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ときめきメモリアル

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ときめきメモリアル』は、1994年5月27日に、コナミ(現・コナミホールディングス)からPCエンジンSUPER CD-ROM2向けに発売された、恋愛シミュレーションゲーム。なお、2006年3月31日の持株会社化に伴い、版権はコナミデジタルエンタテインメントに移っている。

略称は、一般的に「ときメモ」として知られているが、コナミによる公式略称は「ときめき」とされている。これは当初「ときめき」を正式タイトルにする方向だったことから来ており、商標が取得できなかったため、改題された。ただし、『ときめきメモリアルONLINE』のCMなどでは公式でも「ときメモ」の略称が用いられるケースもある。キャラクターデザインは、小倉雅史(中国語版)(こくら雅史)である。

ときめきメモリアルのタイトルはコナミデジタルエンタテインメントの登録商標になっている(登録数13件)。

歴史[編集]

本作は、日本の家庭用一般ゲームにまだ「恋愛シミュレーションゲーム」「恋愛ゲーム」というものが定着してなかったころにPCエンジンSUPER CD-ROM2向けに発売されたゲームである。この作品の大ヒットによりこの分野がジャンルとして一般化し、ソフトの発売数も増加していった。

高度情報化社会において、口コミで評判が広まることまでは期待していなかった。しかしその陰には、現代の口コミとでもいうべき、インターネットの存在があった。国内のパソコン通信ホスト局の総数は4000~5000と言われている。性質は多岐に渡るが、プラットフォームがパソコンである以上、ゲームに関する話題はかなりの頻度で登場する。同好の志が集まり、一定のテーマに基づいた書き込みをやりとりする伝言板などの話題があまりにヒートしたため、「ときめきメモリアル特設会議室」と題されたサイトが設けられた。

PlayStation版以降
1995年10月13日にPlayStation版『ときめきメモリアル 〜forever with you〜』が発売された。それ以降、スーパーファミコン版(1996年2月9日)、セガサターン版(1996年7月19日)、Windows 95版(1997年12月4日)、ゲームボーイ版(1999年2月11日)と各機種で発売。2006年3月9日にはPlayStation版を元にしたPlayStation Portable版が発売された。2020年3月19日には復刻系ゲーム機・PCエンジン miniにプリインストールの形で収録された(なおPCエンジンミニはAmazon.co.jp専売につき、一般の店舗・ECサイトでは買えない)。
関連商品
本作の大ヒットにより、関連ゲームソフト・書籍・CD・OVA・キャラクターグッズ・フィギュアなどが多数コナミから販売された。またコナミ以外からも、各キャラクターのガレージキットなどが多数リリースされた。コナミは本作とそのキャラを前面に押し出し、コナミのブランドイメージをも変えた作品となった。
シリーズ化
シリーズは次の世代に受け継がれ、1999年11月25日にキャスト・スタッフ等を一新した『ときめきメモリアル2』がPlayStation、2001年12月20日に一般層へのアプローチを試みた『ときめきメモリアル3 〜約束のあの場所で〜』がPlayStation 2でそれぞれ発売された。
その後もゲーマー以外へのアプローチを模索し、2002年6月20日に女性プレイヤー向けの『ときめきメモリアル Girl's Side』がPlayStation 2で発売され、乙女ゲームの市場を拓くこととなった。
2006年3月23日にはコミュニケーションを重視したオンラインゲームとしてゲーム内容を改めた『ときめきメモリアルONLINE』がWindows向けにサービスを開始(2007年7月31日にサービス終了)。
2009年12月3日に男性向け恋愛シミュレーションゲームとしては約8年ぶりの新作となる『ときめきメモリアル4』がPlayStation Portableで発売された。
モバイル版
携帯電話・PHSコンテンツとしても、DoCoMo向け(iアプリ)・au向け(EZアプリ)・SoftBank向け(S!アプリ)にて配信中。WILLCOM向け(Javaアプリケーション)はW-ZERO3(WS003SH/WS004SH)専用で配信されていた(2009年3月31日にサービス終了)。
2017年9月15日、本作の新展開として、学園型アイドルコミュニケーションゲーム『ときめきアイドル』がモバイルゲームとして配信が発表。2018年冬までオンライン版として配信された後、オフライン版に移行して2021年現在、配信が行われている。

ゲーム内容[編集]

このゲームの主人公(プレイヤー)は架空の私立高校「きらめき高校」に入学した男子生徒である。主人公は、「卒業式の日に、校庭のはずれにある樹(伝説の樹)の下での女の子からの告白で生まれたカップルは永遠に幸せになる」というきらめき高校の伝説を聞く。

勉強、スポーツ、部活動などに取り組み主人公の能力値を高め、幼なじみで憧れのヒロイン・藤崎詩織の理想に近付け、さらにはデートを重ねて親しくなり卒業式の日に伝説の樹の下で彼女からの告白を受けることが目的である。もっとも『ときメモ』にはゲームらしい仕掛けがあり、藤崎詩織以外の女の子は主人公のどれか1つのパラメータに反応してくるのだが、彼女だけはオールマイティに成長した主人公でないと相手にならない。

また、本作品には恋愛という表向きの要素のほかに、「3年間の学校生活を追体験する」という裏のテーマが込められている。むしろ企画の基となったのは学校生活のほうであり、「魅力的なヒロイン」や「卒業の日の告白」という華々しい側面は後から付け加えられたものである。実際のゲーム内容も、ヒロインとのデート以外はほとんどが校内を舞台としている。

とりわけ、秋に行われる文化祭は、本作品における学校生活の重要性を示す好例である。このイベントは、主人公の部活や登場ヒロインとの関係によって内容が非常に細かく分岐する。理論上そのパターン総数は1497通り以上に及び、ゲームの全メッセージ量の実に4割が費やされている。1年に1度だけのイベントのためにこれほどの手間を割くのは、リアルな学校生活の再現を試みた証である。

開発[編集]

本作は、コナミのPCエンジン最後のタイトルとして開発された経緯があり、開発にはPCエンジンに『出たな!!ツインビー』や『グラディウスII -GOFERの野望-』を移植したスタッフが参加した。 開発スタッフの一人である立石流牙は当初シューティングゲームの企画を出したものの、会社から良い評判を得られず、PCエンジン用ソフトの中でも美少女ゲームが売れていたことに着目し、本作の開発に取りかかった。

システム構築[編集]

本作は、高校生活を1週間で表現するというコンセプトの元で開発が進められ、高校生活においては勉強だけで無く運動もしていることを考慮し、ヒロイン達に文系や運動系のパラメーター各人の分だけ用意した結果、現在のような形になった。 また、本作では顔の表情に合わせて目や口を動かすシステムが「バストアップアニメーション」として初めて導入された。 立石は、開発の初期段階から多量のCGを用意することを想定していたため、バストアップで表現できないかと思ってこのシステムを取り入れたことをSTINGとのインタビューの中で話しており、1つのバストアップにつき5つの表情パターンを用意する羽目になったと振り返っている。

キャスティング[編集]

本作のヒロインのたちのうち、メインヒロインである藤崎詩織の役には当時大学院生だった金月真美が、朝日奈夕子の役には鉄炮塚葉子がそれぞれ選ばれた。 金月は選出の経緯について、「私は事務所がテープオーディションに応募してくれていたんです。だからちょっと申しわけないのですが、知らないうちに詩織ちゃん役が決まっていたんです。」と2019年のファミ通との25周年記念インタビューの中で振り返っている。

二人は、収録に際して電話帳のように分厚い台本が届いて驚いたとファミ通とのインタビューの中で振り返っている。 本作以前にゲームへの出演経験があった鉄炮塚は、「ひとつのシーンで、何パターンもボイスを撮るような収録も、これまでも経験したことがありませんでした。喜怒哀楽ごとに、立て続けにテンションの異なるセリフを言っていくというのは、当時はかなり慣れない作業でしたね。(後略)」と話しつつも、「それほど経験のあるお仕事ではありませんでしたが、そのあたりはきちんとスタッフさんのアシストやご指導があったので、それほど苦労はありませんでした。」とも話している。

一方で、金月は本作が初めてのゲームへの出演であったことから、とても苦労したとファミ通とのインタビューの中で話している。金月は「詩織ちゃんはすべてパーフェクトな女の子という設定だったから、逆にどこを目立たせたらいいんだろうとすごく悩みましたね。(中略)いまゲームのボイスを聴くと、かなりプレーンな声だなって感じています。」と振り返りつつも、メディアミックスの中で詩織の別の面が見えてきたため、ゲーム以降の詩織の声は印象が異なるとしている。 また、金月は本作のおかげで声優の仕事を継続出来るようになったとも話している。

広報[編集]

本作は、当時としては珍しくマルチメディア展開が積極的に行われており、発売後には「『ときメモ』キャラバン」という全国ツアーが組まれた。

PCエンジン版『ときめきメモリアル』[編集]

また、本作の限定版は徳間書店インターメディアのPCエンジン専門誌『PC Engine FAN』の創刊7周年記念で通信販売され、B6判の攻略本や匂い付きの藤崎詩織ポストカードが付録として同梱された。



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