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アルティメット・スピナッチ

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アルティメット・スピナッチ
Ultimate Spinach
生誕 スクリプトエラー: モジュール「Separated entries」はありません。
出身地 アメリカ合衆国マサチューセッツ州ボストン
死没 スクリプトエラー: モジュール「Separated entries」はありません。
ジャンル
活動期間 1967–1969
レーベル
共同作業者 Chamaeleon Church
旧メンバー イアン・ブルース・ダグラス
バーバラ・ジーン・ハドソン
テッド・マイヤーズ
ジェフ・バクスター
トニー・シューレン
マイク・レヴィーン
ラッセル・レヴィーン
リチャード・ネーゼ
ジェフリー・ウィンスロップ
キース・ラーテイネン

アルティメット・スピナッチ(Ultimate Spinatch)は、1967年に結成されたアメリカ合衆国マサチューセッツ州ボストン出身のサイケデリック・ロックバンド

概要[編集]

サンフランシスコ・サウンドに対抗する地域的なマーケティング・キャンペーンであった「ボスタウン・サウンド」から生まれた、スタイルと全国的な知名度の点で最も著名なバンドの一つであった。グループ存続中に3枚のアルバムをリリースしたが、セルフタイトルのデビュー作が最も商業的に成功した[1]

日本国内では「僕の旅路(Ego Trip)/ 揺れる頭(Your Head Is Reeling)」のシングルレコードのみ国内盤が存在した。

歴史[編集]

「ボスタウン・サウンド」とバンドの命名[編集]

バンドはマルチインストゥルメンタリストのイアン・ブルース・ダグラス、ボーカリストとしてのバーバラ・ハドソン、ドラムのキース・ラーテイン、リズムギターのジェフ・ウィンスロップ、ベースギターのリチャード・ニースからなるラインナップで「アンダーグラウンド・シネマ」として始まり、ユニコーンと呼ばれるクラブでハウス・バンドを務め、後に『New England Teen Scene: Unreleased! 1965-1968』に掲載されるデモを録音している。

バンド名はボストンの興行師アラン・ローバーと契約した際にアルティメット・スピナッチに変更された(ローバーは彼らの3枚のアルバムすべてをプロデュース)[2]ブルース=ダグラスは、バンド名をアシッド・トリップでの体験に基づいて付けたと語っている。「1967年のある日、私は自分の部屋で本当に純粋なLSDでトリップしていた。鏡で自分の顔を見始めたら、自分の顔がおかしなことになっていたんだ。私は絵を描くのに使っていたカラーマーカーをたくさん持っていた。私は緑色のマーカーを手に取り、自分の顔にサイケデリックなデザインを描き始めた。描き終わった後、自分を見て『おっ!私はアルティメット・スピナッチだ。アルティメット・スピナッチは俺だ!』ってね」[2]

また、このバンド名はその時代の他のカラフルなサイケデリックなバンド名と一致しており、バンドの注目を集めたという考えもある[3]

1967年9月、ローバーは自身の言葉でボストンを「一つの地理的な場所から新しいアーティストを育てるための目標都市」にする計画を発表した。[1]ローバーは1968年1月のニューズウィーク誌の記事でこのプロジェクトを発表し、その中でUltimate Spinach、Beacon Street Union、Orpheusといったムーブメントの象徴である新しいバンドを売り込んでいる。「ボスタウン・サウンド」の宣伝は多くの成功を期待させ、短期間ではあるがある程度の成功を収めたが、サンフランシスコのバンドに似すぎていると判断されたため、結局全国的に認識されることはなかった[4]

ファーストアルバムと最初の成功[編集]

ダグラスはバンドのリーダーを自任していた。彼は一人でギター、キーボード、ハーモニカなどいくつかの楽器を演奏し、グループのほとんどの曲でリードを歌った。また、最初の2枚のアルバムでは、作曲とライナーノートの執筆も担当した。バンドと同世代のバンドがシーンに登場する中、バンドは1968年1月6日にデビューアルバム『Ultimate Spinach』をリリースした。このアルバムは、他の「ボスタウン・バンド」のデビュー作と同じく、MGMレコードから配給された。反戦をテーマにしたコンセプトアルバムで、ビルボード200で34位を記録し、バンドにとって最も成功したアルバムとなった。このアルバムでは、ファズ、エコー、トレモロ、フィードバック、ボリュームコントロール、ワウワウペダルの使用など、様々なギターサウンドや歪みが利用されている。その一つひとつが、当時の典型的な西海岸のサイケデリック・サウンドに近いものであった。2008年には、Classic Rock誌の「42 Greatest Psychedelic Albums」で36位にランクインし、サイケデリックな名盤としての存在感を依然として保っている[5]。宣伝効果を背景に、バンドはジャニス・ジョプリンのBig Brother and the Holding Companyやヤングブラッズなどの著名ミュージシャンとフィルモアなどの大きな会場でツアーを行うようになった。レコーディングと最初のツアーの後、ラーテイネンがグループを脱退し、ラッセル・レヴィンが後任となった。このとき、プリシラ・ディドナートもラインナップに加わった。この加入により、デビューアルバムでのオーバーダビングによるボーカルハーモニーをより忠実に再現することができた[6]

その後の活動と解散[編集]

その後、1968年に2枚目のアルバム『Behold & See』を発表、このアルバムもコンセプト・アルバムとして構想されたものであった。レコーディングに先立ち、ウィンスロップのポジションにジェフ・バクスターが入り、ディドナートの代わりにキャリル・リー・ブリットが入るなど、さらなる人事異動が行われた。このアルバムは、チャートでは198位と振るわなかった。「ボスタウン・サウンド」の宣伝効果は急速に薄れ、そのマーケティング手法は批評家や聴衆から不評を買うことになった。このアルバムのもうひとつの大きな弱点は、デビュー当時目立っていたエレクトリック・キーボードがないことで、これがないことによって、スタジオやライブでのグループの複雑さが阻害されることになった。かつて革新的とされた西海岸サウンドの模倣は、当時は魅力的でないとされた[7]。その後、ダグラスはグループを脱退し、ハドソンに存続を委ねた。数年後、ダグラスはその経験を振り返り、「. . .(アラン・ローバーが、)私の曲がどのようなものであったかについて特別な洞察を持っていると主張することは、完全に傲慢だ。彼は一体どうやって知っているのだろうか?彼は、これらの曲に対する私のビジョンにまったく興味がなかった。陶器店の牛のような優雅さとスタイルで、彼はオリジナルとリイシューの両方のアルバムを一緒にたたき、芸術的な創造性や完全性を考慮せずに、奴は、自分の最大の利益だけを売り込んだけだ!」[6]ローバーは、契約上の義務のために制作する必要があった最終アルバム用に、ほぼ完全に異なる名前だけのアルバムを作成した。1969年、彼らの最後のアルバム『Ultimate Spinach III』がリリースされたが、チャートは振るわなかった。 ダグラスが去った後、バンドには主要なソングライターがいなかったため、アルバムは見当違いで、各バンドメンバーの複数のスタイルが適当に混ざって、前二作と比較して全く違う路線の内容となった。 バンドはすぐに解散した[8]

1990年代、ビッグ・ビート・レコードが英国でバンドの3枚のアルバムをすべて再発した。また、彼らの作品は「ボスタウン・サウンド」関連のコンピレーション・アルバムにも収録され、2001年には『The Very Best of Ultimate Spinach』がリリースされた[9]。長年のブートレグの末、1967年のユニコーンでのバンドのライブは、2014年にヨーロッパで正式に『Live at the Unicorn, July 1967』と題してリリースされている[10]

メンバー[編集]

  • イアン・ブルース・ダグラス – リード・ボーカル、エレクトリック・ピアノ、オルガン、ヴィブラフォン、リード・ギター、リコーダー (1967–1968)
  • バーバラ・ジーン・ハドソン – ボーカル、アコースティック・ギター (1967–1969)
  • テッド・マイヤーズ – リード・ボーカル、リード・ギター (1967, 1969)
  • ジェフ・バクスター – リードギター、スティールギター、ヴィブラフォン、ボーカル (1968–1969)
  • トニー・シューレン – オルガン、ピアノ、アコースティック・ギター、ボーカル (1968–1969)
  • マイク・レヴィーン – ベースギター (1968–1969)
  • ラッセル・レヴィーン – ドラム、パーカッション (1968–1969)
  • リチャード・ネーゼ – ベース (アコースティックとエレクトリック)、フィードバック (1967–1968)
  • ジェフリー・ウィンスロップ – リズムギター (1967–1968)
  • キース・ラーテイネン – ドラム、パーカッション、ボーカル (1967)

ディスコグラフィー[編集]

アルバム[編集]

  • Ultimate Spinatch (1968)
  • Behold & See (1968)
  • Ultimate Spinatch III(1969年)

コンピレーション[編集]

  • The Box (2000)
  • The Very Best of Ultimate Spinach (2001)
  • Sacrifice of the Moon: Instrumental Music of Ultimate Spinach (2006)

ライブ・アルバム[編集]

  • Live at the Unicorn, July 1967 (2014)

シングル[編集]

  • 『僕の旅路(Ego Trip)/ 揺れる頭(Your Head Is Reeling)』 (1968)
  • 『(ジャスト・ライク)ロミオ&ジュリエット』(1969年)

脚注[編集]

[脚注の使い方]
  1. 1.0 1.1 Richie Unterberger. “Ultimate Spinach - Biography”. allmusic.com. 2015年4月1日閲覧。
  2. 2.0 2.1 Breznikar, Klemen (2011年9月30日). “Ultimate Spinach interview with Ian Bruce-Douglas” (英語). It's Psychedelic Baby! Magazine. 2020年6月1日閲覧。
  3. Ultimate Spinach | Biography & History” (英語). AllMusic. 2020年6月1日閲覧。
  4. The Bosstown Sound”. punkblowfish.com. 2015年4月1日閲覧。
  5. Richie Unterberger. “Ultimate Spinach - Review”. allmusic.com. 2015年4月1日閲覧。
  6. 6.0 6.1 Ian Douglas Interview”. terrascope.co.uk. 2015年4月1日閲覧。
  7. Richie Unterberger. “Behold & See - Review”. allmusic.com. 2015年4月1日閲覧。
  8. The Ultimate Interview”. connecthotel.com. 2015年4月1日閲覧。
  9. Ultimate Spinach discography”. discogs.com. 2015年4月1日閲覧。
  10. Ultimate Spinach discography”. discogs.com. 2015年4月1日閲覧。


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