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アニメ (日本のアニメーション作品)

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アニメ (日本のアニメーション作品) では日本のアニメーションのうち、主にセル、もしくはセルの後継としてのデジタルで制作される日本の一般向け商業アニメーション作品(テレビアニメ、劇場アニメ、OVAなど)について記述する。日本国外ではジャパニメーション(Japanimation)、animeなどとも表記される。

概要[編集]

アニメはアニメーションの略語であり、コマ撮りによる錯覚を利用した映像技法・映像表現全般を指し、実写作品の特殊効果や抽象映像などの実験的映像も含まれる。通俗的にはアニメと省略され、一般に商業作品として普及しているテレビアニメ、劇場アニメ、OVAなどを連想する人も多い。これらの特徴は、基本は商業作品であり、多くは絵で描かれたキャラクター作品であり、ある程度のストーリー作品である。更には、これら商業作品の強い影響を受けた自主制作作品も含まれる。また制作技法では分業のためにセルアニメが主流であったが、一部では人形アニメ等も使用され、コンピュータ・グラフィックによるアニメーション(CGアニメ)も普及している。

単に「アニメ」という場合は、セルアニメーション(セルアニメ)のことを指していることが多い。当記事では主に日本で製作された一般向け商業用セルアニメーションなど通俗的・一般的な意味での「アニメ」について記述している(デジタル化と3DCGについては記事内で後述)。

「文化芸術基本法」ではメディア芸術、関連法の「コンテンツの創造、保護及び活用の促進に関する法律」によるとコンテンツの一つと定義されており、いずれの法律においても「アニメ」と略されてはおらず、「アニメーション」と正式表記されている。別定義として、多角的芸術分類観点において、美術(映像を含まない)、映像、音楽、文学、芸能の総合芸術とされるときもある。

用語の変遷[編集]

日本では「アニメーション」の用語は時代にもよって変遷もしており、以下の日本語の訳語も使用された。

年代 訳語 内容
1930年代 線画 1930年代の映画のクレジットは「線画」がほとんどであった。「線画」には「線」による「画」という意味があり、実写映画に使われる地図、グラフや図表などを意味することもあり、スタッフはアニメーションだけでなく、地図、グラフや表、字幕なども描くことがあった。
1940年代以降 - 現在 動画 「動画」は政岡憲三が日本語訳として提唱。1941年に松竹動画研究所設立、1943年『くもとちゅうりっぷ』でクレジットされた。従来「線画」を使用していた朝日映画社も、1944年『フクちゃんの潜水艦』で「動画」のクレジットを入れた。他にも日本動画(東映動画)、シンエイ動画、日本動画協会など、更には商業用アニメの製作工程の名称(原画と動画)を含めて業界内では「動画」が普及し、多くの辞書や事典でアニメーションの日本語訳として記載されている。
1950年代 - 1970年代頃 漫画映画(漫画) アニメーション(アニメ)という語が普及する以前は、第二次世界大戦の戦前・戦後を通じて特に児童向けのアニメーション映画は「漫画映画」あるいは単に「漫画」と呼ばれていた。この名称を含む作品名・シリーズ名には『東映まんがまつり』、『カルピスまんが劇場』、『まんが日本昔ばなし』などがある。
1960年代 - 1970年代頃 テレビまんが 1964年の『鉄腕アトム』テレビ放映開始もあり、特に子供向け作品は広く(特にはテレビ向け以外も含めて)「テレビまんが」と呼ばれた。
1960年代以降 - 現在 アニメーション(アニメ) 『小型映画』(映像制作者向けの専門雑誌)で1965年6月号までは主に英語をそのまま片仮名にしたアニメーションという語を使用しており、アニメという略語を使用する場合はアニメーションとセットで用いられていた。7月号でアニメという語がアニメーションの略であるという断りなしで初めて使用された。絵本シリーズ『テレビ名作アニメ劇場』ポプラ社はタイトル名にアニメを使用した最初の書籍とみられる。1975年日本アニメーション設立、1978年のアニメージュ創刊、1985年の広島国際アニメーションフェスティバル開始などもあり、専門用語であったアニメーション(アニメ)が一般にも普及していった。
1968年 アニメート 絵本シリーズ『名作アニメート絵話』、偕成社。アニメーションを略したものではなく、animation の動詞形の animate を日本語読みにしたもの。一般向けにアニメを含む語をタイトルに用いた最初期の例である。
1969年 アニメラマ 虫プロによるアニメーション・ドラマ・シネラマ等による造語。映画『千夜一夜物語』(1969年公開)『クレオパトラ』(1970年公開)で使用された。『哀しみのベラドンナ』(1973年公開)では「アニメロマネスク」が使わたが、いずれも広くは普及しなかった。

製作会社と制作会社[編集]

作品制作数の増加に伴い分業化が進み、プリプロダクションの企画・製作会社と、プロダクションの作画・動画スタジオ、美術スタジオなどと、ポストプロダクションの撮影会社、音源制作など制作工程別に作業を請け負う専門スタジオと分業化されている。

また、グロス請けと呼ばれる、1話単位で制作作業を一括受注し制作業務全般を行う制作会社もある。

大きく分けると3つの工程に別れる。なお、制作資金調達に関しては多種多様な方法があるので本項では取り上げない。

  1. プリプロダクション
    • 企画書をもとに、主要スタッフ編成と制作のフローを確定し、脚本・設定・絵コンテなど制作に必要な各種設定など行う作業。
  2. プロダクション
    • 原画、動画、仕上げなどのアニメーションの作成作業。
  3. ポストプロダクション
    • アフレコ・BGM・効果音を加える音作業やVTR編集などの作業。

さらに詳細な工程を経て制作される。制作会社、作品に投入される各部門のスタッフ数、技術の進歩などにより役職名や工程の違いもあるが、企画から完成までの基本的な工程は以下の通りである。

複数にわたるシリーズ作品の場合、諸事情により主要スタッフや担当アニメ制作会社などが途中で変更されることも珍しくない。

  1. 企画
    • 作品の企画意図や全体像にセールスポイントなどを記述した企画書などを作成、製作側(複数の社局が製作委員会を結成することも多い)がその採否を決定する。
    • オリジナル企画と、漫画・小説など既存の著作物を原作とした企画とに二分される。後者の場合は著作権者の承諾を得るのに難航する事も珍しくない。
  2. スタッフ編成とワークフローの確定
    • 制作が正式に決定すると、監督・シリーズ構成・脚本家・声優・アニメーター・作画監督・美術監督・色彩設定・撮影監督・音楽・音響監督・プロデューサー・キャラクターデザイン・メカデザイン・制作進行など主要なスタッフを選定する。
  3. 脚本(シナリオ・本読み)
    • ストーリーの制作作業で、柱、台詞、ト書きで構成される。
    • シリーズ構成は、脚本の監督的な立場にあり、1つの作品に複数の脚本家が担当する場合、ストーリー性のバラツキを制御する業務を行う。
  4. 設定
    • 脚本・原作・企画書を元にして、作品の主要な登場人物キャラクターデザインや舞台背景を設定する美術設定(美術監督)・メカデザイン(メカニカル設定)とクレジットされることが多い。
  5. 絵コンテ
    • 監督、演出(プロデューサー)が脚本を絵として組み立てる作業。作品の内容の流れがコマ割りの絵で描かれる。これを元に原画作業が行われる。コマ割りの状況説明・カメラワーク・効果音など、セリフ、撮影のカットの秒数が指示される。
  6. 原画(原図・作画・レイアウトシステム)
    1. 原画マン(原画家、原画担当者、レイアウトマン)と呼ばれる職制が担当する。絵コンテを元に完成画面を想定し背景の構図とキャラクターのレイアウト(画面構成)を作成する。ペンタブレットなどの進化で、原画作業の時点からデジタル制作に移行している。
    2. 演出(プロデューサー)は、レイアウトが絵コンテの内容、演出意図との差異を確認、修正指示を入れ作画監督に渡す。
    3. 作画監督は動きやキャラクターデザインを修正し、画面の統一を図る、作監修正と呼ばれる作業を行う。
  7. 動画
    1. 動画マンと呼ばれる職制が担当する。ラフに描かれた原画の清書作業を行い、原画の間の絵を描きおこし全ての動きを完成させる作業。中割りとも呼ばれる。
    2. 動画検査と呼ばれる職制が簡易撮影装置で動画をチェックし、修正を指示する。
    • 原画と動画についてはアニメーターも参照。
  8. 仕上げ(色トレス、彩色、デジタル彩色):色彩設定(色彩設計)の指示・動画に指定されている色指定の通りに着色する作業。
    • セルアニメ : 動画をトレスマシンでセルに転写して、セルの裏側に彩色を行う。セル画も参照。
    • デジタルアニメ : 紙に書かれている線画をスキャナーで取り込み、線をクリンナップ。影線やハイライト線を輪郭線とは別色でトレスする。影線などの不要な線は塗りつぶされ見えなくなる。この時点でオブジェクトに アンチエイリアスは、かかっていない(かかっていると色が塗れない)。
  9. 背景
    • 美術監督は、背景設定となる美術ボードを制作する。原画で指定された背景設定に合わせて、背景スタッフが背景を作成する作業。デジタルアニメも背景は絵の具で仕上げが多かったが、デジタル制作の背景も増えている。
  10. 撮影(合成):撮影監督が作業を監督し、仕上げと背景、3DCGパートなどの別工程部分を組み合わせる合成・加工工程のこと。セルアニメ時代にアナログ素材をフィルム撮影していた名残りで撮影と呼ばれる。2000年頃を境に、アニメ制作がセルアニメからデジタルアニメに移行してからは、コンポジット(合成)とも呼ばれる。
    • セルアニメの場合 : セル画と背景を撮影台にセットし1コマずつフィルム撮影し、それを繋げることで映像を作り上げる。またこの工程で透過光、マルチプレーン・カメラ、多重露光などのエフェクト処理を加える。
    • デジタルアニメの場合 : 物理的なカメラを使用せず、ソフトウェアによるデジタル処理によってコンピュータ上で原画や背景などの各工程から上がってきた各種素材を指定に合わせて合成し、カメラワークやエフェクトなどを付加して映像データとして仕上げる。
  11. 楽曲作成
    • 様々な場面に合わせた楽曲BGMを作成する作業。汎用的な楽曲から特徴的なシーンに向けたもの、あらかじめ演出尺や映像に合わせて楽曲するものまで様々。
  12. 音作業:音響監督は、声優のキャスティングと演技指導、ダビングなどの音響演出を担当する。監督や演出(プロデューサー)などが参加する場合が多い。
    1. アフレコ
      • 撮影された映像に声優がアフレコ台本をもとに声を収録する作業。アフレコ演出と呼ばれる職制が演技指導を行う場合もある。制作スケジュールの都合上、作画が完成していない状態での収録となる事も珍しくなく、演技によってその後の作画を修正する場合もある。作品によっては、場面との親和性を高める為に挿入歌をアフレコスタジオで収録するケースもある。
    2. プレスコ
      • 映像と音声との同期性を重視する場合は、アフレコと異なり先立って声を収録してから作画作業に入る、この方式を用いる。海外ではこれが主流である。
    3. ダビング
      • 声にBGMや演出に合わせた効果音を加える作業。
  13. フィルムまたはVTR編集
    • オープニング、エンディング、CM前後のアイキャッチを組み合わせて完成させる作業。オブジェクトの最終調整、色彩調整も行われる。

ただし、諸事情により企画段階、もしくは制作途中で中止になることもあり、中にはアフレコも終えた段階でお蔵入りになったケースもある。稀に一度は中止にされた作品が時を経て再起動するケースもある。

流通形態[編集]

  • アニメーション映画
    • 映画館などでの上映用に制作される作品。劇場用アニメーション映画、アニメ映画、劇場版アニメなどと呼ばれる。
  • テレビアニメ
    • 地上波放送局、BS局・CSチャンネルなどでのテレビ放送用に制作される作品で、さらに特殊ジャンル分けとして深夜番組の深夜アニメや、全国独立放送協議会加盟局主体で放送のUHFアニメ(アナログテレビ放送当時、特に日本の三大都市圏でのUHF局は独立局が主体だったことから)などの分類もされる。
    • ネットでも配信される作品もあり、基本的に配信開始から1週間以内は無料配信、或いは特定配信サイト独占契約などによる有料配信の形態が主流となっている。
    • 海外向けではCrunchyrollなどが著作権者の承諾を得て、台本を翻訳、字幕を付けて世界中に配信している。これらのサービスは基本的には日本国内からのアクセスは不可能となっている。
    • パッケージ販売の頭打ちから、国内外問わずネット配信による事業収益に活路を見出す動きが活発となり、テレビアニメ配信を重視するネット配信業者も相次いで誕生している。
  • OVA(オリジナルビデオアニメーション)
    • 店舗販売とレンタルビデオ向けに制作される作品。各種媒体(VHS、LD、DVD、Blu-rayなど)で提供される。漫画ないしライトノベル単行本の初回特典として同梱される事例もある(講談社では独自に「OAD、ODA」と呼んでいる)。2010年代頃から下記のWebアニメに移行が進んだ。
      • 作品に関しては、『日本のOVA作品一覧』を参照。
  • Webアニメ
    • インターネット配信用に制作される作品。国外では「Original Net Animation」(ONA)と呼ばれる。ネット配信会社の伸長とともに増え、テレビ局のネット参入もみられる。
  • CM
    • 企業の宣伝にもアニメーションが使われている。

制作業界と環境[編集]

アニメ産業と呼べるほどの規模はなく、映像制作の一分野に留まり、業界の構造としては建設業の下請け制度に類似する構造を持っているとされ、「大手制作プロダクション(元請け)」→「中堅制作プロ(子請け)」→「零細制作プロ(孫請け)」と段階ごとに、制作費の「中抜き(ピンハネ)」が存在するといわれている。

表現技法の発展と向上は、個人の感性と技術の熟練度に依存し、技量差が品質に反映される労働集約的作業に支えられているが、制作環境はアニメーターの場合、収入は新人で月額で約2 - 3万円。中堅で約7万5000円 - 10万円程度といわれ、約25%は年収100万円以下である(日本芸能実演家団体協議会、2008年調査)などの賃金や雇用環境、労働条件などの問題で、国内での人材の確保もままならない状態も恒常的に続いている。

これらの問題が長期間続いた結果、2020年ごろから国内人材の枯渇と技術を向上させた中国の台頭により、日本の白物家電と同じ道を辿るという指摘もある。

詳細は「アニメ制作の国際分業化」を参照

製作工程の省力化とデジタル化[編集]

アニメーション製作のデジタル化に至るまでには、フィルム・アニメーションから、ビデオ・アニメーション、ビデオ変換装置など、さまざまなシステム開発が進められてきた。

1986年に池田宏(東映動画技術研究室長)は、「映像というメディアはこうした科学技術の基盤の上に構築されているものであり、このことは当然、これらの科学技術の発展に応じて新しい映像メディアの登場もあり得るのである。したがって映像関係者はこれら科学技術の発展にはたえず対応していかなければならないし、それを怠れば映像技術者として脱落さえ意味することになる」と語っている。

1970−1980年代後半、ビデオの普及やコンピュータの導入によってアニメーションの製作過程は大きく変わり始め、デジタル化に向かって動き始めた。

省力化[編集]

1984年に東京中央プロダクション・高橋克雄の撮影現場から、VTRでコマ撮りができるシステムVTRアニメーションシステムが登場した。

現像するまで撮影結果の分からないフィルム・アニメーションから、現場で即時に撮影結果が分かるVTRアニメーション撮影は、撮影現場の撮影期間短縮による製作コストの軽減、画質の保持、映像メディアのコンパクト化とリテイクによる経済的損失からの解放となった。

アニメーション作品以外にも広く活用され、映画やカラオケの字幕(スーパーインポーズ (映像編集))やデパートやメーカーなどの映像カタログ制作にも使用されるようになった。また、画質を落とさずに大量複製が可能になったことからOVAが普及する契機ともなった。

1985年にフィルムからビデオへの変換装置、テレシネシステムの登場で、多くのフィルムアニメーション作品がビデオ変換されテレビで放映されたこともデジタル化への指針となった。

デジタル化と3DCG[編集]

1990年代、コンピュータの発達やソフトの開発が進み、アニメーション制作で使用される幅が広くなり活用するようになった。2010年代以降に通信網やソフトウェアが豊富になったことで、アニメ工程に直接関連するものから、連絡作業や進捗確認に至るまでデジタルツールが多用されるようになった。

1990年代後半から、着色工程がセル画に直接行うものから、原画をスキャンしてパソコン上で行うデジタル彩色に移行し、1999年頃に全面的に移行し最後までセル画で制作されていた『サザエさん』の2013年9月29日放送分を最後に、全ての商業作品はデジタル方式に移行した。仕上げ工程に導入された、デジタルペイントは訂正が容易で塗料の乾燥を待つ必要がなく、傷・ホコリなどのセル画の管理の手間も省け、また画像データとしてネットワークに載せることが可能となり、日本国内および国外などの遠隔地とのやり取りが容易化したことで、大幅な省力化・コストダウンが進んだ。また、液晶タブレットなどの普及が進むころは着色作業のみならず、作画・動画作業もペイントツール上で行うことも可能となり、原画の時点でデータとして送ることも可能になった。

映像表現においては塗料による使用色数の制限がなくなり、精密なグラデーション表現が可能となった。撮影工程でのセルの重ね合わせによる明るさの減少がなく、カメラワークの自由度が広がる他、エアブラシによる特殊効果や透過光などが簡単に施せるなどの利点がある。ただ、色の三原色ではなく光の三原色寄りにビデオ出力されるため、フィルムとビデオでは映像の質感が異なり、フィルムは柔らかい質感、ビデオはクリアな映像が特徴があり、クリアで明るすぎる発色に違和感もあった。その後、彩色補正により改善されてセルアニメを凌ぐ美しさを持つ作品もみられる。

日本国外ではディズニー映画を多く手掛けるピクサー・アニメーション・スタジオなどでフル3DCGアニメーションが制作されているが、日本国内では自動車などの機械類や魔法のエフェクトなどを描写する補完的な利用からスタートした。完成した3DCGは作画崩壊することなく自由なアングルで描写でき、完成後もソフトウェアで変形・変色が可能であるなど品質安定と省力化に貢献した。一方で単にCGを配置しただけでは手描きとの質感の差から違和感があるため、色調などを調整し違和感を軽減する手法やフルCG作品に手描きの表現手法を再現するなど、双方の技術を融合する試みが行われている。

2010年代に入るとセルアニメの質感をCGで再現する『セルルック』と呼ばれる技法が発達し、キャラクターなどにもCGを使用する作品が増加した。一方で、プロレベルの3DCGソフトウェアはライセンス料が高額でコンピュータも高性能モデルを必要することに加え、複雑な操作を習得するため専門学校でトレーニングを受けた人材が必要になるなど、手描きに比べ作画コストが上昇するためフルCG作品は少ない。

実際の業務を行うのはアニメ制作会社の一部門やCG関連業務のみを受託する小規模なスタジオが多いが、ポリゴン・ピクチュアズのような3DCGの専門会社がアニメ制作に参入する例もある。

anime[編集]

ラテン文字のanimationの m の次は a であり e が含まれていないので、animeと略すことは出来ない。アニメーションをアニメと略せる言語は日本語に限られるため、日本国外の英語圏などで「anime」という場合は日本のアニメや日本風の表現様式のアニメに対して用いられる。日本国内では、製作国や作風に関わりなくanimeが使用される。

英語ではanimeと綴った場合の発音は「エイニム」あるいは「アニーム」のようになるが、日本語と同じ「アニメ」と発音している。animation(英)→アニメーション(日)→アニメ(日)→anime(英)として逆輸入されたものである。日本での「アニメ」読みが名詞として辞書に掲載される例もある。

フランス語には animer(動く)の過去分詞形の animé(アニメ、動いた、動かれた)があり、同用途で英語でも animé と綴られるため、フランス語由来説も存在する。

アメリカ合衆国での普及
1972年、ビデオデッキが発売されると、1976年2月にはファンサブ(無断で英語字幕をつけた海賊版。著作権侵害であり、アニメDVDの販売に悪影響も出ている)活動が始まり、1977年には専門のサークルが活動を開始した。既に日本製ロボットアニメーションを指す語としてanimeという語が用いられていたが、愛好家たちの隠語か専門用語のようなもので、一般には広まらなかった。1991年、The Society for the Promotion of Japanese Animation(略称SPJA)が発足し、翌1992年から毎年「Anime Expo」が開催されると、OTAKU(おたく)が増加するなど、animeは急速に普及していった。ただし、彼らは対価を払ってから視聴する者よりも無料なファンサブなどの海賊版でアニメを視聴している者の方が多い。
フランスでの普及
日本製アニメーションはと呼ばれる。英語から輸出される形で移入される。アニメーション(動画)は(動く画) と呼ばれる。

ジャパニメーション(Japanimation)[編集]

北米

主に1970-1980年代に使用された日本製アニメーションを指す語。日本で用いられるようになった1990年代には、現地では既にほぼ死語と化しており、日本製アニメーションを指す言葉は「Anime(アニメ)」に取って代わられている。

音節的に Japan-animation から Japanimation の略語であるが、Jap(日本人の蔑称)の animation とも読めるため、日本人と文化に対する差別・偏見と、アニメーションへの偏見から、日本製アニメーションを指して「くだらないもの」あるいは「子供の教育上良くないもの」の意味を含めていた可能性もある。当時、北米に輸出された作品は、文化・習慣・表現規制の違いから、日本的・性的・暴力的な表現は削除されていた。また、アニメはまだアメリカではcartoonと呼ばれていた。

長期に渡り連続する複数の作品を1作品として編集し、制作者の意向と掛け離れた独自改変された作品を示すこともある。2000年代以降、一部のアニメーション関連のオンラインショップで使用される場合もある。

日本

前述の北米での発祥を受け「海外(日本の外)で視聴される、人気を呼び且つ評判になっている日本製のアニメーション」という意味で1990年代に『AKIRA』『攻殻機動隊』の原作漫画出版元である講談社をはじめメディア上で度々使用されていたが、2000年代以降は減っているものの、未だに使用されているケースも見られる。2011年には同名のアメリカの人気テレビドラマをアニメ化したOVAシリーズ『スーパーナチュラル・ジ・アニメーション』において、海外ドラマを日本のアニメ制作会社マッドハウスがアニメ化し世界で発売されたということでジャパニメーションと銘打たれていた(テレビ放送時の宣伝でも使用された)。「世界で通用する日本のアニメ」など、世界を意識した視点で作品を紹介する際に使用されている。

業界団体[編集]

日本動画協会(略称:AJA)

日本におけるアニメーション業界の意思統一、関連団体との連携、アニメーション産業の持続的発展を目的とした一般社団法人。

日本芸能マネジメント事業者協会

声優のマネージメントを行うプロダクションなど事業者が加盟する。

日本声優事業社協議会

声優事業社で組織。

日本アニメーター・演出協会(略称:JAniCA)

2009年12月3日に一般社団法人化した、アニメーター及び演出家の地位向上と技術継承を目的とした一般社団法人。

日本音声製作者連盟(略称:JAPA)

2003年4月1日に設立され、「内外関連文化団体との提携及び交流。映像文化発展のための事業」。「業界の社会的地位の向上のための広報活動および出版事業」。「音声製作物に関連する権利の確立及び擁護」。「再放送使用料」の徴収、分配業務を主な事業内容とした一般社団法人。

日本俳優連合

テレビ局や制作会社に対して立場が弱い俳優が、一方的で不利な出演契約を解消を目的として結成された。声優の多くも加盟している。

国による振興・保護政策[編集]

文化庁メディア芸術祭

メディア芸術の創造と発展を図ることを目的に、文化庁とCG-ARTS協会が主催の祭典。1997年以降、毎年実施されている。

文化芸術振興基本法

2001年12月7日に施行され、映画、漫画、アニメーション及びコンピュータその他の電子機器等を利用した芸術をメディア芸術と定義し、振興を図るための施策を行うようになった。

コンテンツの創造、保護及び活用の促進に関する法律(コンテンツ法)

2004年5月、アニメーションや漫画など、コンテンツ産業の保護・育成に官民一体で取り組むための法律が成立した。

クールジャパン(Cool Japan)

日本政府が行っている対外文化宣伝・輸出政策で使用されている用語で、クールジャパン戦略担当大臣や海外需要開拓支援機構(通称:クールジャパン機構)が設立されており、アニメ・漫画・ゲーム・J-POP・アイドルなどのポップカルチャー・サブカルチャーも含まれている。

若手アニメーター育成プロジェクト(略称:PROJECT A)

文化庁の若手アニメーターなど人材育成事業の委託をうけ、日本アニメーター・演出協会(JAniCA)が2010年(平成22年)より実施しているアニメーターの人材育成事業。

博物館・美術館[編集]

漫画やアニメ作品のセル画やフィルム、原画を展示する博物館・美術館。ミュージアムショップを設置したりアニメの様々なイベントや国際アニメーション映画協会公認の映画祭、インディーズのアニメーション映画祭などを開催している所もある。『ドラえもん』の作者が生活していた川崎市の藤子・F・不二雄ミュージアムや、『名探偵コナン』の作者ゆかりの地鳥取県東伯郡北栄町の青山剛昌ふるさと館など、著名なアニメ作品やマンガの原作者の生誕地に地域おこしの観光拠点としても整備されることも多い。

ほとんどの博物館は特定の作家、クリエイターに特化した施設になっているが、杉並アニメーションミュージアムや秋葉原UDX内の東京アニメセンターでは制作会社や出版社などの垣根を超えた様々な企画展が行われ、アニメーションに使われる原画などの展示やグッズが販売されている。

見本市・映画祭[編集]

東京国際アニメフェア

東京都と日本動画協会などのアニメーション事業者団体で構成される「東京国際アニメフェア実行委員会」が主催の国内アニメ業界最大の見本市であった。2002年から2013年まで3月末頃に東京ビッグサイトで開催されていた展示会。アニメ作品や関係者を表彰する「東京アニメアワード」の表彰式が行われた。

アニメ コンテンツ エキスポ

2010年に東京都青少年の健全な育成に関する条例に反対する形で大手出版社(角川書店、秋田書店、講談社、集英社、小学館、新潮社、双葉社、少年画報社、白泉社、リイド社)10社が2011年の東京国際アニメフェアについて参加協力を拒否する声明を発表した。その後角川書店とアニプレックス、アニメイト、キングレコード、ジェネオン・ユニバーサル・エンターテイメントジャパン、フロンティアワークス、マーベラスエンターテイメント、メディアファクトリーの計8社が東京国際アニメフェアと同日に開催すると発表した。「アニメ コンテンツ エキスポ実行委員会」が主催し、千葉県千葉市美浜区の幕張メッセで開催する、アニメーションに関する日本の展示会であった。

AnimeJapan

2014年から東京国際アニメフェアとアニメコンテンツエキスポを統合する形で実現した展示会。東京都が不参加となり、KADOKAWA、アニプレックス、日本動画協会など19社が参加する。場所を東京ビッグサイトに戻し、東館全てを使うなど分裂前の東京国際アニメフェアより大型な見本市となる。

アヌシー国際アニメーション映画祭

1960年にカンヌ国際映画祭からアニメーション部門を独立した、国際アニメーション映画協会公認の国際アニメ映画祭。フレデリック・バックの『木を植えた男』などがグランプリを受賞している。

併設で世界最大規模のアニメーション見本市、MIFA(Marché international du film d'animation)が行われている。映画祭開催期間中の3日間で、世界約60か国のアニメ関係者が参加している。

その他

広島国際アニメーションフェスティバル(2020年を最後に終了)、オタワ国際アニメーションフェスティバル、ザグレブ国際アニメーション映画祭は、上記アヌシーを含めて世界4大アニメーションフェスティバルと称されていた。

表現の自主規制[編集]

アニメ映画では「映画倫理委員会」、テレビアニメでは、放送事業者が自主的に放送基準・番組基準(放送コード)を定めて運用することが電波法、放送法で規定され、民放連加盟会員各社による任意団体「放送倫理・番組向上機構」(BPO)による自主規制がある。

OVAやWebアニメには、自主規制に関する法的規定や任意団体などは存在しないが、放送権販売の為にテレビアニメ・映画と同等程度の自主規制が行われている。ODS先行上映が行われる作品に限り映倫の審査を受けている。 アダルトビデオに類するアダルトアニメ作品は「日本ビデオ倫理協会」(解散)や「日本コンテンツ審査センター」、「コンピュータソフトウェア倫理機構」など自主規制の審査を受けている。

テレビアニメのパッケージ化販売には自主規制が無い為、お色気や流血など刺激の強い表現をテレビ放送で規制したものを本来の状態に戻したり、より過激な映像の追加や差し替えなどが行われているものもある。ただし、Web配信版では表現修正されている場合がある。



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