アメリカ食品医薬品局
アメリカ食品医薬品局(アメリカしょくひんいやくひんきょく、英語: Food and Drug Administration、略称: FDA)は、アメリカ合衆国保健福祉省(Department of Health and Human Services, HHS)配下の政府機関。連邦食品・医薬品・化粧品法を根拠とし、医療品規制、食の安全を責務とする。
FDAは食品や医薬品、さらに化粧品、医療機器、動物薬、たばこ、玩具など、消費者が通常の生活を行うに当たって接する機会のある製品について、その許可や違反品の取締りなどの行政を専門的に行う。
食品については、所轄行政官庁が厚生労働省以外にも複数の官庁(農林水産省、経済産業省など)に渡る日本と異なり、FDAで一元的に管理しているとされる。しかし、食肉や鶏卵の衛生管理は農務省が所管しているなど、日本では厚生労働省が行っている業務の一部は他の官庁が実施している。日本の食品行政について、マスメディアで識者が指摘することの多い、日本の複数官庁にまたがる縦割り行政の問題を論ずる際の一つの比較例として、このFDAが良く引き合いに出されるが、この指摘は必ずしも正しくない。
2016年現在、FDAでは天然の大麻や、THCを含む製品を承認していない。理由として、安全性及び有効性が確認されたことがないからとしている。
責務[編集]
「 | 医薬品および動物用医薬品、生物学的製剤、医療機器、国内の食糧供給、化粧品、そして電磁波を放出するような製品の安全性と有効性を保証することによって国民の健康を守ることが、FDAの責務である。加えて、医薬品や食品をより効果的に、安全に、そしてより安価にするための技術革新を加速させることによって国民の健康を増進すること、そして国民が自らの健康を増進するために必要な医薬品や食料に関する正しい、科学に立脚した情報を国民に与えることもまた、FDAの責務である。 | 」 |
医薬品は規制物質法に基づき、スケジュールIからVのカテゴリーに区別して規制される。
予算[編集]
FDAの2005年度予算は18億4461万ドルで、約2000億円に相当する。アメリカの国家予算はおよそ8000億ドルのため0.2%程度だが、特徴的なのはFDAの予算の18億ドルのうちの3億ドル以上がユーザーズフィーという方式によって、FDAが承認審査する先の企業から回収されているということである。FDAの予算規模は90年代以降は増加し続けており、15年前のおよそ4倍にまで膨れ上がっている。