You can edit almost every page by Creating an account. Otherwise, see the FAQ.

ウルトラマン

提供:EverybodyWiki Bios & Wiki
移動先:案内検索

ウルトラマン』は、1966年(昭和41年)7月17日から1967年(昭和42年)4月9日まで、TBS系列で毎週日曜19:00 - 19:30(JST)に全39話が放送された、TBS・円谷プロダクション制作の特撮テレビドラマ、およびその作中に登場する巨大変身ヒーローの名称である。

武田薬品の一社提供枠「タケダアワー」内で放送。TBSにて最初にカラーで放送された特撮テレビ番組でもある。『ウルトラQ』放送中の1966年4月1日に、初めてマスコミに公開された。

本作品はテレビドラマ(以下、テレビシリーズ)の他、漫画や劇場用映画、小説、テレビゲームなどでメディア展開も行われているが、本項目ではテレビシリーズを中心に記述する。また、本作品に続いて放送された一連の番組、およびその作中に登場する巨大変身ヒーローも「ウルトラマン」と総称される場合があり、便宜上これら後続作品のヒーローと区別するため、本作品に登場するウルトラマンを「初代ウルトラマン」と呼ぶ場合もある。種族としてのウルトラマンについては#ウルトラマンを参照。

概要[編集]

本作品は、怪獣や宇宙人によって起こされる災害や超常現象の解決に当たる科学特捜隊と、それに協力するM78星雲光の国の宇宙警備隊員であるウルトラマンの活躍劇である。作中に登場する怪獣が好評だった『ウルトラQ』に続く「空想特撮シリーズ」の第2作として、『ウルトラQ』の世界観を継承する番組として制作・放映された。オープニングタイトルの流れはカラー化された『ウルトラQ』のタイトルロゴ映像から赤画面になり、上に『ウルトラマン』、下に「空想特撮シリーズ」とクレジットされる。

番組フォーマットは、タケダアワーのOP→タイトル画面→CM→OPテーマ→本編(途中でCMを挟まずラストまで放送)の順番で、本編開始の画面下には『カラー』のマークがあった。

テレビシリーズがスタートするや否や『ウルトラQ』を凌ぐ人気番組となり、本放送時の第1話の視聴率は34.4%、平均視聴率は36.8%、最高視聴率は42.8%(1967年3月26日放送の第37話。ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録。テレビシリーズの放送終了後もその人気が衰えることはなく、最初に行われた再放送でも平均視聴率が18%台を記録した。海外でも1970年代から100を超える国・地域で放映されてきた。

テレビシリーズ初放映から半世紀以上が経過した今日も世代を問わず高い認知度を誇り、『決定! これが日本のベスト100』(テレビ朝日系列)の2002年9月8日放送分「特撮&アニメ ヒーロー&ヒロインベスト100」の第2位にランクインしている。固有名詞としての「ウルトラマン」は、『広辞苑』の見出しにも記載されている。また、第39話(最終回)でウルトラマンがゼットンに倒されたシーンは、初放映当時の子供たちに少なからぬ衝撃を与え、影響を受けたと語る著名人も多い。前田日明は「ウルトラマンの敵(かたき)を討ってやる!」と、格闘技を始めたきっかけになったことを語っている。

商業的にも成功を収め、本作品やそのキャラクターに関連する商品は玩具だけでなく、生活用品などあらゆる分野で発売されている。商業的側面から本作品で特筆すべき点は、日本のテレビ番組で初めて商品化権の入札制度を導入したことである。本作品が制作される以前は、テレビ局の担当者とコネがある業者が商品化権を取得していたが、本作品で前述の制度が導入されて以降は金のあるものから優先的に商品化権取得の機会が与えられるようになった。もっとも、実際のところは『ウルトラQ』を商品化したマルサン商店などの業者が優遇されており、本格的に入札制度が機能するのは『キャプテンウルトラ』以降である。

物語の骨子[編集]

科学特捜隊のハヤタ隊員は小型ビートルで青い球体と赤い球体を追跡するが、赤い球体と衝突したうえに墜落死してしまう。

赤い球体の正体はウルトラマンだった。M78星雲人の彼は、宇宙の墓場への護送中に逃亡した宇宙怪獣ベムラー(青い球体の正体)を追って地球までやって来た。そして、自分の不注意でハヤタを死なせたことに対する罪の意識からウルトラマンは、ハヤタに自分の命を分け与えて地球の平和を守るために戦うことを決意。こうして、ウルトラマンとハヤタは一心同体となった。

以後、ハヤタはベーターカプセルを点火させてウルトラマンに変身し、怪獣や宇宙人と戦う。

ウルトラマン[編集]

諸元
ウルトラマン
身長 40 m
体重 3万5千 t
キック力 320文の威力がある
腕力 10万 tタンカーを持ち上げる
ジャンプ力 800 m
走行速度 時速450 km
飛行速度 マッハ5
水中速度 200 kt
地中速度 マッハ3
年齢 約2万歳

ドラマのクライマックスで登場し、怪獣や宇宙人と戦う巨人。その正体はM78星雲光の国出身の宇宙人である。宇宙警備隊員として、怪獣墓場に護送中に逃走した宇宙怪獣ベムラーを追跡して地球を訪れ、誤って死なせてしまった科学特捜隊のハヤタ隊員に自分の命を共有して一心同体となり、地球の平和を守るために戦うことを決意する。

普段はハヤタの姿で行動するが、有事の際にはベーターカプセルを点火させてウルトラマンに変身し、怪獣や宇宙人と戦う。

ごく一部の例外を除き、原則として地球人とは会話せず、感情などは動きだけで表現し、「シュワッチ」あるいは「シュワッ」などと表記される数種の掛け声のみを発することがほとんどである。

  • 腰を屈めた前傾姿勢のファイティングスタイルは、怪獣と対峙した際に相手の力量を見極めるための構えで、映画『理由なき反抗』でジェームズ・ディーンが身構えたポーズを真似している。美センのホリゾントが見切れるため、話数を経るごとに猫背が低くなっていったという。また、構えの手も空手の流れでグーではなく、パーになっている。にせウルトラマンにチョップした際に痛がっていたのは、古谷が実際に痛がっていたものであるという。

スタッフ[編集]

※参考文献:『キャラクター大全ウルトラマン全調査報告』(講談社・2012年)

  • 監修 - 円谷英二
  • 制作 - 市川利明(第1 - 13話)、末安昌美(第14 - 39話)、三輪俊道(TBS)
  • 脚本 - 金城哲夫、千束北男(飯島敏宏)、山田正弘、南川竜(野長瀬三摩地)、藤川桂介、佐々木守、海堂太郎(樋口祐三)、若槻文三、上原正三、関沢新一、宮田達男
  • 本編
    • 監督 - 円谷一、飯島敏宏、野長瀬三摩地、満田かずほ、実相寺昭雄、樋口祐三、鈴木俊継
    • 撮影 - 内海正治(制作第4 - 39話)、福沢康道(制作第4 - 39話)、鈴木斌(制作第4 - 39話)
    • 照明 - 山口偉治(制作第4 - 39話)、高島利雄(制作第4 - 39話)
    • 美術 - 岩崎致躬(制作第4 - 39話)
    • 音楽 - 宮内國郎
    • 効果 - 西本定正(制作第4 - 39話)、荒川与志雄、知久長
    • 編集 - 兼子玲子(制作第1 - 3話)、近藤久(制作第4 - 39話)、柳川義博(制作第4 - 39話)、小倉昭夫(制作第4 - 39話)
    • 編集助手 - 泉典彦、小林煕昌(制作第4 - 39話)、小倉昭夫
    • 録音 - キヌタ・ラボラトリー
    • 助監督 - 東條昭平、吉高勝之、鈴木俊継、大平隆
    • 制作担当者 - 熊谷健(制作第4 - 39話)、守田康司、久東晃、上村宏、原田昇、篠塚正弘
    • 現像 - 東京現像所
    • オプチカル - 東京テレビ映画
    • 協力制作 - 朝日放送(26,27)
    • 協力 - 大阪タワー株式会社(26,27)
  • 特殊技術
    • 高野宏一(第12・13話は名義のみ)、的場徹、有川貞昌
    • 撮影 - 高野宏一(制作第1 - 3話)、佐川和夫(制作第4 - 39話)、森喜弘、鈴木清(制作第4 - 39話)
    • 照明 - 小林哲也、原勲(制作第24 - 39話)
    • 美術 - 成田亨、深田達郎、大瀬賢一(第26話 - )、池谷仙克
    • 怪獣・怪獣ミニチュア制作 - 高山良策、佐々木明(第2・3・9・16話)、エキスプロダクション(第8(スフラン)・20・25(ギガス)・29・30話)、開米栄三、東宝特殊美術部(第5・10話)、円谷プロ特殊美術スタッフ
    • 機電 - 倉方茂雄
    • メカニック制作 - 郡司模型製作所
    • 光学撮影 - 中野稔、川北紘一(タイトルバック合成、変身シーン)
    • 助監督 - 鈴木俊継(制作第4 - 39話)、山本正孝、大木淳
    • 記録 - 鈴木徳子
  • 製作進行 - 熊谷健(制作第1 - 3話)、梅本正明(制作第4 - 39話)、太田勝正(制作第4 - 39話)
  • 製作デスク - 新野悟
  • 制作 - TBS、円谷プロダクション

誕生過程[編集]

本作品の企画が始動したのは、1965年8月ごろのことだった。当時、第2クールを制作中の『ウルトラQ』が日曜19時台にて翌年1月2日からスタートとほぼ決定したことも追い風となり、TBSプロデューサーのと円谷特技プロ企画文芸部室長・金城哲夫が中心となってさまざまなアイデアが出されていった。TBSはかなり早い段階で、4つの条件を円谷特技プロに提示している。

  1. 海外への番組販売を考慮してカラーフィルムで制作する。
  2. 「ベムラー」という、怪獣と互角に戦える、正義のモンスターをシリーズを通じての主人公にする。
  3. スピンオフとして『ウルトラQ』のレギュラー俳優を1人残す。
  4. 自然な展開のために怪獣事件を専門に扱う公的機関

会議の中では「主人公が怪獣では問題がある」という意見も強く、監修者の円谷英二からも「スーパーマンのようなヒーローを」との提案が出された。また、この時期に円谷が特技監督を担当した東宝特撮映画で、人間に味方する巨人と凶暴な怪獣が死闘を展開する『フランケンシュタイン対地底怪獣』(1965年・東宝)が公開されており、この映画も本作品の企画に少なからず影響を与えていると言われている。

ここでフジテレビ用に企画されていた番組『WoO』の「人間に味方する友好的宇宙人の活躍」というアイデアが流用され、『科学特捜隊ベムラー』というSF活劇の企画書が作成された。この企画書では、「本部をパリに置き、警察の手に負えない常識を越えた異変や怪事件を専門に調査する科学特捜隊の日本支部」と彼らに協力する正体不明の正義の宇宙人ベムラーが設定されている。「飛行機事故で消息を絶った主人公がヒーローになって生還する」という設定はこの時点ですでに見られるが、主人公とベムラーの関係は企画書には明記されていない。科学特捜隊のサコミズが変身することは決まっていたものの、あえて変身の描写はオミットされ、ベムラーの正体はぼかす方向性であったという。また、変身アイテムもなく、変身時に両腕を掲げ、忍術のようなポーズをとっていた。この時点では、平田昭彦と藤田進の配役が予定されていた指揮班があった。

渡辺明がデザインしたベムラーの容姿は日本の伝説上の生物・烏天狗を思わせる翼を持つスマートなもので、関係者から「敵怪獣との区別がつきにくい」や「ヒーローとしてのキャラクター性が弱い」との指摘があった。そこで『ベムラー』企画は再検討され、新たに『科学特捜隊レッドマン』が企画されることとなった。この企画書では、正義の怪獣ではなく「甲冑を思わせるような赤いコスチューム」をまとった謎のヒューマノイドタイプの宇宙人として設定されている。身長は2メートルから40メートルまで伸縮自在と設定されている。また、変身時間の制限も導入された。主人公とヒーローの関係についても「飛行機事故でサコミズを死なせた宇宙人レッドマンが責任を取ってサコミズの肉体を借りる」と明記され、後の完成作品におけるウルトラマンの設定の基本的な部分は完成していた。その一方、レッドマンは故郷がX星人の侵略で滅亡している遊星人であること、サコミズ本人はすでに死亡してその心はレッドマンであること、サコミズには人気歌手の恋人・由木ひかるがいることなど、完成作品との相違部分もある。

こうして成田亨が担当したレッドマンのデザインは火星の運河状のラインをもつスマートなボディで、幾分かヒーロー的になったものの、拵井はもっとシンプルでインパクトのあるメタリックカラーを基調としたデザインを要求した。また、前述のように本作品はアメリカへのセールスを前提としており、アメリカの事情に詳しいTBS編成局企画部の大谷乙彦らが海外輸出を考慮して「今の形では外国人には受け入れられない。もっと無表情な鉄仮面のようなものの方が謎があっていい」などと提案した。こうして試行錯誤した結果、生命感のある究極なる徹底した単純化を図ったレッドマンのデザインが完成した。成田は、デザインを描かずにマスクの原型を佐々木明に依頼したが、最後はアトリエに篭って一人で完成させた。

「ベムラー」の名は、第1話に登場する怪獣の名前として残された。脚本家の関沢新一は、円谷英二から企画の相談を受けた際に、自身が『ウルトラマン』という題名を言ったのかもしれないと述べている。

制作背景[編集]

前作の『ウルトラQ』は放送前に全話の撮影を終了させていたが、本作品は放映と平行して制作する一般的なドラマのスタイルとなった。TBSから支給された予算は1クールにつき7000万円(1本約538万円)、本編のクランクインは1966年3月16日だった。

本作品は、ほぼ同時期に放映された『マグマ大使』とともにカラー放送による連続テレビ映画の草分けだったうえ、巨大な宇宙人を主人公とする大がかりな特撮中心のドラマは世界にも類例が存在しないため、番組制作は苦難の連続だった。

『ウルトラQ』では、円谷英二の「16mmのクォリティでは特撮はできない」との主張で劇場映画用と同じ35mmフィルムで撮影し、放映用フィルムとして16mmに縮小するという手法が採られた。この手法によりテレビ作品としては異例のクオリティを得られたが、フィルム代で予算が圧迫される問題が発生した。本作品では高価なカラーフィルムを使用することから、合成カットのみ35mm、それ以外は本編・特撮とも16mmとすることで、合成映像の不自然さを低減させつつコストダウンを図った。しかしカラー撮影のノウハウが少ないため、調整や取り直しなどで時間やフィルムを浪費することとなり、3月中旬まで飯島敏宏組の本編クランクインはずれ込んでしまう。

撮影では飯島敏宏監督によるAブロック(放映第2話、第5話、第3話)は本編・特撮を同一スタッフが手がける一斑編成で開始したが、カラーフィルムの入念なテスト(色彩設計や照明の光量など)やウルトラマンの着ぐるみの度重なる塗り直し(初期は、ラテックス製のマスクと未塗装の黒いウェットスーツを使用していた)などカラー撮影にまつわる細々とした対応の他、操演中のジェットビートルをホリゾントにぶつけて大破させるなどの事故も重なり撮影は遅々として進まず、野長瀬三摩地監督のBブロック(放映第7話、第4話、第6話、第9話)からは制作費的にも合理的な別班編成に変更された。Bブロックは円谷一監督によるCブロック(放映第1話と第8話)の本編シーンの撮影を優先したため、完成済みの第7話を除いて後回しにされた。第1話に先駆けて放映されたテレビ番組『ウルトラマン前夜祭 ウルトラマン誕生』のおかげで、なんとか無事に放映が始まったものの、スケジュールは次第に切迫し、特撮を2班編成にしてもその遅れは間に合わなくなってきた。円谷英二のダメ出しによる撮り直しだけでなく、スタジオと撮影機材のレンタル費、脚本費、俳優費、スタッフ費も大きな負担になっており、1本平均の直接制作費が450万~470万円になるなど予算・時間共に余裕の無い状況となっていた。ソフビ人形などのマーチャンダイジングの収益が、版権所有各社で莫大な版権使用料として分配されることで、円谷特技プロの運営はようやく安定していた。

そのため、番組の続行を望むTBS側とこれ以上の続行は不可能とする円谷特技プロとの間で協議が重ねられ、「赤字はともかく、週1回の放送に間に合わないのが確実になった」ために、1967年初頭に高視聴率を維持していながらも第4クール目の発注が断念され、3クール39話の放送で一旦終了することが決定した。



Read or create/edit this page in another language[編集]