カミラ・コルチンスキー

カミラ・コルチンスキー（Camilla Kolchinsky, 1937年 12月25日^[1] - 2016年 2月16日^[2]^[3]）は、ソビエト連邦出身の指揮者。^[4]^[5]^[6]本名はカミラ・アレクサンドロヴナ・コルチンスカヤ(русский: Камилла Александровна Кольчинская, ラテン文字転写: Camilla Aleksandrovna Kolchinskaya)。^[7]

モスクワ出身。６歳からグネーシン音楽学校に通い、エリザベータ・グネーシナにヴァイオリンを学ぶ。その後、モスクワ音楽院附属中央学校に進学し、1951年に卒業。そのままモスクワ音楽院に進学し、1958年に卒業するまでに管弦楽科で第一ヴァイオリンを履修し、音楽理論と作曲も学んだ。モスクワ音楽院在学中にジョルジュ・ラコンブ監督の映画『栄光への序曲』を見て指揮者に憧れるようになったが、モスクワ音楽院では指揮者は男性の仕事だと考えられていたため、指揮の講義は受けられなかった。卒業後はモスクワの映画音楽のオーケストラや、ドニエプロペトロフスクのオーケストラで第一ヴァイオリンセクションに参加し、ドニエプロペトロフスクの音楽学校の学生オーケストラを指揮する機会を得た。程なくしてレニングラード音楽院の指揮科に入り、1964年に卒業するまでイリヤ・ムーシンに指揮法を師事。1960年からはレニングラード音楽院の学生オーケストラやオペラの指揮をし、1963年には、その学生オーケストラとノヴゴロドやペトロザヴォーツクに演奏旅行に出かけて成功している。また、同じ1963年にはイーゴリ・マルケヴィチのマスター・クラスに参加し、ヘルベルト・フォン・カラヤンがソビエト連邦に来訪した時にもカラヤンのレッスンを受けるなど、研鑽を怠らなかった。1965年にはヤロスラヴリ国立フィルハーモニー管弦楽団の指揮者を決めるコンクールに応募して優勝し、このオーケストラでソ連国内の各都市への演奏旅行を敢行した。1966年には全ソ連指揮者コンクールに挑戦したが、名誉賞に留まった。1967年から1973までモスクワ市内でのコンサートを指揮し、ソビエト国立交響楽団にも客演。1972年からモスクワの科学者会館と教師院のコンサートの指揮を任されるようになった。また、ソ連国外にも活動の幅を広げ、1975年にはチェコの同時代の音楽の演奏でチェコスロヴァキア政府からスメタナ・メダルを授与されている。ただ、ユダヤ人の家系だったのとソ連国内の反ユダヤ主義の高まりにより、国外での演奏活動が制限されるようになった為、1976年に単身イスラエルに亡命。亡命先ではイスラエル・フィルハーモニー管弦楽団のオーディションを受けてズビン・メータの知己を得、ハイファ交響楽団の次席指揮者の職を得た。1977年にはペタ・ティクヴァで自身の室内管弦楽団を結成。1978年にはタングルウッド音楽祭に参加してレナード・バーンスタインの指導を受ける。1981年にスタヴァンゲル放送交響楽団とオスロ・フィルハーモニー管弦楽団に招聘されたのをきっかけに暫くノルウェーを本拠に指揮活動を展開し、1982年からオスロ室内管弦楽団を指揮。1983年にストックホルム音楽大学やスイスのグシュタートの国際音楽アカデミーに招待されて講習やコンサートを行ってから、教育者としてもヨーロッパ各地で活動するようになった。1989年にはアメリカに本拠を移し、1989年から1994年までニュージャージー州のラマポ・カレッジの学内で室内管弦楽団を創設して同カレッジでヴァイオリンを教えるようになった。また、ラマポ・カレッジでの任期中にテナフライ交響楽団の次席指揮者やウェスト・オレンジのメトロポリタン交響楽団の音楽監督を兼任。1994年から2014年までエル・カミーノ・ユース交響楽団の音楽監督を務めた。^[8]

カリフォルニア州マウンテンビューにて死去。^[1]