56回グラミー賞 | 最優秀新人賞 | エド・シーラン | ノミネート |
2015年 | MTVヨーロッパ・ミュージック・アワード | 最優秀ライブ・アクト賞 | エド・シーラン | 受賞 |
2015年 | 第57回グラミー賞 | 最優秀アルバム賞 | X | ノミネート |
2015年 | 第57回グラミー賞 | 最優秀ポップ・ボーカル・アルバム | X | ノミネート |
2015年 | 第57回グラミー賞 | 最優秀ヴィジュアル・メディア・ソング | I See Fire | ノミネート |
2015年 | ブリット・アワード2015 | 最優秀ブリティッシュ男性ソロ・アーティスト賞 | エド・シーラン | 受賞 |
2015年 | ブリット・アワード2015 | 最優秀ブリティッシュ・アルバム賞 | X | 受賞 |
2015年 | ブリット・アワード2015 | 最優秀ブリティッシュ・シングル賞 | Thinking Out Loud | ノミネート |
2015年 | ブリット・アワード2015 | 最優秀ブリティッシュ・ビデオ賞 | Thinking Out Loud | ノミネート |
2015年 | エコー賞 | 最優秀インターナショナル・男性ソロ・アーティスト賞 | エド・シーラン | 受賞 |
2016年 | 第58回グラミー賞 | 最優秀楽曲賞 | Thinking Out Loud | 受賞 |
2016年 | 第58回グラミー賞 | 最優秀レコード賞 | Thinking Out Loud | ノミネート |
2016年 | 第58回グラミー賞 | 最優秀ポップ・ソロ・パフォーマンス賞 | Thinking Out Loud | ノミネート |
2016年 | ブリット・アワード2016 | 最優秀ブリティッシュ・シングル賞 | Bloodstream | ノミネート |
2016年 | ブリット・アワード2016 | 最優秀ブリティッシュ・ビデオ賞 | Photograph | ノミネート |
2016年 | エコー賞 | 最優秀インターナショナル・男性ソロ・アーティスト賞 | エド・シーラン | 受賞 |
2018年 | 第60回グラミー賞 | 最優秀ポップ・ソロ・パフォーマンス | "Shape of You" | 受賞 |
2018年 | 第60回グラミー賞 | 最優秀トラディショナル・ポップ・ボーカル・アルバム | 『÷』 | 受賞 |