ウォルト・ディズニー・カンパニー
ウォルト・ディズニー・カンパニー(The Walt Disney Company)、通称ディズニー(Disney[ˈdɪzni])は、カリフォルニア州バーバンクのウォルト・ディズニー・スタジオに本社を置く、アメリカ合衆国の多国籍マスメディア・エンターテイメント複合企業。
ウォルト・ディズニーは1921年にラフォグラム・フィルムを創設したが、約2年で破産する。その後、1923年10月16日にウォルトは兄のロイ・O・ディズニーと共にディズニー・ブラザース・カートゥーン・スタジオ(Disney Brothers Cartoon Studio)を設立した。その後はウォルト・ディズニー・スタジオ(The Walt Disney Studio)やウォルト・ディズニー・プロダクション(Walt Disney Productions)という名称で運営されていたが、1986年に正式にウォルト・ディズニー・カンパニーに社名を変更した。
1980年代以降、ディズニーは従来の家族向け主力ブランド以外にも、大人向けのコンテンツを制作するために、企業部門を設立・買収してきた。主要産業のウォルト・ディズニー・スタジオの傘下には、ディズニーの中核である長編アニメーション作品製作会社のウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオやピクサーを統括するウォルト・ディズニー・ピクチャーズ、実写映画製作会社のマーベル・スタジオ、ルーカスフィルム、20世紀スタジオ、舞台やイベントを企画・運営するディズニー・シアトリカル・グループなどがある(その他詳細はこちらを参照)。その他の主な事業部門には、テレビ、放送、ストリーミングメディア、テーマパーク・リゾート、コンシューマープロダクツ、出版、国際事業などがある。
これらの様々な部門を通じて、ディズニーは、ABC放送ネットワーク、ディズニー・チャンネル、ディズニーXD、ディズニージュニア、ESPN、フリーフォーム、FX、ナショナル ジオグラフィックなどのケーブルテレビネットワークはウォルト・ディズニー・テレビジョンが、所有・運営しており、出版、マーチャンダイジング、ディズニー・ミュージック・グループ、Disney+、Hulu、ESPN+、Hotstarなどの消費者直接取引のストリーミング・サービスはディズニー・メディア&エンターテイメント・ディストリビューションが所有・運営、東京ディズニーリゾートを除くディズニーのテーマパークやウォーターパーク、ディズニーストア、ザ・マペッツ・スタジオ、リゾートホテル、キャスタウェイ・ケイ島、クルーズラインからなるグループはディズニー・パークス・エクスペリエンス・プロダクツが所有・運営している。
日本法人はウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社(ウォルト・ディズニー・インターナショナル)。
歴史[編集]
1923年 - 1934年 創立、ミッキーマウス、シリー・シンフォニー[編集]
- 1923年10月16日 - ディズニー・ブラザース・カートゥーン・スタジオ(Disney Brothers Cartoon Studio)ウォルト・ディズニー、ロイ・O・ディズニーの共同経営で開始。
- 1926年 - 社名をウォルト・ディズニー・スタジオ(The Walt Disney Studio)とする。
- 1928年 - 配給先をセレブリティ・ピクチャーズと契約を結ぶ。
- 1929年 - 社名をウォルト・ディズニー・プロダクション(Walt Disney Productions)とする。
- 1930年 - 配給先をコロンビア ピクチャーズに変更。
- 1932年 - 配給先をユナイテッド・アーティスツに変更。
1934年 - 1949年 長編映画、ストライキ、第二次世界大戦[編集]
- 1937年 - 配給先をRKOに変更。
- 第二次世界大戦 - 会社が米軍の私物となり、ウォルトの単独経営でプロパガンダ映画製作を続行。
- 1938年9月29日 - カリフォルニア州法に基づく法人を設立。
- 1941年 - 労働環境に対する大規模ストライキが発生(ディズニーアニメーターのストライキを参照)。
- 1945年 - 代表取締役会長にウォルト、代表取締役社長にロイ。
1950年 - 1967年 実写映画、テレビ、ディズニーランド、ウォルト・ディズニーの死去[編集]
- 1954年 - RKOと契約を解消し、独自にブエナ・ビスタ・ディストリビューションを設立する。
- 1955年7月17日 - ディズニーランド(ディズニーランド・リゾート)が開園。
- 1959年 - ディズニーは海外へのテーマパーク進出のため日本の手賀沼に手賀沼ディズニーランドを構想。
- 1966年 - ウォルト・ディズニー死去。
1968年 - 1984年 ロイ・O・ディズニーのリーダーシップと死、ウォルト・ディズニー・ワールド、アニメーション部門の低迷、タッチストーン・ピクチャーズ[編集]
- 1968年 - 代表取締役会長にロイ、代表取締役社長にドン・B・テータム。
- 1971年
- 10月1日 - マジック・キングダムなどを含むウォルト・ディズニー・ワールド・リゾートが開園。
- 12月20日 - ロイ・O・ディズニーは亡くなり、代表取締役会長にドン、代表取締役社長にウォルト側近のE・カードン・ウォーカー。
- 1978年 - ニューヨーク証券取引所(インターコンチネンタル取引所)に上場。
- 1979年4月30日 - ウォルト・ディズニー・カンパニーは再び国外テーマパーク建設構想にあたり、日本の京成電鉄のグループであるオリエンタルランドとの業務提携契約を取り交わす。
- 1980年 - 経営執行委員会議長にドン、代表取締役会長にウォーカー、代表取締役社長にロナルド・W・ミラー(ウォルトの長女ダイアン・ディズニー・ミラーの夫)。
- 1984年 - フロリダ建設資金のため市場へ放出した株式がソール・スタインバーグ (ビジネスマン)(英語版)に買い集められ、騒動が発生。
1984年 - 2005年 マイケル・アイズナーのリーダーシップ、ディズニー・ルネッサンス、合併、買収[編集]
- 1984年 - 会長にマイケル・アイズナー(パラマウント・ピクチャーズ社長)、社長にフランク・ウェルズ(ワーナー・ブラザース元社長)。「奇跡」と呼ばれた発展を遂げることになる。
- 1986年
- 2月6日 - 「ウォルト・ディズニー・プロダクション」(Walt Disney Productions)は「ザ・ウォルト・ディズニー・カンパニー」へ商号変更。
- 11月24日 - カリフォルニア州法で設立された法人から、デラウェア州法人として「ウォルト・ディズニー・カンパニー」を再設立。
- 1995年
- 7月28日 - キャピタル・シティーズ/ABCインク買収に絡み、「ザ・ウォルト・ディズニー・カンパニー」が100%子会社としてDCホールドコ・インクを設立。
- 8月11日 - アメリカン・ブロードキャスティング・カンパニー(ABC)の買収が完了。
- 1996年
- 同年 - ディズニーはバハマ(バハマ諸島)にある無人島を買収。キャスタウェイ・ケイと改名、ディズニーのプライベートアイランドとなった。
- 2月9日 - 「ザ・ウォルト・ディズニー・カンパニー」は「ディズニー・エンタープライゼズ・インク」へ、「DCホールドコ・インク」はザ・ウォルト・ディズニー・カンパニーへ各々商号変更。
- 1997年 - メジャーリーグベースボール(MLB)の球団であるアナハイム・エンゼルス(現・ロサンゼルス・エンゼルス)の経営に携わる。
- 2003年
- 2月10日 - ウォルト・ディズニー&ミッキーマウスとロイ・O・ディズニー&ミニーマウスのパートナーズ・ブロンズ像が本社入り口に設置される。
- 5月 - アナハイム・エンゼルスをメキシコ系アメリカ人のアルトゥロ・モレノに売却。
- 2004年2月 - ジム・ヘンソンが製作しているセサミストリートなどに登場し、カーミットを主役とするマペットシリーズを完全買収(ザ・マペッツ・スタジオを参照)。
2005年 - 現在 ボブ・アイガーの最初の任期、チャペックのリーダーシップ、、ボブ・アイガーの復帰、拡張とDisney+[編集]
- 2005年11月7日 - リビング・モバイルを買収。
- 2006年1月25日 - ピクサー・アニメーション・スタジオの買収を完了。
- 2009年
- 7月28日 - ゲーム開発企業のプレイダムを買収。
- 8月31日 - マーベル・エンターテインメントの買収を完了。
- 9月16日 - 「HALOシリーズ」などのワイド・ロード・ゲームスを買収。
- 2012年
- 2月 - インドのUTVを買収。
- 10月31日 - ルーカスフィルムの買収を完了。
- 2013年12月10日 - パラマウント・ピクチャーズから「インディ・ジョーンズ シリーズ」の権利を完全買収。
- 2016年
- 5月26日 - 大手映画製作会社のワーナー・ブラザースの完全買収をディズニーが検討していたと報道。
- 9月26日 - ディズニーがTwitterを買収する方針と報道される。
- 9月27日 - ディズニーがTwitter買収に向けて、アドバイザーと協議する。
- 10月19日 - Twitter買収を断念。
- 2017年12月14日 - 21世紀フォックスのテレビ・映画部門(20世紀フォックスなど)を買収を発表(ディズニーによる21世紀フォックスの買収を参照。)。
- 2019年
- 3月20日 - 21世紀フォックスの買収が正式に完了。
- 5月15日 - Huluの全経営権を取得。
- 11月12日 - Disney+を配信開始。
- 2020年
- 4月20日 - 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的流行により連邦政府がロックダウンや国家非常事態宣言を発令するなどの影響で経営悪化のため、 従業員10万人以上に対する給与支払いを停止することを発表。
- 5月24日 - NBAとディズニーが協議。
- 6月 - 5月26日にミネソタ州ミネアポリスにおいて黒人男性ジョージ・フロイドが白人警察デレク・ショーヴィンに殺害された事件のジョージ・フロイドの死を発端にアメリカ合衆国のみならず世界中で過去最大デモに発展したジョージ・フロイド抗議運動(ブラック・ライヴズ・マター)において抗議運動団体に多額の支援をする事をディズニー側から発表した。
- 7月16日 - 連邦政府のバー司法長官から直接「ディズニーやビッグ・テックなどの大手企業は中国政府(中国共産党)の手先」と中国市場への依存度を低下させるよう指摘。
- 7月18日 - 人種差別を象徴したFacebookに対して最大の広告主のディズニーがサービスをボイコット。
- 10月1日 - SARSコロナウイルス2(COVID-19)の世界的流行のため米国のテーマパーク事業(ディズニーランド・リゾートとウォルト・ディズニー・ワールド・リゾート)におけるキャスト2万8000人削減する事を発表。
- 2021年11月13日 - 7月から9月までの第3四半期でDisney+の有料会員が、ディズニー側の予想を遥かに上回る約1億6500万人に到達したと発表した。
- 2022年
- 3月1日 - ロシア(ロシア軍)によるウクライナ侵攻によって、ロシアは日本をはじめ世界各国の政府から大規模な制裁を受けている影響でディズニーも全ロシア国内での新作映画の上映を一時的に中止することを発表。
- 3月11日 - ロシアによるウクライナ侵攻によって、ロシアにおける全事業を停止すると発表。
- 11月 - ボブ・チャペックが業績不振を理由にCEOを解任され、その前任のボブ・アイガーが復帰した。
- 2023年
- 2月 - ディズニーは55億ドルのコスト削減を発表。従業員の3%に相当する7千人が一時解雇された。主要事業部門も3つに再編成された。
- 9月 - 大手ケーブルテレビ運営会社のチャーター・コミュニケーションズとの間で自社系列チャンネル料金を巡る価格交渉が難航したことから、同社へのチャンネル供給を停止した(後日、供給停止を解除)。
- 10月16日 - ウォルト・ディズニー・カンパニー創立100周年。
- 11月1日 - ディズニーはコムキャストに対し、Huluの未保有株33%分を86億1000万ドル(約1兆2900億円)で取得することを提案したと発表した。