モルタル外壁
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モルタル外壁とは[編集]
モルタル外壁とは、建物の外壁をモルタル塗りにしたもの。
概要[編集]
モルタル外壁の表面仕上げは、白色系モルタルを塗ったもの、アクリル系やシリコン系の塗料で塗装したもの、タイルを貼ったもの、の3通りが多く見かけられる。 その他に、漆喰を塗ったもの、小粒の石を混ぜてデザインとして現したもの、石材風に削り仕上げたもの、岩肌風に凹凸を造形したものなど、多彩な仕上げ方も点在して見かけられる。
モルタル外壁の基本構造は、鉄骨造あるいは木造が一般的であり、戸建て住宅では木造が過半を占める。 モルタルを使用する最大の目的は、建物に防火性能を付与するためである。
昨今、モルタル外壁は、建物の耐震性を高める効果があるとの研究結果や調査報告が為されている。[1] 昨今、モルタル外壁は、飛来物の耐衝撃性に優れることが確認されつつある。[2]
なお、コンクリート造の外壁をモルタル塗りにする事例もあるが、その場合は通例的にモルタル外壁とは言わず、モルタルによる表面仕上げの名称や材料名が呼称として使われている。例として、「洗い出し」、「テラゾー（人造大理石）」、「リソイド」など。
モルタルとは、セメントと砂と水を混ぜたもの。コンクリートの元となる材料である。【モルタル】参照
歴史[編集]
日本古来の建築物は、壁土以外は燃え易い材料がほとんどで、いったん火事になると瞬く間に燃えあがり、周囲に延焼したようです。[3]
火災への不安は明治時代になっても続き、明治20年までの統計で、焼失戸数が1000戸以上の大火は15回あったと記録されています。 その様な折、近代化により西洋建築と共に入ってきたモルタルの堅牢性と不燃性が注目されたようです。 上層階級の住宅として建てられる木造の洋館建築は、外壁にモルタルを塗り仕上げていました。
明治42年、木造住宅の外壁にモルタルを塗付けやすくするための材料である「ラス」が日本の展示会で初めて紹介されました。
大正12年(1923年)に起きた関東大震災では、地震後に火災が拡がり東京都心は焼け野原になりました。その復興に際してモルタル外壁の建物が造られるようになり、他の都市にも少しずつ普及した様子が知られています。
大正から昭和初期にかけて、モルタル外壁は、ラスの普及により木造住宅に用いられるようになります。当時の表面仕上げは、ドイツ壁やスペイン壁と呼ばれるスタッコ仕上げが好まれたとされ、やがてリシンかき落とし、人造石洗い出しといった仕上げも、使われるようになりました。
昭和になると、空襲による火災を防ぐ目的で、モルタルによる住宅の防火改修が少しずつ進められていたようですが、物資も無く間に合わず、終戦直前の空襲で東京は焼け野原になりました。[4]
木造住宅の外壁には防火性能が必要との認識が強まり、昭和25年制定の建築基準法に、木造住宅の外壁構造としてラス・モルタル外壁が規定され、モルタル外壁は全国的に普及することになりました。 同年、メタルラスのJIS（日本工業規格）が制定されました。 その後、意匠性、防火性、耐久性などの開発が各社競争で進み、現在のモルタル外壁に至っています。
海外では、建物の意匠を目的としたモルタル外壁が多く見られ、日本とは歴史に違いがあります。 例として、ヨーロッパでは、煉瓦造の建築物を石造風に見せるために発達した工法とされています。 その代表的な仕上げ工法として、リシンかき落とし、洗い出し、掃き付けドイツ壁、小叩き、研ぎ出しなどがあり、いずれも石積みの風合いを左官職人の手で再現したものといえます。 また、Corniceと言われる雨水を切る壁面装飾の成形に使用されている例も多数あります。
構成および特性 現在、壁の構造体にラスという金属製の網を取り付け、それにモルタルを絡め塗る方法が主流である。 過去には、壁の構造体に木刷りという小幅の板を目透かし状に取り付け、それにモルタルを絡め塗る方法も用いられた。
日本では通常、ポルトランドセメントに砂と水を加えて練り混ぜたものをモルタルという。 特殊な製品や新たな製品と区別するために、上記を専門用語では普通モルタルという。 用途範囲は広く、トンネル、歩道、ビルの床、外壁、天井など、様々な部位に使用されている。 近年のモルタルは、性能特化した製品も多く、砂の比率などを工場であらかじめ整え、現場では水を加えるだけにパッケージしたものが増えている。 住宅のモルタル外壁に使用するモルタルは、防火性、耐久性、作業性、価格などに考慮して、特定の砂を使用したり、砂に替わる軽量骨材を使用したりするものが主流になりつつあり、既調合軽量モルタルという呼称で普通モルタルと区別して扱われている。
モルタル外壁には、ひび割れや地震時の剥落という欠点があるとされている。 その発生要因としては、設計施工の不備によるものが多い。 例として、日本建築学会の建築工事標準仕様書・同解説JASS15左官工事や住宅金融支援機構の木造住宅工事仕様書に適さないラスやステープルが使用された住宅は、モルタルの留め付け強度が充分でなかったために地震時にモルタル外壁が脱落して、防火性や堅牢性といった効果を発揮できないものがあった。[5]
脚注[編集]
1.
2.
3. 引用 wikipedia【明暦の大火】
4. 引用 wikipedia【東京大空襲】
5.
参考文献[編集]
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関連項目[編集]
・モルタル
・左官
・ポルトランドセメント
・ラス
・人造大理石
・日本住宅モルタル外壁協議会
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