アメリカ合衆国の映画
本項では、アメリカ合衆国の映画(アメリカがっしゅうこくのえいが)について解説する。
主にアメリカ合衆国の人々や映画会社によって製作された映画のこと。特にカリフォルニア州ロサンゼルス郡ロサンゼルス市・ハリウッドの映画スタジオによって制作・製作された映画はハリウッド映画(ハリウッドえいが)と呼ばれる。
また、ハリウッドの大手映画会社による映画以外にも、ハリウッド以外の場所で小さな会社が作った映画や自主映画など小予算で製作した映画も含まれる。アメリカの映画に関わる映画メーカー・俳優はアメリカ合衆国籍とは限らず、世界各国から渡米した人々が多く、国際性が豊かである。
1910年代から1930年代末ごろにかけてが「ハリウッド黄金期」だったと近年では考えられている。
著作権の保護期間[編集]
著作権の保護期間は、他の国では公開後70年となる場合が多いが、米国の場合は少々複雑である。
以下の場合に米国での著作権が消滅し、パブリックドメインとなる。ただし、著作権保護制度や保護期間は国ごとに異なり、米国外では依然として著作権を有する場合がある。米国ではパブリックドメインであるが、日本では著作権の保護があるとして訴えた著名な例として、「ローマの休日」が挙げられる(最終的に日本でもパブリックドメインであることが確認された。ローマの休日#著作権問題も参照)。
- 1922年以前に公開(トーキーが開発される前なので全て製作当初サイレント映画、トーキーは後から追加)
- 「狂へる悪魔」「ジキル博士とハイド氏 (1920年のヘイドン監督の映画)」など
- 1977年までに製作・公開され、著作権表記が欠落
- 「ローマの休日」「シャレード(1963年版)」「風と共に去りぬ」「アフリカの女王」「キリマンジャロの雪」「エンブリヨ」「ルーシー・ショー」「ボナンザ」など
- 1989年3月1日までに製作・公開され、作品中に著作権表記がなく、且つ、著作権登録されなかった、又は手続き不備
- 「セカンド・サイト光と影の中で」「ハングマン」など
- 1963年までに製作・公開され、作品中に著作権表記があるものの公開から28年以内にリニュー(著作権再登録)をしなかった、又は手続き不備
- 「カサブランカ」「北北西に進路を取れ」「カンサス騎兵隊」「マクリントック」「バリ島珍道中」「雲流るるはてに」「恋愛準決勝戦」「白雪姫」など
- 製作会社が倒産し、版権が継承されなかった
- 「ガリバー旅行記」「ポパイ(フライシャー・スタジオ製作分)」など
上記以外は保護期間が公開後95年となる。
リニュー[編集]
1963年以前の作品は著作権標記が入っていても公開から28年以内にリニューを行わないと著作権が失効し、パブリックドメインとなる。リニューを行った場合は保護期間が公開後95年に延長される。リニューが行われた作品のパッケージの著作権標記は、例えば、以下の様になる。
- Copyright (C) 1963 Renewed (C) 1991 Wikipetan Films Corp. All Rights Reserved.
1963年以前の作品でパッケージの著作権標記にRenewの文字が見当たらないものはパブリックドメインの可能性が高い(但し、パッケージにRenewの標記があっても実際はリニューされずにパブリックドメインとなったものも多い)。
会社によって姿勢に差があり、20世紀フォックス、ユニバーサル、コロンビア、等は、まめにリニューを行っているのに対し、ワーナー、パラマウント、MGM、ユナイテッド・アーティスツ、等はリニューを行わなかったためにパブリックドメインとなった作品が多い。
政治色[編集]
アメリカで作られる著名な映画の多くは西海岸や東海岸といった伝統的にリベラルかつ多民族が住む地域で作られることが多く、政治的にもリベラル気風が強い。第二次世界大戦以降はマッカーシズムによるハリウッド映画界の大規模な魔女狩りを経てもやや愛国的、ノスタルジックな映画が人気を博していたが公民権運動やベトナム戦争といったアメリカそのものに対する不信感が蔓延してからはアメリカ映画界のリベラル気風は強まっていった。一方で愛国的な映画も国内では受けが良いためコンスタントに製作し続けられており、アメリカ映画の多様性を保持しているのも現実である。
また、アメリカでは芸能人の社会的地位が高いこともあって、政治的見解を隠さずにチャリティーや支持政党を公表することでも有名で、大統領選挙などの節目には俳優たちがそれぞれ自分が支持する政党や候補を応援しに行くことはアメリカ社会において当然の光景となっている。
一般的に民主党支持者は、
- ジェシカ・アルバ
- トム・ハンクス
- レオナルド・ディカプリオ
- ショーン・ペン
- ジョージ・クルーニー
- ジェイミー・フォックス
を初めとする演技派、有色人種や女優が多い。
一方共和党支持者は、
- アーノルド・シュワルツェネッガー
- クリント・イーストウッド
- ブルース・ウィリス
- シルベスター・スタローン
- チャック・ノリス
- メル・ギブソン
などアクション娯楽大作の雄や、熱心なキリスト教徒であることが多い。しかし、シュワルツェネッガーはリベラルの強いカリフォルニア州選出の知事を務めたこともあって同性婚や妊娠中絶、移民に寛容であり、イーストウッドもカリフォルニアのカーメル市長を務めイラク戦争に公然と反対するなど政治的には共和党左派(ロックフェラー・リパブリカン)とリベラルなハリウッド映画界の影響が顕著に見られる。
ギャラと出演者の年収[編集]
ハリウッド映画のギャラは、ノーギャラから20億円越えまで極めて幅広い。 キャリアの浅い俳優のギャラは相場は、中規模映画(予算5000万ドル以下)の主演で65000ドル、大規模映画(予算1億ドル以上)の主演で100000〜300000ドルである。そのため、超大作映画のメインキャストであっても、家賃が払えないほど生活の苦しい人が大半である。。 また、出演者の最低賃金は、組合によって決められており、2021年現在、予算200万ドル以上の映画においては、1日1056ドル、1週間3664ドルである。なお、予算ごとに最低賃金が決められている。最も低いのは、ショートフィルムであり、最低賃金は1日0ドルである。 2010年代以降、大物俳優のギャラが低下し、高額なギャラを受け取る俳優が減少傾向にある。以下が有名な俳優のギャラ相場であるが、この値は、予算100億を超える映画で単独主演した時の相場(定価)であり、彼らであってもB級映画では10万ドル以下のギャラとなることも少なくない。
また、ハリウッド俳優の年収は年による差が激しい上、コマーシャルの収入のない人が多く、また、撮影日数を考えると1年に何本もの映画に出演できるわけではないため、ミュージシャンやTV司会者の収入には到底及ばないうえ、日本の俳優よりも総じて収入が低い。なお、fourusの公表する収入ランキングは、マネージャー、エージェント、パブリシスト、ビジネスマネージャー、組合、アシスタント等への支払いの前の金額であるため、実際の年収はその半分程度となる。そのため、実際の年収が10億円を超えるハリウッド俳優は30人以下であり、日本で噂されている金額より遥かに低いのが実情であり、ハリウッド俳優=お金持ちということ自体が昔から日本で広まっているデマである。
2200万ドル*ドウェイン・ジョンソン
2000万ドル*レオナルド・ディカプリオ
- マット・デイモン
- ウィル・スミス
- ロバート・ダウニー・Jr
- ライアン・レイノルズ
- ジェニファー・ローレンス
- デンゼル・ワシントン
1700万ドル*マーク・ウォールバーグ
1500万ドル*ベン・アフレック
- ガル・ガドット
- スカーレット・ヨハンソン
1200〜1400万ドル*トム・クルーズ
- ニコール・キッドマン
- ハリソン・フォード
- クリス・ヘムズワース
- リース・ウィザースプーン
- メリッサ・マッカーシー
- ジェニファー・アニストン
- ケヴィン・ハート
1000万ドル*シャーリーズ・セロン
- メリル・ストリープ
- シルベスター・スタローン
- ジェイミー・フォックス
- ライアン・ゴズリング
- クリステン・スチュワート
500〜800万ドル*アーノルド・シュワルツェネッガー
- キアヌ・リーブス
- ミリー・ボビー・ブラウン
- トム・ホランド
- アンセル・エルゴート
- ベニチオ・デル・トロ
- ウディ・ハレルソン
- ジャック・ブラック